【概要】
今日は高気圧に覆われる予報を聞き近くの葉山へ出かけることにした。単純なピストンは少し飽きてきたので勧進代尾根から白兎尾根への周回を予定してみる。同じコースを今年の春車2台を使って歩いたが今回は徒歩で元の地点に戻る計画。といっても二つの登山口は近いのでたいしたことはない。置賜地方は朝から霧が深く視界はほとんどなかった。それでも林道ゲートまで上がってくると上空の青空が透けて見えた。もう少し登れば濃霧から抜け出しそうだった。
林道ゲートをすぎるともまもなく「かんかね館跡登口」の標柱がある。最初からいきなり急登の連続で、足場がしっかりしていないことからけっこうきつい登りを強いられる。勾配がゆるむといっきに展望が開けてきた。下界はまだ雲に隠れており雲海に浮かんでいるのは白鷹山、蔵王連峰、吾妻連峰、飯豊連峰だった。気温の上昇と共に雲海が晴れて行く光景はちょっとした感動ものだ。山道は道刈りもされていていたって歩きやすかった。尾根道が朝の陽光に反射してきらめいている。ところどころにキノコの取り残しがあり、そのたびに寄り道をするものだからなかなか高度が上がらなかった。
勧進代登山口分岐を過ぎると落葉が進み紅葉はほとんどなくなってゆく。分岐から稜線までは約1時間。春の残雪期もよいものだがこの時期の尾根道も明るくて心地よいばかり。晩秋の山歩きはこの見通しのよさにこそあるのだろうと思う。葉山山荘には3時間かかってようやく到着した。神社にたつと木立の間から冠雪した大朝日岳がみえた。このところの陽気で雪はそれほど多くはなさそうだった。人影は見あたらなかったが奥ノ院にでも登山者がいるのかかすかに話し声が聞こえた。
奥ノ院には先客が一人休んでいた。ついさっきまで登山者がもっといたそうだがすでに下山したとのこと。途中ですれ違わなかったところをみると昭和堰コースを下山したのかもしれない。気温があがり朝方覆っていた雲海はほとんどなくなっている。飯豊連峰は新雪を抱いて輝いているが、目前の祝瓶山には雪はまったくみられない。ランチタイムをとりながら気持ちの良い大展望を久しぶりに堪能した。
白兎尾根は多くの落ち葉で埋まっていた。膝ぐらいまでの落ち葉を蹴散らしながら下るのは快適だった。しかし落ち葉には木の根や多くの石ころが隠れているもの。思わぬところで転倒しそうになるので慎重に下らなければならなかった。この時期は下るほどに再び紅葉の華やかさが増すのでなかなか楽しいものがある。木立から漏れてくる日差しも明るく歩いていても心地よいばかりだった。奥ノ院から森林公園までは1時間30分。ここから30分道路を歩いて元の駐車地点に戻った。