山 行 記 録

【平成27年10月4日/湯ノ台〜鳥海山】



八丁坂を登る



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】日帰り 前日ゆりんこ温泉に車中泊
【山域】鳥海山
【山名と標高】伏拝岳2,130m
【地形図】(2.5万)鳥海山、湯ノ台(20万)新庄
【天候】晴れのち曇り
【温泉】西川町道の駅 水沢温泉300円
【参考タイム】
滝ノ小屋登山口6:40〜滝ノ小屋7:00〜河原宿8:15〜伏拝岳10:50〜河原宿13:00〜滝ノ小屋13:50〜滝ノ小屋登山口14:10
 
【概要】
 台風から変わった爆弾低気圧も北海道から去ってゆき、ようやく予報も晴れマークになったのをみての鳥海山だった。予定では久しぶりに山頂から鳥海湖と千畳ケ原を周回するコースをたてていた。前日は北月山荘や羽黒山の散策などを楽しみながらその夜はゆりんこ温泉に車中泊した。

 翌日は朝から雲ひとつない快晴の空が広がっていた。天候の心配も皆無とあってはじめはルンルン気分で登って行く。紅葉は滝の小屋付近がちょうど見頃になっていた。八丁坂に差し掛かると紅葉はそれなりに彩りがあるのだが盛りはとっくに過ぎていた。稜線付近に雲が突然広がりだしたのはその辺りからだった。河原宿付近までくると雲は上空を覆うまでになっていて日差しは急速に失われて行く。ときおり太陽が雲の間から顔をのぞいたりするのだがそれもつかの間。心字雪渓を横断する頃には気温も徐々に下がりはじめ寒さは厳しくなる一方だった。夏山装備ではとても耐えられそうもなくなり、途中から冬山装備に身支度を整えることにした。薊坂の急坂からは風もハンパではなくなってゆく。それでも装備を固めていることもあってまだまだ気もちが萎えることはなかった。なつかしい鶴天さんに出会ったのはこのあたりだった。ひとことかわした声に聞き覚えがありすぐにわかった。鶴天さんは早くも七高山を往復してきたらしかった。こんな天候にもかかわらずあいかわらずの天狗ぶりに感心することひとしきり。久しぶりの出会いに話しもはずんだ。

 標高が2000mを超えるとまわりが一面の霧氷に覆われてしまい様相が一変する。秋の景色と冬の景色が入れ替わるように突然季節感ががらりと変わった。それまでの秋景色はすでになく目前には真冬の光景が広がっていた。10時50分。ようやく伏拝岳に到着したが稜線は真冬並の強烈な寒気と強風が吹き荒れていた。視界はほとんどなく見えるのは足元の登山道だけである。紅葉どころではなかった。こんな天候でも冬山装備に身を固めているカミさんは意外にも元気で、はじめは七高山まででも往復するつもりらしく、さっそうと行者岳へと歩いて行く。しかしこんな天候の時に登っても少しも楽しくはないからと途中で引き返すことにした。

 下山を開始するとやはり2000m付近から天候ががらりと変わったのを実感する。強風と寒さはそれほどかわりがないのだが、体が急に温まったような気がするのである。霧氷の有無はそれだけで気温が何度か違うようだった。それからは少しでも高度を下げるためひたすら下り続けた。河原宿まで下ると風もようやく弱まってきたが視界がよくなることはなかった。天候は悪くなる一方で広がり始めた濃霧は小屋付近まで降りてきていた。それでも悪天候だったのはどうやら高山だけであり、平地では終日晴れ間が続いていたようである。酒田の市街地や庄内平野にまぶしいほどの日差しが降り注いでいるのが見えた。滝の小屋が眼下に見える頃には鳥海山の裾野にも少しずつ明るさが増してきている。紅葉がひときわ華やかさを見せたのは鳥海家族旅行村へ下る登路付近だった。朝方は逆光のためにくすんでいた広い尾根が、午後の陽光を浴びると様々な色彩を放ちながら一斉に輝いた。


滝の小屋までは快晴だったのですが


滝の小屋


滝の小屋のすぐ上部
突然雲が湧いてきて一抹の不安が


庄内平野と日本海(八丁坂)


八丁坂を登る
まだ天候が悪化する気配はなく
草紅葉と青空を楽しみながら登ります


河原宿小屋付近からの光景
山頂付近はまったく見えなくなりました


河原宿小屋


たちまち雲に覆われる外輪山(河原宿小屋)


標高2000m付近
風はかなり冷たいです


伏拝岳目前
バリバリとした霧氷が一面に張り付き
真冬のような強風が吹き荒れていました


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