山 行 記 録

平成27年9月13日〜16日/立山三山縦走 浄土山〜雄山〜大汝山〜富士ノ折立〜真砂岳〜別山】



室堂にて



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】前夜発、小屋泊
【山域】北アルプス
【山名と標高】浄土山2831m、雄山3003m、大汝山3015m、富士ノ折立2999m、真砂岳2861m、別山1984m
【地形図】(2.5万)立山、剱岳(20万)高山
【天候】(13日)雨(14日)晴れ・快晴(15日)晴れ(16日)晴れ
【温泉】雷鳥荘 内風呂・温泉(宿泊者無料)
【参考タイム】
(13日)長井〜R113〜荒川胎内IC〜糸魚川IC〜道の駅白馬(仮眠)
(14日)道の駅白馬〜扇沢〜(黒部立山アルペンルート)〜室堂
     室堂9:30〜室堂山荘分岐9:50〜展望台10:50-11:00〜浄土山11:45〜一ノ越分岐12:00-12:30〜
     一ノ越山荘13:00〜室堂山荘14:05〜雷鳥荘(泊)14:40
(15日)雷鳥荘7:00〜室堂山荘7:40〜一ノ越山荘8:40〜雄山10:00-10:40(参拝・食事)〜大汝山11:10〜
     富士ノ折立11:43〜2860m(食事12:30-13:00)〜真砂岳13:10〜別山13:55〜別山乗越(剱御前小屋)14:50〜
     雷鳥沢キャンプ場16:00〜雷鳥荘16:25(泊)
(16日)雷鳥荘8:00〜室堂8:40
     室堂〜(黒部立山アルペンルート・黒部ダム駅にて黒部ダム観光(遊覧船ほか))〜扇沢〜糸魚川IC〜荒川胎内IC〜R113〜長井
     ※GPSによる3日間のデータ(総上昇量1971m、総下降量1671m、積算距離22.73km)

【概要】
 立山は日本の飛騨山脈北部、立山連峰の主峰で、中部山岳国立公園を代表する山の一つである。浄土山、雄山、別山の3つの峰を総称して立山三山とも呼ばれている。縦走するにはほかに大汝山、富士ノ折立、真砂岳といつくもの峰峰を越えてゆかなければならない。この立山は1997年に登って以来18年ぶりだが、カミさんにとっては初北アルプスデビューとなる。もちろん3000m峰もはじめてで、縦走すれば雄山と大汝山の2座を登れる。急遽思い立って9月13日朝、扇沢に向かって土砂降りの北陸道を走った。

(1日目)
 今日は早朝から青空が広がり雲ひとつ無い文句無しの快晴である。朝一番の切符を購入し、黒部立山アルペンルートにより室堂ターミナルに到着。来週にシルバーウィークを控えているせいか登山者も観光客もそれほど多くはなく室堂平は閑散としていた。今日はとりあえず目前に聳える浄土山を登ることにする。前回は西穂からのジャンダルムや剱岳の直後だっただけに、立山三山縦走といいながら、この浄土山だけはそれほど興味もなくボク自身も未踏の山となっていた。翌日の縦走のための足慣らしにはちょうど手頃といえそうだった。

 整備された石畳の道を歩いて行き室堂山荘との分岐点から浄土山へ向かう。途中、室堂山付近で展望台への分岐があり立ち寄ってみる。すると見渡す限りの大雲海が広がっていて歓声があがった。槍穂高連峰はもちろんのこと、後立山連峰や笠ヶ岳から薬師岳の稜線、表銀座の山々が雲の上に浮かんでいるこの大きな眺望に感動する。室堂山から山頂までは大きな石を乗り越えながら汗を搾り取られる。勾配がゆるむと浄土山の山頂だ。目前の雄山が大きいが400m足らずの標高差とはいえ疲労感もまた大きい。できれば雄山まで足を延ばしてもの思いもあったのだが予定どおり足慣らしにとどめておいた方が良さそうだった。なだらかな平坦部を進むと五色ヶ原分岐に着いた。ここには富山大学立山研究所の建物がたっている。ここからは一ノ越に下りてゆくだけなので食事をしながらのんびりとした。

 一ノ越山荘からはふたたび整備された石畳を下る。これから雄山を目指す人も多く、まだまだ大勢の登山者が登ってくる。浄土山を登り終えて結構疲れていたせいか、この下り道は結構長く感じた。眼下には今夜の山小屋、雷鳥荘が見えているのだが、はるか遠くに見えていて気が遠くなりそうだった。途中、ミドリガ池やミクリガ池などを楽しみながら進む。雷鳥荘周辺では火山ガスがかなり噴出していて地獄谷歩道は現在通行止めとなっている。風向きによっては登山道も要注意となりボク達はハンカチを濡らして通過した。

 雷鳥荘には午後3時前に着いた。ここには内風呂付きの温泉があり早速今日の汗を流した。山小屋にきて温泉に入れるありがたさにしみじみとする。トイレも全てシャワートイレとあって豪華なホテルに泊まっているような錯覚を覚える。夕食はワインを一本購入し早速乾杯。美味しい料理に舌鼓を打ちながらも二人では1本も呑みきれない。ワインは翌日まで冷蔵庫に保管してもらった。その夜、午前2時に起き出して天の川銀河など満天の星空を眺めながら楽しんだ。

(二日目)
 雷鳥荘の朝食はバイキング。好きなものをたらふく食べ終えて雷鳥荘を午前7時に出発した。昨日は疲れてしまい一ノ越から雷鳥荘までは1時間40分かかって下山したのだが、一晩寝て疲れはすっかりとれたのか、一ノ越までの登りも1時間40分と全く所要時間は同じだった。重い荷物を山小屋に置いてきたのでザックが軽いせいかもしれなかった。

 雄山までは大きな石伝いに登ってゆく。テントを担いだ若者パーティが大勢山頂から下りてくる。山頂までは急勾配とあって山荘や室堂平が見る間に小さくなってゆく。山頂には一ノ越からちょうど1時間で着いた。休憩所では大勢の登山者が休んでいて大賑わいだった。といっても3003mの雄山山頂はこの先の神社にある。とりあえず500円の登拝料を払いお札などをもらってからお祓いを受けるために神社へと登る。神主からは雄山や立山の歴史などの説明がありその後にお祓いをしてもらった。休憩所に戻りベンチに座って早めの昼食をとる。山小屋からもらった昼食弁当が2人分あるのでまずは一つの弁当を二人で分けあって食べた。

 左手に見える箱庭のような室堂平を眺めながらの縦走路は快適だった。爽やかな風が稜線を流れ山日和としては最高の条件がそろっている。岩山のような大汝山、富士ノ折立を越えてゆく。おおきな鞍部を登り返せば緩やかな真砂岳が正面となる。この直前の2860m付近で残っていた弁当を食べる。正面の斜面は内蔵助カールで、稜線から少し離れて内蔵助山荘が見えている。この伸びやかな稜線と遠くに見える白い雲。さらに異様なほどに高い澄み切った青空。この好天の中で北アルプスに遊んでいる幸せを思わずにいられない。

 一ノ越から富士ノ折立までの荒々しい岩や石などはめっきり少なくなり、別山まではいたって歩きやすい道が続いた。別山の急坂をひとのぼりすれば神社の建つ別山南峰。ここまで無事に登ってこれたことに感謝して参拝する。別山からは剱岳が目前。剱沢キャンプ場も眼下に見えていて眺望は抜群。あいにく剱岳の山頂付近にガスがかかりここぞというときに写真がうまく撮れなかったが感無量であった。

 剱御前小屋の建つ別山乗越までは稜線伝いにひと歩きとなる。雷鳥荘を出てからすでに7時間。登りはもうほとんどないとはいえ、山小屋に戻るにはまだ2時間以上はかかりそうだった。剱御前小屋で小休止後は一路雷鳥坂をひたすら下るだけとなる。夕刻が迫る時間帯だったが周辺にはまだまだ大勢の登山者がいるので心強い。昨日よりも一段と鮮やかさを増した紅葉を楽しみながら雷鳥沢キャンプ場へと下りてゆく。

 雷鳥沢キャンプ場から雷鳥荘までは30分弱の登りとなる。疲れが増していただけにこれが意外と長くつらい登りだった。雷鳥荘到着は午後4時25分。約9時間30分の立山周回コースが終わった。この夜は再びワインで乾杯。二日目の夕食をのんびりと楽しんだ。宿泊者は昨日とほとんど入れ替わっていた。

(三日目)
 今日の行程は室堂ターミナルに戻るだけとなる。好天が二日間続いただけにさすがに今日は曇り空が広がり青空はどこにもなかった。黒部立山アルペンルートで黒部湖駅に降り立ち、今日は黒部ダムの観光。もう二度とこられないだろうと思い、カンバ谷吊橋を渡り「ロッジくろよん」方面に歩いてみたり、黒部湖の遊覧船に乗ったり、黒部ダム周辺をくまなく歩き回ったりしてみた。三日目はほとんど歩くことはないだろうと思っていたのだが、ザックを背負っての階段登りなどは疲れた身には結構こたえるものだった。天候に恵まれ心ゆくまで堪能した北アルプスの三日間がようやく終わった。


浄土山への登り(後ろは室堂山荘)


展望台からの大雲海と後立山連峰


五色ガ原分岐
すぐ近くに富山大学立山研究所が建っている
背後に雄山から別山への縦走路が見える


ミドリガ池と立山連峰をバックに
雄山(左)と浄土山 ※鞍部は一ノ越


一ノ越への途中に雪渓が残る


一ノ越から雄山への登り
見る間に山小屋が小さくなってゆきます


雄山山頂


富士ノ折立から
背後は黒部湖と後立山連峰


真砂岳を下る


別山をバックに劔御前小屋と下ります


お楽しみの夕食
ご飯と味噌汁はお代わり自由です


朝食バイキング
朝食もご飯と味噌汁はお代わり自由でした


軌跡

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