【概要】
天狗角力取山には久しぶり。後で調べてみたら3年ぶりである。今日は山岳会のメンバーから誘われての山行。しかし大井沢に向かう途中でタイヤがパンクしてしまい、おかげで出発時間が1時間以上も遅れるというアクシデントから始まった。おまけに朝から雨が降り止まないこともあって、当初予定していた障子ガ岳コースは中止。行程は天狗小屋までの直登コースに変更となり終始のんびりムードで進んだ。
3年ぶりとなると記憶は曖昧で、コースがやけに長く感じられた。焼峰まではなんとかがんばれたのだがそのあとがいけない。もうそろそろ雨量観測所だろうと思ってもなかなかたどり着かないのである。登りきったと思ったら大きな下りが何カ所もでてきたりして何度もはぐらかされてしまうのだ。降り止まない雨のせいもあるのだろうが予想外のコースの長さに体力が徐々に失われてしまっていた。以前は出谷川経由で狐穴小屋に何回も登っていたのが我ながら信じられない。ようやく雨量観測所に着いた時には4時間もたっていた。展望のピークでは先客が5、6名休憩してて、よくみれば小屋の管理人とその仲間達だった。みんな今日の空模様を恨めしそうに眺めながら、早くも小屋での宴会を楽しみにしているようだった。
小屋に向かう前にひとまず天狗角力取山へ。土俵のまわりにはコゴメグサやオヤマリンドウ、マツムシソウなどが咲いている程度だが、雨に打たれ続けてきたせいなのか、このわずかばかりの花々に心が癒される思いがした。天狗小屋に入り濡れたものなどを片付ければさっそく宴会となる。こんな天候の時はほとんど登山者も来ないだろうと、全員2階に集まり管理人を交えながら和気藹々の飲み会が始まった。小屋での生活は快適だった。全身びしょ濡れだったシャツなども、熱々の鍋などを食べているうちに体が温まり、夕方まではほとんど乾いてしまっていた。その夜は鍋の他にも焼きそばや焼き肉などもあって食いきれないほどの料理に舌鼓をうつ。わずかばかりのアルコールに酔いが回った自分はたちまちダウンしてしまった。
翌日も朝から雨が降り続いていた。晴れれば久しぶりの障子ガ岳も楽しみだったのだが、悪天候で視界がないのでは諦めるしかない。そんななかで粟畑の湿原に咲くイワショウブが雨にしっとりと濡れていて、この風情漂う光景はしばらく心に残りそうだった。