山 行 記 録

【平成27年5月22日/古寺鉱泉から大朝日岳】



ミネザクラと大朝日岳のY字雪渓
この辺りでは爽やかな風が流れていました



【メンバー】単独
【山行形態】日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】古寺山1,501m、大朝日岳1870.3mm
【地形図】(2.5万)朝日岳、(20万)村上
【天候】晴れ
【参考タイム】
古寺鉱泉7:50〜古寺山10:25〜小朝日岳巻道〜熊越11:11〜銀玉水12:05〜大朝日岳12:40-13:10発〜熊越14:10〜古寺山-14:40-14:50〜古寺鉱泉16:40

【概要】
 平日ということもあって駐車場には横浜ナンバー車が1台止まっているだけだった。車をとめると同時に単独の男性が出発していった。駐車場の周囲にはまだ雪も多く残っていて融け出したところには多くのミズバショウが咲いていた。

 穏やかな天気予報だったが風が強い日だった。メモ用紙に書いた登山届けを古寺鉱泉に投函。今日はゆけるところまでという気持ちで歩き出す。なにしろ先日の飯豊では途中敗退しているだけに体力にはさっぱり自信がなくなっている。ほとんど残雪歩きのはずだろうと一応アイゼンとピッケルを持参しているが、その残雪は1000m付近から少しずつ現れた。完全に残雪歩きとなったのはハナヌキ分岐を過ぎた辺りからだった。キックステップでも登れそうだったがせっかく持ってきたのだからとアイゼンを装着。残雪とブナの新緑がまぶしくサングラスはかかせない。振り返ると残雪を抱いた月山が背後にどっしりと居座っている。その傍らにはうっすらと鳥海山が空に浮かんでいた。

 三沢清水付近で横浜氏を遠くから追い越すと古寺山直下に付く。古寺山の雪庇は例年どおり大きく発達しており、見上げるとのしかかってきそうなほどの迫力がある。登り切った正面からは大朝日岳や小朝日岳が現れた。一気に広がるここからの展望も格別で、障子ガ岳やユーフンの稜線が折り重なっている。遠方の山塊は以東岳だった。雪解けが早いといわれながらもこの辺りの残雪はむしろかなり多いなあと感じる。

 古寺山までは広々とした雪堤を歩いてゆく。この雪堤も例年の同時期よりははるかに大きく広々としている。おかげでこの残雪歩きは至極快適だった。古寺山でアイゼンを外し小朝日岳へと向かった。小朝日岳直下までは意外と時間がかかるもの。ここにきてかなり疲れ気味なのをあらためて実感した。これではとても小朝日岳を登る余裕はなく巻き道をたどることにした。途中の雪渓はピッケルのみで通過。危なげない残雪はアイゼンを利用し、ここの危険地帯をアイゼンなしで通過するのはどう見ても矛盾している。疲れのため意識が散漫しているのかもしれなかった。

 熊越しの鞍部を過ぎると大朝日岳も射程圏内となる。順調とはいえ疲れのためすぐには動けなくなり木陰のある場所で休むことにした。食事を取っているとかなり離れているとばかり思っていた横浜氏が突然現れて驚いた。横浜氏はすでにGW前から山旅を続けているらしく、北海道や東北の山を毎日のように登っているという大健脚の持ち主だった。

 樹林帯を抜け出し稜線に出ると風が強まってきた。登山道ではミネザクラやムラサキヤシオが盛り。花々の華やかさと残雪の山並みの取り合わせがことのほか美しい。大朝日岳はすでに至近距離に迫る。Y字雪渓は例年よりもくっきりとしているようだ。足が攣らないようにとばかり気にかかってしょうがなかった。

 銀玉水はまだまだ多くの積雪に覆われ影も形もみられなかった。雪渓をジグザグに登ると大朝日小屋も目前。中岳もまだまだ多くの雪に覆われており、山スキーもまだまだ楽しめそうな感じさえした。

 大朝日岳着は12時40分。巻き道を利用して5時間ということは意外とかかっている証左だろう。しかし2年ぶりに訪れた山頂は感無量だった。もうバテバテだったがこれ以上登る必要はないというこの開放感がたまらない。しばらく写真を撮りながら山頂からの大展望を楽しんだ。しかし強風は相変わらずで寒さもハンパではなかった。防寒着を着ても凍えそうなほどの寒さなのだ。風速10m以上の風が山頂付近を流れているようだった。久しぶりの山頂ではのんびりしていたい気分だったが、FBへの投稿などを済ませると早々に山頂を後にした。


古寺鉱泉への道


早朝の古寺鉱泉


一服清水から古寺山を仰ぎます


三沢清水付近から月山


遠方に以東岳(古寺山直下から)


小朝日岳と大朝日岳(古寺山)


大朝日岳、中岳、西朝日岳(古寺山から)


ミネザクラ


小朝日岳


ミネザクラと大朝日岳


バテバテで到着しました


祝瓶山遠望
後方に飯豊連峰がうっすらと浮かんでいました


西朝日岳(古寺山から)


古寺山の雪庇

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