山 行 記 録

【平成27年5月17日/梅花皮荘〜西俣ノ峰〜頼母木山(三匹穴まで)



三匹穴



【メンバー】単独
【山行形態】日帰り
【山域】飯豊連峰 
【山名と標高】西俣ノ峰1023.2m、三匹穴、1470m、頼母木山 1720m
【地形図】(2.5万)長者原(20万)新潟
【天候】晴れ
【参考タイム】
奥川入荘6:45〜登山口7:00〜大曲り7:30〜十文字池8:00〜西俣ノ峰8:50〜枯松峰10:00〜三匹穴11:45〜12:00〜十文字池14:20〜大曲り14:35〜登山口15:00〜奥川入荘15:20

【概要】
 西俣尾根には2年ぶり。山スキーで杁差岳ワンデイなどをやっているものの、西俣ノ峰から頼母木山までは未踏となっており、これではいくらなんでも片手落ちだろうと、この区間を登ってみることにした。頼母木山から北東に伸びる西俣尾根には西俣ノ峰のほかに枯松峰や三匹穴などの聞き慣れない地名もあって興味津々でもある。体調はよくなかったが早立ちさえすれば山頂を踏めるだろうと、いつもの楽観的かつ安易な計画である。

 6時には出発したかったが歩き出しはすでに7時近い時間になっていた。西俣ノ峰登山口への曲がり角には立派な標識がたっている。尾根の取り付きからはかなりの急登が続く。傍らにはツツジが咲き乱れていて尾根には華やかさが漂う。トラロープのある岩場を2カ所通過すれば標高は530mの大曲りにつく。登山口からここまで30分。たった30分だったがこの急登ではかなりの汗を搾り取られてしまった。

 松林の細尾根にはイワウチワやカタクリがびっしりと咲いている。途中におおきな熊の糞がある。まるでマーキングである。大曲りから十文字池までは30分かかった。ここでようやく残雪が現れる。池はほとんど雪の中のようだったが、右手に進路を変えながら雪渓が緩やかに続いている。この光景は前回の山スキーを思い出して懐かしかった。雪渓は途切れがちのため途中から夏道に入った。山頂が近づくにつれてかなりの急坂となり両足を踏ん張らなければならなかった。

 西俣ノ峰にはおよそ2時間を要した。木立の間から鉾立峰と杁差岳が望めた。北峰に聳える顕著なピークは枯松山か。同じような高さの大境山は枯松山の影に隠れて見えないようだった。山頂では6時に出発したという6名グループがいた。同じようにこれから頼母木山をめざすらしく入れ替わりに出発していった。ボクは結構疲れていてすぐには動けそうもなくしばし休憩タイム。ここからはほぼ残雪歩きだろうとアイゼンをつけた。

 アイゼンをつけての残雪歩きは快適だった。6名グループを途中で追い越しまもなく1089mピークを通過。ここは東俣川から杁差岳に向かう際の滑降地点でもある。雪堤が途中で切れたため夏道を歩いたが、再び残雪に飛び出した地点は枯松峰直下。残雪をのんびりと登ればそこは枯松峰だった。ピークというよりは小高い丘といった感じで一面広大な雪原となっていた。遮るもののない山頂からは、地神山や頼母木山、飯豊本山、扇ノ地紙などが見渡せる絶好のビューポイントだった。特に至近距離にそびえる杁差と鉾立峰は素晴らしい迫力だった。

 枯松峰からもアップダウンが続いた。いったん夏道となったがアイゼンをつけたままなので雪堤が現れると雪原を歩いた。標高1400mを超えたあたりで雪堤が途切れそうになり夏道に戻ろうとした。藪を漕いで行こうとしたのだが、そんなに簡単ではなくヤブと格闘しているうちに足が攣ってしまった。

 無理にヤブ漕ぎするのはあきらめて少し引き返した地点から夏道に戻った。しばらく食事を取りながら休憩をとる。もう少し早い時期であればこのまま雪渓をつないで頼母木山直下まで進めそうだったが、今回はあまりに雪が少なかったようである。素直に夏道をたどった方がよほど簡単だということに今頃気付いた始末だった。

 休憩地点から急坂を登るとまもなく樹林帯から抜け出した。心地よい涼風が流れ疲れた体が癒されてゆくようだった。この風さえあればずっと歩いてゆけそうだと思っていたのだが、この先の急坂を登り切ったところで再び足が攣って愕然とする。もんどりうつような痛みにはしばらく動くことができなかった。そこには「三豊清水」の金属プレートが横たわっておりすぐ先が「三匹穴」だった。

 大きなダケカンバに「三匹穴」の山名標識がぶらさがっていた。ここでザックをおろして両足をしばらく休めることにした。頼母木山までは1時間程度だろう。山頂はもう目前だったが、両足はすでに悲鳴を上げている状態ではあきらめるしかなさそうだった。日頃の不摂生を呪うばかりで筋力の無さを嘆くしかなかった。

 今日はもっと登山者がいるはずだったが頼母木山から引き返してくる人は見あたらなかった。追いついてくるはずだった後続の6名グループも登ってくる気配は無かった。もしかしたらみんな枯松峰で引き返したのかもしれなかった。人の気配のない稜線はまるで自分しかいないような静けさが漂っている。残雪の白さと青空が悲しいほどまぶしかった。ここからはのんびりと下ろうと痛み出した両足をかばいながら三匹穴を後にした。


奥川入荘から飯豊連峰を仰ぐ


十文字池


十文字池から雪渓が現れました


西俣ノ峰からみる枯松山


標識と枯松山


枯松峰は大雪原でした(右奥は頼母木山)


枯松峰から杁差岳と鉾立峰


稜線が近づいてきました(枯松峰から)


飯豊山の遠望(枯松峰から)


頼母木山(枯松峰から)


三匹穴付近は快適な夏道でした
ミネザクラやムラサキヤシオが咲く


三匹穴のすぐ近くに三豊清水


三匹穴から仰ぐ頼母木山


コース

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