リフト終点からは牛首経由で登る。今日は昨日のメンバーに一名が加わり、牛首からは大○さんを拾って総勢8名。雪はザラメだったが一応アイゼンを 装着して鍛冶小屋跡へと向かった。鍛冶小屋直下はほとんど雪がないだろうと見えたのだが少し南側に進めばまだかろうじて雪面はつながっている。しかし登山 道はすでに見えていて今年の雪解けの早さに驚いた。
月山の山頂には約2時間で到着した。月山神社はすでに全体がみえるほど融雪が進んでいる。のんびりと記念写真を撮ったり展望を楽しんだりして山頂 の一時をすごす。シールをはがせばあとはひたすら北方をめざして下るだけとなる。昨日よりもずっと良くなるはずだと思われた空模様だったが、意外と霞んで いて鳥海山はかろうじて上部付近が見えるだけ。このすっきりとしない空模様はどうやら黄砂の影響らしかった。それでも気温は高く風もほとんどない穏やかな 山日和。次々と北月山荘に向かって滑走開始した。雪質は極上のザラメ雪といってよくたちまち仏生小屋へとたどり着く。スキーが走るだけに今年のペースはだ いぶ早い。仏生小屋で昼食を兼ねながら30分ほどの大休止。その後はさらにスピードに乗って広大な弥陀ヶ原を下ってゆくばかりだった。
心地よい薫風を体全体に感じながらの広大な弥陀ヶ原の滑走は至福という言葉しかない。八合目小屋付近も雄大な雪原がどこまでも広がっていてどこが ゲレンデの端っこかは全然わからない。大トラバースから三角峰への尾根に戻ると北月山荘から逆コースを登っていた安○さんから無線が飛び込んだ。ボク達の 姿が見えるのか近くにいるようだった。最初、どこかでボク達とすれ違ったのだろうかと思ったのだが、そうではなく前方の尾根上からボク達を見つけたらし かった。安○さん達に合流しようかとスキーを走らせたのだが追いつけるような距離ではない。鶴巻池付近のコース状況を教えてもらっているうちに無線が途中 で切れた。
急斜面を降りたところからは昨年と同様に左手の斜面へと降りてゆく。そこからは沢沿いのルート取りで983m峰へと向かった。この辺りは雪解けが 早いと入っても豪雪の月山だけあり積雪は豊富だ。おかげでどこも自由自在に滑って行ける。辺り一帯は美しいブナの疎林が広がっていてまるで夢を見ているよ うな幸福感を味わいながらの滑降が続いた。
たどりついた983m峰ではいつものように最後の大休止をとる。ここまでくればツアーコースもすでに終盤。ここによい疲れに行動食などを取りなが らのんびりする時間は至福を感じさせる。気温も高く休んでいるとうたた寝をしたくなるような気持ちよさだった。983m峰からは最後の斜面が楽しめる。前 回は急斜面から直接鶴巻池へと下りたのだが、西斜面は雪が切れているという安○さんたちの無線を思い出し、今回は三角峰の東斜面を経由しながら鶴巻池へと 滑りおりてゆく。ツリーホールに落ちないよう注意しながら滑ってゆくとたちまち鶴巻池キャンプ場へと降り立った。
鶴巻池キャンプ場の施設や建物はまだ多くの残雪に埋もれていた。キャンプ場は三角峰の北斜面にあたるだけに雪解けは遅いようにみえる。鶴巻池はか
らひと登りで北月山スキー場の上部へと登り着く。ロッジの裏側に進むとゲレンデはまだ十分な積雪に覆われていた。北月山スキー場のゲレンデを滑降してゆく
と眼下に北月山荘が見えてくる。ボク達は北月山荘の目の前までスキーで滑り込みツアーが終了した。