【概要】
1年ぶりの大沢下り。ここは天候の心配さえなければ半分ゲレンデスキーのような気分で楽しめる。いつものように大沢駅から電車とバスを乗り継いで天元台まではきままな旅気分だ。メンバーの半数は昨日、大平コースを下っていて二日間の連チャンである。体調に不安を抱えていない人たちがたまらなくうらやましかった。
前日は目の覚めるような日本晴れの一日だったのだが、今日の予報では夕方から雨。山では天気の変化も早いだろうから悪天候はある程度覚悟はしていたのだが、開けてみれば朝から予想外の好天からツアーの一日が始まった。天気予報のせいでもないだろうが、天元台からのツアーはボク達だけであった。新たな降雪もなく昨日のトレースが結構残っている中、人形石をめざして登り始めた。
中大巓のピークでシールをはがし人形石の東斜面を一滑り。少しウインドパックされた雪面に少し難儀しながらだったが、天候がよいのでみんなの表情は満面の笑み。見渡すと飯豊連峰や朝日連峰がくっきりと青空に浮かぶ。月山のかたわらには鳥海山までが見えるのである。弥兵衛平も展望を楽しみながらわいわいがやがやと快適なスノーハイキングだった。途中で少し長目の休憩をはさみ、明月荘に到着は12時20分。小屋の入口はいつものように分厚い雪の壁でふさがっていたが、日差しもあるので入口の掘り出しなどはしない。青空の下での昼食休憩となった。
明月荘からは大沢下りが始まる。一枚バーンのようなクジラの大斜面を一滑りすればあとは渋川の徒渉点までほとんどノンストップ状態。もちろん忠チャン転ばしでは深雪のパウダーを思いっきり楽しむ。少し重めの雪質に苦労はしたものの久しぶりのバックカントリーは楽しいばかりである。砂盛の北斜面は日差しが当たらないこともあって今日一番の雪質。カメラを構えているとみんな待ちきれないとばかりに滑り降りていった。
茂皮平からは林道を絡めながら吾妻放牧場へと向かうだけとなる。昨日のトレースのおかげでスキーはよく走る。平坦部もほとんどスピードが落ちなかった。またたくまに吾妻放牧場を過ぎカタツムリ山荘跡を通過。林道を快適にすべっていると大沢駅はまもなくだった。結局、放牧場から大沢駅までは30分しかかからなかった。