【概要】
今日は朝から青空が広がっていた。あいかわらず体調はいまひとつだったが、雲ひとつない空を見上げるとさすがに我慢できなくなり、昼近くではあったが近くの熊野山へでかけてみることにした。カミさんにとって熊野山は初めて。おなじ昼食を食べるのであれば山で食べた方がはるかにおいしいだろうと、いわばそのために思い立ったようなものだった。
重い荷物は控えることにしてほとんどの荷物をカミさんのザックに詰め込む。駐車場から急坂をひと登りすればそこはもう別世界だ。三体山などの展望が開けてきて、日頃のストレスが不思議なほど消えてゆくようだった。リフトトップに登り切ったところで雪を踏み固め、さっそく食事場所の設営となる。そこは春のような柔らかい日差しと心地良い微風が流れる最高の休憩地点でもある。好天にもかかわらずスキー場は閑散としていて近くには人の気配もなかった。誰にも気兼ねせず、のんびりとした時間をしばらく過ごした。
食後は軽くなったザックを背負い樹林帯へと入ってゆく。古いスノーシューの踏跡も残っていたが、よく見ると真新しいトレースもあった。どうやら今日は先客がいるようだった。その先客には498mP付近で出会った。スノーシューのご夫婦で地元の人のようだった。あまりに天気がよいので第2展望台まで足を伸ばしてきたらしく下山の途中だった。
ホソ尾根を通過すれば最後の急坂となる。登るにつれて展望が広がるようになり、振り返ると野川の流れや山居集落、そして遠方には白鷹山などが見渡せるまでになった。積雪はかなり多いのでヤブなどはほとんどなくどこでも登ってゆけるのが楽しい。
熊野山到着は午後2時近くになっていた。いつものように神社で参拝を済ませ裏手に回ると少し木立がじゃまだったが祝瓶山が見えた。もっと見晴らしの良い第1展望台までは5分もかからないというとカミさんも乗り気になりさらに奥へと進むことにした。
第1展望台からは氷結した長井ダムと祝瓶山が目に飛び込んできた。祝瓶山は午後の鈍い日差しを浴びて少し霞がかったような感じだが、思い立ったときにちょこっと登ってきて、このような大展望を楽しめるのだから今日の幸運に感謝である。2時間足らずでこの光景が楽しめるというのは、考えてみればなんという贅沢だろうと思わずにはいられなかった。
下りは登ってきたルートを引き返すだけだったが、カミさんにとっては熊野山直下の急斜面が少々つらい。そこは大回りで迂回コースをとりながら高度を下げてゆくと徐々になだらかになる。単独だとほとんど時間もかからない行程だが、こうしてあちらこちらと気ままに寄り道しながらの道草は山スキーではけっこう楽しいものである。それもこれも今日の好天のおかげであろう。眼下にスキー場が見えてくれば今日のミニツアーもまもなく終盤だった。