【概要】
ネットで確認すると天元台スキー場の公称積雪は230センチ。このぐらいあればツアーコースは問題ないだろうと今日の行き先を若女平に決めた。体の不具合は相変わらずだがこのツアーコースならばそれほど体力は必要ない。無理さえしなければなんとかもつだろうという判断である。今回は今シーズンのスキーが初めてというカミさんが同行。といってもカミさんは例によってゲレンデスキーなので、下山したらボクは再び天元台にあがり一緒に昼食をとる予定をたててみた。カミさんとはリフトトップの北望台で別れた。
予想外だったがリフトトップからはスキーのトレースがあり最初からラッセルの必要はなさそうだった。12月としてはまだツアーは早い時期なはずで、入山者が他にいるとは思ってもいなかったのだ。しかし体力が落ちている今の自分にとってはありがたい踏跡ではある。一方、期待していた天候は全然パッとしない。視界はあるのだが薄雲が上空いっぱいに広がり晴れる兆しはなかった。晴れるどころか午後から雨が降り出す予報さえ出ているので時間との競争になりそうだった。
先行者はかなり早く出発したのだろう。カモシカ展望台から梵天岩を見渡しても人の姿はなかった。吾妻名物の樹氷もいまひとつで何となく物足りない気分。しかし視界ははっきりとしていて朝日連峰や月山は妖しげな輝きを見せていた。
梵天岩まで登ってしまえば本日の登りはおしまい。あとはツアーコースを下るだけとなる。先人のトレースは西吾妻山へと向かったのか、いつのまにかなくなっていた。ボクは西吾妻山も西吾妻小屋もすべてカットして、ツアーの標識付近でシールをはがした。ツアーコースへと向かうとまもなくスキーの踏跡が出現していささかびっくり。先人は早くも下った後らしく、トレースは若女平へと向かっているようだった。
コースを下り始めると滑降は快適だった。下るにつれ積雪は逆に増えて行くような具合で浮遊感もたっぷり。降雪直後だけに雪は軽く、まるで水上を滑るようにスキーが走って行く。さらに先人のトレースがあるおかげでいちいちルートの確認も必要がないのでほとんどノンストップだった。その先人には若女平の標識付近でようやく追い付くことができた。話かけてみると自分の名前まで知っているといわれ唖然とする。これまでも何回も出会っているのだというのだが、こちらはなかなかすぐには思い出せないのだ。若い人の記憶力はやはり違うなあとがっかりするばかり。そのうち「山とかスキーとか...」のブログを主宰しているnaoさんということがわかり話は弾んだ。
ダケカンバを抜けるとまもなく細尾根につく。ここも積雪はたっぷりとあり何の問題もなかった。対岸には天元台の山頂駅が見えていて、その左手の真っ白い山塊は蔵王連峰だった。ここまで下ればツアーも終盤。杉林を抜け急斜面を横滑りで一気に下って若女平登山口へと降り立った。ツアーコースは寒くもなく暑くもないという、絶好の気象条件だったのだが、この日のゲレンデは全然違っていたらしかった。ゲレンデでは強風のため、リフトやゴンドラが昼過ぎから止まったということをカミさんから聞いた。