【概要】
いつものように西吾妻スカイバレーの入口付近に車を止める。他に車もないので今日も誰も登っていないようだった。朝方まで雨が降り続いたらしく登山道は濡れていて登山靴はすぐに泥まみれになる。スパッツをしていても草木の丈が伸びていてズボンも少しずつ濡れていった。急坂を登り切ると勾配も穏やかになる。まもなく小和清水の水場に到着。岩場からしたたり落ちる湧き水が冷たく疲れた体を癒してくれるようだった。
暑さが心配だったが時々吹き渡る涼風が心地良い。この風があるならば稜線まではなんとか登れそうな気がした。山道は徐々に乾き始めている。歩きやすい登山道だが今日も肝心の体調が悪く、ダマシダマシの登りが続いた。
最近、体の不具合は悪化するばかりで暗澹たる思いにとらわれるばかりである。とくに激痛は治まる気配がない。最近は頻繁に医者通いが続いており、本当ならば安静にしていた方がよいのかもしれなかった。
稜線に飛び出すと青空が広がった。花は少ないが湿原ではミヤマリンドウとオヤマリンドウが混在しながらそこら中に咲いている。草紅葉はまだ早いが植物の枯れた色合いが秋を感じさせた。稜線は初秋というよりは秋本番を思わせるほど気温が低くまた風が冷たかった。木道に腰をおろし汗で濡れたシャツを着替え長袖シャツも着た。体調はあいかわらず思わしくなかった。痛みは薄れるどころか増すばかり。すぐに歩き出す気にはなれずしばらく木道に横になって休んだ。
登山者は予想外に少なく木道を歩く人もまばらだった。休憩を終えて木道を東側へとたどり天狗岩に登る。吾妻神社に立ち寄りいつもよりも時間をかけて参拝した。最近は健康を祈願することが多くなっているのに気づき我ながら苦笑い。梵天岩からは伸びやかな展望が広がっていた。わずかに色づき始めた湿原は秋の訪れを感じさせた。大凹の水場で水筒をいっぱいに満たしてカモシカ展望台へと登って行く。端境期なのか登山者もちらほらと見える程度だった。
北望台からはいつものようにのんびりとゲレンデを下って行く。他に歩く人もいなかったが、かといってリフトに乗っているひとも見られない。あまりに利用者が少ないのか第2リフトはすでに止まっていた。今日は異様なほどの疲れと体の不調もあって天元台からはロープウェイを利用するつもりでいたが、時計をみるとロープウェイが出たばかりで、待っている時間を考えると登山道を下った方が早いかもしれないと新高湯温泉への道を歩くことにした。湯本駅に着いたのはちょうど午後3時。ロープウェイを利用した場合とほとんど変わりがなかったものの予想以上の疲れにほとほとまいっていた。ボクは足を引きずるようにしながら湯本駅からの車道を歩きだした。
登山口 |
急坂を登り終えるとなだらかになりました |
ようやく湿原に飛び出しました |
ませなく木道です |
西吾妻山がみえます |
ここは秋真っ盛りです |
天狗岩の吾妻神社 |
梵天岩は賑わっていました |
梵天岩からみる中大巓 |
中大巓から続く縦走路が見えます |
大凹の水場です |
水場からカモシカ展望台へ向かいます |
第2リフト付近から見る天元台です |
新高湯温泉に降りてきました |