山 行 記 録

【平成26年7月26日〜27日/大日杉〜地蔵岳〜切合】



飯豊山(目洗清水)



【メンバー】4名(清水、伊藤、遠藤、蒲生)
【山行形態】夏山装備、テント泊
【山域】飯豊連峰
【山名と標高】地蔵岳1539m(飯豊山2105mは悪天候のため中止)
【地形図 2.5万】岩倉、飯豊山
【天候】(26日)晴れ時々曇り(27日)雨
【温泉】西置賜郡飯豊町「白川荘」400円
【参考タイム】
(26日)大日杉6:00〜長ノ助清水7:50〜地蔵岳10:30〜目洗清水12:15〜御坪13:30〜切合小屋15:40(テント泊)
(27日)切合小屋5:30〜地蔵岳9:10〜長ノ助清水10:40〜大日杉12:15

【概要】
 山の会による飯豊合宿。今回は山小屋の大混雑が予想されるため久しぶりのテント山行である。自分は相変わらず体の絶不調を抱えており、最悪の場合は一人で引き返すことも視野に入れての出発だった。夏山シーズンとあって大日杉の駐車場はほぼ満杯。登山届けをポストに投函してから山道へと入って行く。鎖場のザンゲ坂を登れば急登も一段落。途中の長ノ助清水で冷たい水を水筒にいっぱい満たし、ここから地蔵岳への長い尾根道の始まりとなる。

 今日は平地でも35度を超えるだろうと予想されていた。幸いにまだ雲が多いものの、時折強烈な日差しが降り注ぐと体力が奪われそうだった。それでもダマシ地蔵までくれば地蔵岳は目前。このあたりからようやく花々が目立ち始めてきた。ウツボグサと似ている紫の花はたしかミヤマクルマバナか。これが道の両側を覆い尽くしている。その先でセンジュガンピやミヤマカラマツなども咲く。

 地蔵岳からは飯豊本山が眼前となる。山頂付近が少し雲に隠れているが展望はよかった。久しぶりに眺める飯豊山に感無量。のんびりと大休止をとったあとは長いアップダウンがしばらく続いた。上空には風はあるのだが樹林に遮られる区間も多く、黙々と歩いていると暑さにまいりそうになる。目洗清水では伊藤さんが下りていってくれて、汲んできたペットボトルをみんなで回し飲みだ。このキリリと冷えた清水でバテていた体がようやく息を吹き返した。御坪までくれば今日の行程も終盤となる。見上げると切合小屋がかなり近づいていた。傍らにマツムシソウが1、2輪ひっそりと咲いている。今年初めて見るマツムシソウだった。

 蒸し暑い種蒔山への尾根道をひたすら登る。深くえぐられた登山道が終わり、見晴らしの良い尾根に飛び出すと心地良い風が流れていた。この涼風はまさしく天然のクーラーを思わせた。下界は今年一番の猛暑らしかったが、ここでは暑さとは無縁であった。右手に飯豊山や切合小屋を眺めながら稜線を歩く。まもなく種蒔山直下へと降り立ったが、ここはまだ一面の残雪に覆われていて驚いた。今年の残雪は最近にないほど多く水場はまだ雪の下だった。ここの水場をアテにしてきたボク達はいささかがっかりする。切合までは2カ所の雪渓を横断しなければならない。ひとつめはストックでバランスを保ちながら通過したが、その先はアイゼンがなければ滑落しそうなほどの急斜面。きわめて危険な状態のため雪渓の上部を高巻いて切り抜けた。

 切合小屋は大勢の登山者でにぎわっていた。なんでもこれから70名の団体が入っているとかで今日は予想通り激混みのようである。ボク達はとりあえずテン場を申し込みテント設営となる。テン場ではすでに5張りほど設置されていたが、スペースはまだまだ余裕がありここは山小屋の大混雑とは無縁だった。

 夕刻が近いとはいえテン場に降り注ぐ日差しはまだまだ強烈だった。ボク達は小屋前の日陰部分に銀マットを敷き、夕食までのひとときを過ごすことにした。もちろん雪渓で十分に冷やした缶ビールは極上だった。小一時間もするとようやく日も陰りはじめてくる。先ほどまでの暑さはすでになく、テン場は最高の夕食場所と変わっていた。テントの前では様々な食材が並べられ、各人が持ってきたアルコールも次々と空になっていった。

 夜は満点の星空を期待したのだが雲が多くてすっきりと晴れることはなかった。大日岳の方角から次々と雲が湧きだしていて、それは沢や尾根を越えて山形側へと流れて行くのだった。それでも時々雲が流れると多くの星々が夜空にきらめいたりした。

 翌日は3時に起床した。4時前には飯豊山に向けて出発する予定だったが、朝食用のお湯を沸かしているとポツポツとテントを叩く音がした。ラジオの予報によると低気圧の通過で風が強く、通過後は午後から大雨が予想されているらしかった。山ではやはり天候の変化は早いようである。しかも視界が無い中の荒れ模様ではと今日の山頂アタックはあきらめモードだった。

 小雨が降る中、テント撤収を終え、5時30分に小屋を出た。振り返っても飯豊山はおろか草履塚も見えなくなっていた。雨が本降りとなったのは小屋を出て間もなくだった。たちどころに衣服が濡れてしまい、みな急いで雨具を着た。それからは強風を伴い雨足が激しくなってゆく。これだけ激しい雨と風に見舞われればあきらめもつくようである。なかば豪雨ともいえるほどの悪天候の中、ボク達は黙々と地蔵岳に向かった。

 地蔵岳で大休止をとっていると次々と登山者がやってくる。みな切合を出発してきたらしく大日杉に下山するようだった。昨日の大団体にも驚いたが、ここでも14名ほどの団体がやってきて狭い山頂はたちまち大混雑となる。これではこの先も大渋滞になるのが予想されるため一足早く山頂を後にした。

 ダマシ地蔵を過ぎると下りいっそうとなる。こんな天候でもこれから登って行く人はいて、多くの登山者とスライドした。長ノ助清水まで降り立つと下界も近くなる。朝方こそ不規則な天候だったが、見上げると台風一過のような澄んだ青空が広がり、県内はようやく梅雨が明けたようだった。ここでは我が家への土産にと清水を水筒にたっぷりと汲んだりしながらのんびりとしたひとときを過ごす。なにしろ山頂を割愛したおかげで時間はたっぷりと残っていた。しかし、しばらくすると早くも先の14名が下りてきてしまい、この団体達はひと休みをとることもなく大日杉へと下っていった。

 ボク達はこの14名から遅れること30分以上もたってから下山を始めたのだが、ザンゲ坂では大渋滞となっていて長い列ができていた。みなこの鎖場を前にして怖くてすぐには下りられないでいるようだった。ボク達は一足早く下りさせてもらい大日杉へと下りていった。


大日杉小屋を十発します


ザンゲ坂


地蔵岳直下


目洗清水とヒメサユリ


御坪でのんびりと


草履塚と飯豊山(御坪)


種蒔山への稜線


種蒔山の水場はまだ雪に埋もれていました


切合小屋が間近です


稜線をゆく登山者


ようやく切合小屋に到着です


テント設営が完了しました


切合小屋からのご来光


切合小屋の朝


雨と強風の中を下山開始します


無事に帰ってきました


inserted by FC2 system