山 行 記 録

【平成26年7月12日/姥沢〜リフト下〜月山〜四ツ谷川】



四ッ谷川分岐付近



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1984m
【地形図】(2.5万)月山、(20万)仙台
【天候】曇りのち晴れ
【参考タイム】姥沢9:00〜リフト上駅9:50〜牛首11:00〜月山山頂12:10-13:10〜四ツ谷川三叉路14:10〜雄宝清水〜駐車場15:20

【概要】
 今回の月山はクロユリを見るのが目的。時期的には少し遅いかもしれなかったがそこは花の月山。他にも出会える花はたくさんあるだろうとカミさんと出かけることにした。ただし今は登山リフトが修繕中で使えず時間的には少しきつくなりそうである。運行再開までは登山者もかなり少ないだろうと思ったら姥沢の駐車場はほとんど満杯。なんとスキーやスノーボードを担いで登る人もかなりいる。心配する必要などは少しもなかった。

 当初は四ッ谷川を登る予定だったが、協力金徴収所で確認すると、コース上にはまだ多くの雪渓が残りアイゼンがなければかなり危険な状態だと引き留められてしまった。この時期、リフト下を歩くのは初めてかもしれない。山スキーでは当たり前のルートだったが、いざ登り始めると勾配は結構あってきつい登りが続いた。ここではニッコウキスゲが足元にびっしりと咲いている。他にはハクサンチドリ、アザミなど。あいにくの曇り空だったがかえってばてることもなくリフト終点に着いた。姥ガ岳も例年よりははるかに残雪が多い。濃霧で視界の無い中でもたくさんのスキーヤーが滑っているようだった。

 今回は沢コースから頂上をめざすことにした。雪が解け出したばかりなのかショウジョウバカマやチングルマなどがまだ咲き始めたばかり。ここは木道が続くところだが雪が現れるとほとんど雪渓歩きとなった。気温が低いため雪渓はまだ驚くほど堅い。アイゼンさえ欲しいような状況だった。牛首ゲレンデはいつも遅くまで雪渓が残るところだが、今年のように沢コース全体を雪渓が覆っているのは見るのは珍しかった。雪渓歩きにあまり慣れていないカミさんにはスプーンカットを利用しながら歩く方法を教えながら登った。

 牛首周辺ではアオノツガザクラ、イワカガミ、ヨツバシオガマ、イワイチョウ。鍛冶小屋直下ではハクサンイチゲ、ベニバナイチゴ、ミヤマキンバイなどが咲いていた。急登にあえぎながら登りきると鍛冶小屋跡。山頂まではもうひと登りとなる。ようやく濃霧も晴れだしてきてときおり青空も見えはじめていた。

 山頂の一角に飛び出すと、さすがに2000mだけあって風は強かった。帽子などはたちまち飛ばされそうだ。正面の月山神社はまだ濃霧に見え隠れしているがまもなく晴れそうな気配も漂っている。湿原ではウスユキソウがびっしりと咲く。クロユリは山頂小屋近くでようやく見つけることができた。少し枯れかかっているものが多いものの、ちょうど見頃を迎えたものも多い。小屋からお花畑へと進むとそこには盛りを迎えたクロユリがびっしりだった。

 濃霧と強風はあいかわらず。昼食を小屋でとろうか少し迷っていた。しかしまもなくするとガスが一気に晴れてゆき天候は急速に回復する。小屋に入る必要は全く無くなってしまった。神社の東側にまわると風もほとんどなくなり、ボク達は山頂の湿原や池塘を眺めながら昼食をとることにした。

 山頂ではのんびりとしたひとときを過ごした。午前中の濃霧はウソのように雲散霧消して山頂を爽やかな涼風が吹き渡っていた。午後を過ぎても次々と登山者が登ってくるようだった。心配していた牛首直下の急斜面だったが、雪が柔らかくなったおかげでそれほど危険ではなくなっていた。

 帰り道は四ツ谷川を下ることにした。実は牛首付近で出会った山小屋の管理人から「危険箇所にはステップを設けたので四ツ谷川コースはもう問題ない」ということを確認していたのだ。同じコースを戻るよりもやはり周回コースの方がずっと魅力的だった。

 分岐から四ツ谷川へと進んでゆく。ここもまだコース上に雪渓が多く残っていて夏道と雪上歩きを交互に繰り返した。頭上からは眩しいほどの日差しが降り注ぐ。下るほどに気温が上がり汗が流れた。山頂では防寒着を着込むほど肌寒かったのがウソのようだった。間もなくすると下の方からは救急車のサイレンが鳴り響き、頭上からはヘリの爆音が盛んに聞こえてくる。それはけっこう長い時間続いた。近くで遭難騒ぎがあったのかもしれなかった。雄宝清水付近にはまだ大量の雪渓が残っていた。四ッ谷川コースでは最大の雪渓となっていて、その末端は四ッ谷川まで続いている。滑落すれば下まで止まらないことを考えると、ここは確かにアイゼンは必携だったようだ。今回は管理人がステップを切ってくれたおかげで難なく水場へと降り立つことができたのは幸いだった。雄宝清水を過ぎれば姥沢小屋までは至近距離。樹林帯をのんびりと下り駐車場へと向かった。


リフト下を登る


鍛冶小屋跡


晴れ渡る山頂


鍛冶小屋直下


牛首の雪渓


雄宝素水



ルート

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