【概要】
今日は芝草平のお花見にゆくことにした。例年カミさんとこの時期に訪れているのだが雪が多かった今年はどんな状況だろうか。刈田峠ではところどころにある駐車スペースもすでに満杯で、登山口からかなり手前に止めなければならなかった。
天候はあいにくの曇り空。雨が降らないだけ増しとはいえ標高があるだけに気温は低く肌寒いほど。今日はむしろ日差しが欲しいくらいだった。南蔵王登山口を歩き出すと道沿いにはハクサンチドリ、ミツバオウレン、スミレサイシンが咲いている。さらにミヤマハンショウズル、マイズルソウ、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナなどもあらわれる。鮮やかなムラサキヤシオが目立つようになると今度はチングルマである。いつもの光景といえばそれまでだが、チングルマはこの時期の主役ともいうべきで、その夥しい様は感動的である。
一方カミさんは久しぶりの山とあって体調がいまひとつ。途中、刈田峠の山小屋に立ち寄ったりしながらしばらく様子見の状況が続く。このユッタリズムが良かったのか、杉ケ峰の登りに差しかかるころから徐々に普段の元気さを取り戻しはじめて一安心。そうなるとボクはボクで頻繁に立ち止まりながら写真撮影に余念がない。杉ケ峰から急坂を下ってゆけば芝草平だった。
芝草平ではチングルマ、ヒナザクラ、ミネズオウが咲きはじめていた。しかし今年は雪解けが遅かったのかまだ花はかなり少ない印象で、例年のような華やかは見られない。そういえばミネザクラもウラジロヨウラクもまだ堅い蕾がおおいようだ。そのためもあるのだろう。登山者もそれほど多くはなく閑散としている。昼食にはまだ早いこともあり芝草平をそうそうに引き上げて屏風岳に向かった。
芝草平から屏風岳までは小一時間ほどかかった。登山者は10人前後か。みんな山頂の周りにそれぞれ陣取って食事を楽しんでいる。ボク達もしばらく昼食を食べながらしばらく憩いの時間を過ごした。今にも雨が降り出しそうな薄黒い雲が屏風岳の上空に居座っていたが、それでもときおり薄日が差したりもする。そんなときは冷え切っていた体が一瞬にして温まり、いまさらながら太陽のありがたさを思ったりした。
山頂を後にすると少しずつ気温が上がってくる。刈田岳や熊野岳にかかっていた霧も晴れて、いつのまにか初夏らしい爽やかさに包まれている。こんなときの稜線歩きは心地良いばかりである。ときどき流れる風は天然のクーラーを思わせるほどの快適さだった。
杉ケ峰 |
芝草平 |
屏風からの下り |
スミレサイシン |
ズダヤクシュ |
ツマトリソウ |
ハンショウズル |
ゴゼンタチバナ |
マイズルソウ |
ミツバオウレン |
ミネズオウ |
チングルマ |
ヒナザクラ |
ミネザクラ |