【概要】
若女平の第3弾。今日は久しぶりの同行者付きである。朝の米沢市内は氷点下13度という、今シーズン一番の冷え込みとなった。こんな時の吾妻連峰は晴れるものなのだが、青空が出ていたのはカモシカ展望台までで、その先はいつものような深い霧に包まれた。天候がいまひとつのためかほかに入山者はいない。個人的には2週間ぶりの西吾妻山だが、今年は例年以上の大雪とあって積雪は先日よりもはるかに増していた。スキー場公表の積雪量はつがもりゲレンデ380センチ。その上部となると軽く4mを超えているのだろう。ファットスキーのおかげもあって、ラッセルといってもスキー靴程度しか沈まず、それほど難儀するほどではない。厳しいほどの寒気のせいか雪は驚くほど軽いのである。それこそ吹けば飛ぶようなパウダーなのだ。しばらくすると指先の感覚がなくなってしまった。
梵天岩付近も視界はほとんどなかった。今回も西吾妻山はパスするしかなく小屋へと直行する。予報はそれほど悪くはなかったのだが、やはり強い寒気が居座っているせいかもしれなかった。いくぶん風雪気味の中、GPSを頼りに西吾妻小屋を探し出した。福島側も天候はかなり悪いのか、西大顛からの来客もいないようだった。誰かが掘り出してくれたのだろう。めずらしく山小屋の1階部分から入ることができ、ボク達は2階にザックをおろしてしばらく小休止をとる。
休んでいる間にも晴れてくれればという望みは今回も見事に期待はずれ。小屋からは樹氷原地帯を突っ切りツアーコースと入って行く。天候はいまひとつだったが、スキーは面白いように走る走る。軽すぎるほどの雪とこの広大な斜面が3名の貸し切りだった。一帯を覆っていた濃霧もいつのまにかウソのように晴れていった。
スキーが走るというのは実に快適なのだが、これぞパウダーとばかり、3人それぞれが好き勝手にびゅんびゅんと飛ばして行くものだから、ついついコースがそれたりもする。余計なトラバースをする羽目になったり、若女平にでるまで遠回りを余儀なくされたりといったおまけまでついた。しかし、今回は同行者がいることで道草もまた楽しい。変化に富んだ山スキーを楽しんだと考えればいいのである。
若女平の標識は前回よりも多くの積雪に埋もれかけていた。この標識に飛びだしたところでボク達は少し遅めの昼食をとることにした。ここまで下ってくれば残りの区間もあとわずか。天候がいくら荒れても心配はない地点まで下りてきていた。見上げるとちらほらと小雪が舞い降りてきたが、かといって下り坂という天候でもない。気圧の谷がすでに過ぎ去ったのか若女平は穏やかな天候に変わっていた。若女平からヤセ尾根までも深雪区間が続く。ここは緩斜面のためあまり深雪だと滑降にならないものだが、今日は軽すぎるほどの粉雪ということもあってスキーは快適に走った。瞬く間にヤセ尾根も通過し、カラマツ林、杉林へと滑ってゆくと最後の急斜面が目前だった。
大凹付近で |
西吾妻小屋 |
ヤセ尾根を通過です |
まもなくゴール |