【概要】
熊野山には熊野神社が祭られており、またその先にある展望台からは長井ダムや祝瓶山の眺望が楽しめる山として地元民には四季をとおして登られている。熊野山は昨年の2月に初めて山スキーを楽しんでいる。積雪さえ多ければ意外と山スキー向きの山という印象があった。
置賜地方はこの3連休、大雪注意報が出っぱなしだった。今日も目の前が見えなくなるほど平地でも雪が降り続いていた。こんな悪天候ならば近くの低山へと熊野山に出かけてみることにした。風雪ということからか道照寺平スキー場は閑散としていた。ここは昨日の白太郎山と同様、アプローチがきわめていい。林道歩きもなく駐車地点からいきなりシールで登れるのである。標高が低いとはいっても連日の大雪のおかげで今日も膝上ラッセルだった。樹林帯を黙々と登り続ける。復路の登り返しを避けるため、498mPは少しトラバース気味に進む。樹林帯が少し開けてきた辺りで目の前の高みを登りきると熊野山だった。周りを高い御神木がとり囲み、神社の一角だけが薄暗い。とりあえずこの日の安全といろんな感謝を込めて参拝をする。木立と多くの雪に囲まれてひっそりと佇んでいるといった雰囲気だった。
昨年はこの熊野山で引き返したが、今回はさらに奥の無名峰まで足を伸ばすことにする。ときどき激しいほどの風雪が舞い展望どころではなかったが、神社から先の状況をのぞいてみたいという好奇心が少しだけ勝ったということだろうか。状況が悪ければいつでも引き返すつもりだった。熊野山からはすぐに展望台だったが視界はほとんどない。その先は平坦というよりも少しずつ下り斜面となってゆく。小さなアップダウンもあって滑りの要素は全くない区間だった。晴天ならばスノーハイキングを楽しめそうだが、今日はちょっと怖くなるほどの吹雪が襲いかかったりした。第2展望台を過ぎると最後の急斜面となり、登り切ったところが無名峰と呼ばれる最後のピークだった。熊野山からはわずかの高度差しかなかったが、天候が悪いだけに朝日連峰の深部まで入り込んできたという感じがつきまとった。晴れていれば無名峰から先の状況偵察もあるのだろうがとてもそんな気分ではない。シールをはがして早々に退却あるのみだった。
山頂から少し下るとその先はほとんど滑りにはならず、時々カニさん歩きも必要だった。それでも推進ができるのでシールで歩くよりはいくらか増しか。自分のトレースを忠実にたどりながら熊野神社に戻った。ここからようやく滑降が楽しめる。尾根の両側にも適度な斜面があるのだが悪天では無理もできない。自分のトレースを絡めながら滑って行くだけである。スキー場の最上部からは圧雪されていない新雪を滑って駐車場に戻った。
雪が降り続いています(ピークは熊野山) |
結構な積雪があります |
第2展望台も風雪が吹き荒れていました |
無名峰に到着しました |
スキー場の上部には非圧雪区間がありました |
吹雪模様のスキー場 |