【概要】
小国町でも最奥の徳網地区は例年にないほどの大雪だった。天候はというと朝からあいにくの風雪模様にがっかりするばかりだったが、行程のほとんどが樹林帯なのでゆけるところまでということで登り始める。最初の杉林に上がるまでの急斜面に少々手こずる。上がってしまえば勾配はそれほどきつくはないのだが、ここは名だたる豪雪地帯とあって積雪量がハンパではなかった。周りを見渡してもトレースは全然なく、ブナの疎林帯と手つかずのバージンスノーに思わず見とれた。
ファットスキーにもかかわらず終始膝上ラッセルが続く。急斜面のラッセルは腰近くまでにもなるのである。いつもならば2時間もラッセルすれば山頂まで余裕なのだが、1メートル進むにも難儀するため行程は遅々として進まない。今日のような深雪ではいくらも距離が稼げなかった。雪は降り止むことはなく、時々目もくらむような吹雪が襲いかかる。どこまでゆけるのだろうと先行きに不安がつきまとった。それでも黙々とラッセルを続けていれば少しずつ高度は上がる。そしてようやくたどりついたところが766mピーク。ここまですでに3時間近くかかっている。残りの標高差はたった240m足らずだが今日のような悪天候ではモチベーションもあがらない。今日はあっさりとここを山頂と決めた。次回晴れたときにまたくればいいのだ。それよりも一人で稼いだ高度差。めいっぱい楽しむことこそ最優先と割り切ることにした。
まずはシールをはがしていざ滑降開始。この深雪では滑りになるだろうかという不安は杞憂だった。斜度があるだけにスキーは雪面をなめるように滑り始める。天気が悪い反面、雪質はよく今シーズン一番の深雪パウダーといってもよさそうだった。いくつかのターンを繰り返してゆくとたちまち杉林まで滑りきってしまった。シールをはがしてから10分ぐらいか。このまま県道まで降りてゆく気にはなれず杉林の中で昼食休憩。温かいものを腹にいれると少しずつ疲れも回復していった。今度は自分のトレースが利用できるのを思いだし、シールを貼りなおして再び登り始める。トレースの効果は絶大で登り返しは楽勝だった。1時間ほどで766mピークに登り着く。2本目は南寄りにコースを替えて斜面に飛び込んでゆく。恐ろしいくらいの積雪でもファットならばどこにでも滑って行けそうである。スプレーを全身に浴びつつ一気に県道へと降り立った。
雪が深々と降り続いていました |
ここが登山口です |
ラッセルが始まります |
ここのツリーランは楽しいばかり |