山 行 記 録

【平成25年10月19日/祝瓶山荘〜祝瓶山】



冠雪した飯豊連峰(山頂から)



【メンバー】5名(新野、伊藤孝、伊藤賢、遠藤、蒲生)
【山行形態】日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1417m
【地形図】(2.5万)祝瓶山、(20万)村上
【天候】晴れ
【温泉】長井市寺泉 ながい温泉「桜湯」400円
【参考タイム】
祝瓶山荘8:10〜桑住平分岐9:00〜祝瓶山11:20-12:00〜桑住平分岐14:30〜祝瓶山荘15:10

【概要】
 今日は私的な山の会主催による祝瓶山。夕方からは秘密のコテージを利用しての反省会も予定されている。今日の山形県は高気圧にすっぽりと覆われる予報が出ていたが、朝方の冷え込みはけっこう厳しく防寒対策をしっかりとして歩き始めた。祝瓶山荘からはしばらく青々とした樹林帯をたどってゆく。10月下旬ともなれば例年だとかなりの紅葉に覆われるはずだったが今年の桑住平付近はあまりパッとしない感じである。急坂手前のヌルミ沢源頭部からは早くも祝瓶山を仰ぎ見るようになった。

 薄暗いような樹林帯を抜け出すとようやく日差しが降り注ぐようになる。色づき始めた木々が少しずつ鮮やかさを増し始めたものの、雲が多くてせっかくの紅葉もくすんでしか見えず、少し残念な気持ち。怒濤のような急坂が続くようになると次第に汗が流れ始める。衣服を次々と脱いでゆきついには半袖になったのだが、時折吹き渡る風はかなり冷たくて、今日は体温調節がなかなか難しいようだった。

 高度が1000mを超えると、西側からは突然冠雪した飯豊連峰が現れ一同は一斉に歓声をあげた。一週間ほど前に初冠雪の便りは届いていたのだが、この時期にこれほどまでに真っ白い飯豊を見るのは珍しい気がした。飯豊はすでにかなりの積雪があるようである。一方、大朝日岳の初冠雪も先日あったばかりだがほとんど消えていて山頂付近でわずかに残っているようだった。

 山頂直下が近づくにつれて、両手両足を総動員しながら岩場を乗り越えてゆく。草付きのトラバースから最後の急斜面までくると早くも下山するグループとスライドした。ちょっと交わした言葉から、県外からの登山者のようだったが、みな山頂の寒さを嘆いていて、早々に下山してきたようだった。

 垂直の岩場のフィックスロープをつかみながら体を引きあげるとそこは祝瓶山の山頂である。山頂では真冬を思わせるような冷たい強風が吹いていた。この厳しい寒気は今にも雪が舞い降りてきそうなほど。晩秋を通り越して早くも冬の到来を感じさせるような気温の低さだった。時間をかけながらゆっくりと登ってきたのだが汗ばんだ体はたちまち冷えてゆく。ボク達はあわてて防寒着やレインウエアなどを羽織らなければならなかった。昼食をとっている先客もみな体をまるめるようにして寒さに耐えているようだった。

 寒さは厳しかったが、山頂からの展望は格別だった。飯豊連峰、吾妻連峰、蔵王連峰が雲海の上に横たわる。はじめは雲に隠れていた磐梯山もまもなく姿を現した。空気が澄んでいるためか大朝日岳がいつもよりも近距離にあり、手を伸ばせば届くような感じさえした。そんな光景を楽しみながらの昼食が過ぎてゆく。いつもならばその後は1時間ほど昼寝を決め込むのだが、この寒さではとてもそんな余裕はなく後片付けを済ませるとあわてて下山をすることになった。

 山頂直下の岩場を下ると風は少しずつ穏やかなものになってゆく。200mも下ると稜線にも暖かい日差しが降り注ぐようになり、冷え切っていた体がようやく温まっていった。周りを見渡してみると、秋の陽光を浴びた灌木類がいつのまにか輝き始めている。見上げると抜けるような青空が広がり、白いうろこ雲とあいまって爽やかな秋色の光景が広がっていた。こうなると急いで下る必要もなくなり、ボク達は途中で何度も休憩を取りながら桑住平をめざしていった。


つり橋を渡る


大玉山と大朝日岳(山頂直下)


山頂直下の岩場を登る


三体連山への稜線(山頂から)


山頂(遠方は蔵王連峰)


秋空に映える山頂


山頂直下のトラバース箇所です


最後の岩場を下ります


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