山 行 記 録

【平成25年9月7日/仙人沢登山口〜仙人大滝〜ダンゴ平〜山形神室〜笹谷峠】



仙人大滝



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】山形神室岳 1344.2m
【地形図】(2.5万)笹谷峠、山寺(20万)仙台
【天候】雨時々曇り
【参考タイム】
仙人沢登山口9:00〜仙人大滝9:30〜ダンゴ平11:00〜山形神室11:45-12:00〜トンガリ山12:20〜ハマグリ山12:35 〜笹谷峠駐車場13:15〜(自転車)仙人沢登山口13:30

【概要】
 仙人沢から登るこのルートは以前から登ろうとしていて、昨年は山の会の計画にも入れていたものである。しかし、雨模様ということで計画は流れてしまっていた。今日も雨が予想されるため二の足を踏んでいたのだがこのままではいつまでたっても計画倒れにもなりかねず、大降りでもならないかぎり決行してみることにした。

 案の定というか笹谷峠では深い霧に包まれていて視界はほとんどなかった。それでも駐車場にはかなりのマイカーが停まっていて大勢の登山者が準備中だった。車に突っ込んできた自転車を駐車場の片隅にデポしてから仙人沢の登山口へ向かった。

 仙人沢登山口には車はなく入山している人は誰もいないようだった。どうも宮城県側のほうが天候は悪いらしく準備をしているときから小雨が降り始めた。日差しもないので付近は薄暗く、登山道に入ってゆくのが少々ためらわれるようでもある。「熊がいます」という看板をみて用心のため熊鈴をつけ、登山届けをポストに投函して出発する。登山道は沢の斜面をトラバースするように仙人沢へと降りて行った。

 沢沿いの道は良く歩かれているのか踏跡はしっかりとしていた。また赤いテープも要所要所にあるのでコースの心配もなさそうだった。沢の水量は結構ある。流水は驚くほど澄んでいてまさに清流。飛び石伝いに徒渉したりしながら仙人沢の左岸と右岸へ交互に渡った。危ない箇所は特になく普通の山登りにおける注意を怠らなければ特に問題はない。いくつかの滝を横目に見ながらのコースは新鮮でもあり楽しいものだった。

 30分ほど歩くと仙人大滝手前の最後の渡渉点に着く。標識が二つある地点である。沢をはさんだ右手の尾根が登山道だがそのまえに仙人大滝を眺めるためちょっと寄り道してゆくことにした。少し急坂を登ってゆくと沢へと導くテープがあり、ここから大滝直下へと行けそうだった。沢にはいるとすぐに仙人大滝が遠方に見えてきたが、仙人大滝はここまで見てきた他の滝よりも水量は少ないように見えてあまり感激はない。ここは近くまで行かないと全貌がわからないとどこかの記録で読んでいたので直前まで進むつもりでいたのだが、この頃になって雨脚が強くなってきていた。するとモチベーションは急激に下がってしまいひとまず行動を停止。まずは雨具とザックカバーである。しょうがないか。どうせ30分程度でこられるところなのだと自分に言い聞かせてみる。今度天候の良い時に再訪することにして引き返した。

 再び分岐点に戻り仙人沢を徒渉して左岸の尾根にあがった。ここから杉林の急坂を登り切ると今度はヒバなのかヒノキなどの針葉樹が多くなる。雰囲気ががらりと変わったがこれまでの沢沿いの道と違って普通の山道は歩きやすい。標識もところどころにあって迷うような心配はなかった。雨は一向に止む気配はなかった。まもなく二つの標識のある三叉路にでた。ここは直進する尾根は行き止まりで右手の迂回路を進む箇所らしい。山腹をトラバースしながらこれまでの高度差を一気に下ってゆく。コースが左に大きく転回してからはいきなりの急坂となった。のんびりと歩いてきたつもりだったがこの頃からひどく疲れを感じ始めていた。

 細い尾根はこのまままっすぐに続くかと思ったら途中で垂直に近い崖があらわれる。ぶら下がっていたロープに捕まりながら崖をよじ登るとそこは狭い岩場の頭になっていた。すごい高度感に圧倒されるようである。この先もさらに急な岩場が続いた。木の根などをつかんで体を引き上げながら登り切ると広い尾根に出た。この地点は先ほどの三叉路からの尾根つながりのようだった。雨は小降りだが止む様子はない。樹林の間からは仙台神室やダンゴ平が見えてもよさそうなのにこの雨と濃霧では展望が全くなかった。

 尾根の左手は仙人沢で、以前は沢沿いにダンゴ平まで一気に登るルートだった様子がうかがえる。「沢道危険」とかかれた標識があり、今は尾根伝いのコースに変わっているようだった。一時雨が激しくなったため傘を差しながら菓子パンなどを食べる。この先でムジナ森石橋へ通じているという分岐を通過。尾根は途中から下り道となり、最後は仙人沢の源頭部に下り立った。源頭部は薄暗く天気が悪いだけに不気味な雰囲気さえ漂っている。しかし、めざすダンゴ平はもうまもなくのはず。徒渉地点からは枯れ沢にそって登るルートのようだった。枯れ沢といっても若干の流れはあるので大雨の時は心配でとても通れそうにない気がした。大きな石を踏みしめながら沢を登り切るとダンゴ平に出た。

 予定では仙台神室も登るつもりだったが視界は全くないので取りやめる。雨は小康状態となっていて空も幾分明るさを増してきた。ようやく見慣れた登山道に飛び出したことで安心感が広がり、ダンゴ平の草むらに腰をおろして休憩をとった。ダンゴ平付近はエゾオヤマリンドウが盛りだった。ここまでよほど緊張していたからだろうか。かなり疲れてしまい足が上がらなくなっている。5歩ぐらい歩くたびに一休みをとらなければならなかった。

 ピークをひとつ乗り越えると二口峠の分岐点があり、ひと登りで山形神室に着いた。ここでようやく登山者と出会う。みな笹谷峠から登ってきた人達だった。視界のなさは相変わらずで濃いガスが周りを覆っている。曇り空ながらも雨は降らないだけましのようだった。12時までと決めて休憩をとった。

 笹谷峠までは快適な稜線歩きが楽しめる区間だが、展望がいまひとつでは楽しみも半減だった。こんな天候でも登山者は次々とやってくる。家族連れや若い人達も最近は多いようだった。トンガリ山、ハマグリ山とピークを越えてゆくと笹谷峠への下りとなった。この頃から再び雨が降り出してきた。濃い霧が小雨へと変わり次第に衣服が濡れ始めていた。笹谷峠からは自転車に乗って仙人沢登山口に戻った。


仙人沢登山口


クマがいます


ここから仙人沢へ入って行きます


沢沿いの登山道が続きます


ウオータースライダーのような滑滝


何カ所か徒渉します


滝も何カ所か


仙人大滝の分岐点


大滝は2段になっているらしいですがここで引き返します


広い尾根


仙台神室は雲の中(ダンゴ平)


山形神室


やっと笹谷峠に到着です


ここからママチャリで登山口へ



ルート

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