山 行 記 録

【平成25年8月25日/吾妻連峰 若女平〜西吾妻山〜新高湯温泉〜白布温泉】



吾妻神社



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】 西吾妻山 2035m
【地形図 2.5万】天元台、白布温泉、吾妻山
【天候】晴れ
【参考タイム】
若女平登山口6:50〜小和清水7:35〜若女平8:00〜西吾妻小屋9:50-10:20〜天狗岩10:30〜梵天岩10:40〜大凹11:00〜カモシカ展望台11:20〜北望台11:45〜新高湯温泉下山口12:30〜新高湯温泉12:50〜湯本駅前13:10〜若女平登山口13:25

【概要】
 若女平は吾妻連峰でも比較的長く歩けるとっておきのコース。なにも暑い時期にこのロングコースでも無いだろうとも思うのだが、西吾妻山までの標高差1200mを登れるという、考えようによっては非常に魅力的なコースでもある。熱中症を避けるために今日は思い切って早朝自宅をでた。西吾妻スカイバレーの入り口には福島ナンバーのジムニーが1台。このコースが初めてというご夫婦だった。登山地図などには登り口が不明瞭とあるので心配だったのだろう。なんの問題もないはずだとアドバイスをして先に登り始めた。

 ここは尾根に取り付くまでの最初の急坂がつらい。かなりの汗を搾り取られる頃にようやく斜度がゆるやかになり薄暗い杉林に入ってゆく。急登は一段落となり、杉林からカラマツ林、そしてヤセ尾根へと山道は変わると強清水の水場に着く。水は1.5リットルほどザックに入っていたがここで2リットルを汲んだ。昨夜は雨だったのだろうか。登山道の至るところに水たまりがあって避けるのに結構苦労しながら歩いてゆく。若女平からは藪っぽいところもあって夜露に被服がたちまち濡れてゆく。途中でスパッツをつけ雨具のズボンをはいた。

 このコースで一番の魅力は厳しい登りを終えて広々とした湿原に飛び出した瞬間であろう。そこはすでに2000mの高原地帯。雲表の楽園とでも呼びたいような夢のような湿原なのである。この感激が楽しみで長い若女平を登るといっても良い。3時間の登りに堪えて湿原に飛び出た時、登ってきた喜びが沸々と湧いてくるようだった。時間が早いこともあって付近に登山者の姿はなかった。しばらく一人だけの世界を楽しめそうだった。

 湿原にはミヤマリンドウ、ウメバチソウ、イワオトギリ、オヤマリンドウなどが咲く。コバイケイソウはすでに盛りを過ぎてしまい枯れかかっていた。今回は西吾妻山に向かう気持はなかった。足を延ばしたところで10分足らずの距離しかないのだが、それよりもこの湿原地帯でのんびりしているほうがはるかに有意義というもの。木道に濡れた雨具やスパッツなどを広げてしばらく横になった。

 人の気配がしたのを機会に天狗岩へと向かうことにした。天元台からリフトを乗り継いできた登山者が早くも登ってきたようだった。天狗岩はさらに涼しい風が吹き渡りここは吾妻連峰でも極楽地帯である。2000mの高山の有り難さにしみじみとするばかりだった。いろは沼付近では多くの登山者とすれ違ったが、それでも喧噪とはほど遠く、全体的には閑散とした雰囲気である。いつもは木道のすれ違いに難儀するのだが今日はほとんど支障がなかった。

 北望台からはゲレンデを歩いてゆく。眼下には天元台のペンション村や米沢の市街地が見えたが空には一面薄黒い雲が近づいていた。まだ雨が降る気配はなさそうだが天気は下り坂のようだった。そういえば庄内地方は朝から大雨警報が発令中なのだ。朝日連峰や月山などは当然ながら雲に隠れて見えなかった。

 新高湯温泉への下山口を示す標識はゲレンデの左端にある。ここからは昔ながらの登山道だが意外と整備されていて歩きやすい区間でもある。眼下に新高湯温泉が見えてくると車や人のざわめきも聞こえてくるのだが、今日は日曜日なのか、いつもは県外ナンバーでいっぱいの駐車場も今日は閑散としていた。日帰りの入浴客もいないようだった。

 1200mを登り1200mを下った今日の行程もようやく終わろうとしている。温泉前のベンチでは残っていたデザートや果物を食べながら最後の休憩タイム。久しぶりの充実感をしばしの間味わう。舗装道路を歩き始める頃には小雨がぱらつき始めていた。本格的に降り出したのは西吾妻スカイバレーの入り口に到着してからだった。後片付けをしているとたちまち夕暮れのような薄暗さに包まれる。先月の集中豪雨を思わせるような雨が一気に降り出した。


西吾妻の湿原に飛び出しました


オヤマリンドウと木道


天狗岩付近の湿原


草紅葉のようです


いろは沼湿原


新高湯温泉


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