【概要】
18日の大雨により朝日連峰への登山口に通じる林道がことごとく決壊して登れなくなっている。飯豊連峰はなんとか可能らしいが、それでも不安は募るのでおのずと比較的安全な山をと今回は蔵王に決める。
坊平高原は濃霧に包まれていた。梅雨の中休みといっても快晴は望めそうもないのだが猛暑でないだけありがたいというもの。中丸山からの周回コースは2年ぶりぐらいか。熊野岳のコマクサも楽しみなのだがすでに盛りは過ぎているのかも知れなかった。未曾有の大雨直後とあっては登山道も荒れているだろうと覚悟していたのだが山道は意外と乾燥していていつもと変わりがない。大雨の痕跡などはどこにも見あたらなかった。先週末は豪雨の中の山登りだったこともあって今日の晴れ間が無性に心地よかった。やはり山は好天に限るなあとしみじみと思う。今日は登山者などいないだろうと思っていたら中丸山直下で一組の夫婦連れに追いついた。
熊野岳へ登っていると少しずつ花もちらほらと。シャクナゲはちょうど盛りで登山道の両側に結構咲いている。ほかにはゴゼンタチバナ、アカモノ、ウラジロヨウラク、オノエラン、ハクサンチドリといったところ。楽しみにしていたコマクサが現れだしたのは熊野岳の砂礫地からだった。案の定、見頃はすでに終わり、ほとんどが枯れかかっているが、それでも高山植物の女王といわれるだけあってその華やかさには別格の気品が漂っていた。
熊野岳では大勢の登山者で溢れていた。いろんなコースから次々と登ってくるので、中丸山コースの静寂さがまるでウソのような賑わいだった。蔵王温泉側を見下ろせる場所でしばらくのんびりとする。暑くもなく、かといって寒くもない爽風の吹き渡る山頂がたまらない。高山のありがたさにしみじみとするばかりだった。
馬ノ背からはいつものように山道を下る。観光客で賑わう刈田駐車場を逃げるようにしながら迂回コースへと降りてゆく。迂回コースに入ると登山者は一人もいなくなりようやく静寂さが戻った。少し前ならばチングルマで埋め尽くされる登山道沿いも、この時期はキンコウカに主役がいれかわっていた。ゲレンデを下る頃になると、強い日差しが降り注ぐようになり気も滅入ってくる。真夏の暑さほどではないものの、疲れた身には結構応える。この日差しから逃れるため、今回は森閑とした御清水の森を経由して登山口へと戻った。
仙人つり橋 |
熊野岳避難小屋 |
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