山 行 記 録

【平成25年7月6日/蔵王連峰 笹谷峠〜雁戸山】



蟻の戸渡り(山頂から)



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】雁戸山1,484.6m
【地形図】(2.5万)笹谷峠、(20万)仙台
【天候】曇り
【参考タイム】
 笹谷峠9:30〜関沢分岐10:05〜新山分岐11:00〜雁戸山11:15-11:30〜新山分岐11:45〜笹谷峠13:00

【概要】
 今にも雨が降り出しそうなあいにくの週末だった。体調があまりよくないので、今日は軽い山登りを目的に笹谷峠まで足を延ばしてみた。少しでも汗を流せば体調も良くなるだろうという目論見である。

 笹谷峠では強風が吹き荒れており、煽られると真っ直ぐ歩けないほどだった。天候が良くないせいだろう。早めに登った人達が早くもトンガリ山から何人か下山してきた。笹谷峠からは山形神室でもよかったのだが、南の方が幾分明るいので雁戸山に向かうことにした。

 風は少しも衰えることはなく逆に勢いを増しているようだった。少しぐらいは花も楽しめるだろうと辺りに目を配ってみる。しかし、アザミばかりが目立っていて、他にはせいぜいニガナとハクサンチドリ程度と気持は少しも盛り上がらなかった。

 のんびりと登っても足を動かしていれば少しずつ高度があがる。灌木帯は風に煽られることもないので心配はなかったのだが、風の音だけは半端ではなかった。強風に樹木が大きく揺れ続けていて、轟音のような風音は絶えることはなかった。

 こんな天候では今日の雁戸山は貸し切りだろうと思っていたら、カケスガ峰分岐点あたりで下山してくる単独の登山者とすれ違う。しかし、出会ったのはこの一人だけであり、その後は人の気配は全くなくなった。

 前山分岐からはさらに風が激しくなる。蟻の戸渡りはともすれば稜線から吹き飛ばされそうなため、わずかに生えている灌木をつかみながら進んだ。森林限界という厳しい環境にもかかわらず、タカネバラ、ゴゼンタチバナ、コケモモが岩場にしがみつくように咲いているのが印象的だった

 山頂には2時間弱で到着。いつもならば大勢の登山者で賑わう山頂だったが、今日は他に登ってくる人の気配もなく、聞こえるのは上空を吹き荒れる風の音だけである。標識の向こう側には蔵王ダムや山形市街がぼんやりと見えた。全体的に靄がかかったようにすっきりとはせず、熊野岳や朝日連峰などは雲に隠れて見えなかった。しかし、雨が降らないだけありがたいと思わなければならないようである。天候と体調がよければ南雁戸山を往復してくるのだが、今日はとてもその気分にはなれなかった。

 ボクは軽く行動食を口に入れただけで雁戸山の山頂を後にした。この時期は熱中症が心配な季節なのだが、今日の風はそんな不安を微塵も感じさせなかった。ここまで登ってきたおかげで、重苦しかった気分は幾分すっきりしたようでもある。気の緩みから風に吹き飛ばされないようにと、それだけを念頭に置きながら蟻の戸渡りを下った。


南雁戸山


タカネバラ(蟻の戸渡り)


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