山 行 記 録

【平成25年6月30日〜7月1日/岩根沢〜ドウダン街道〜清川行人小屋〜月山〜姥沢】



月山を仰ぐ



【メンバー】西川山岳会14名(渋谷、我孫子夫妻、三宅、駒沢、佐藤節、高原、宇野、鳴海、後藤、大江、柴田、上野、蒲生)+環境省2名
【山行形態】夏山装備、避難小屋泊
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1,984m
【地形図 2万5千】月山
【天候】(30日)晴れ一時雨、(1日)晴れ午後から雨
【温泉】西川町「水沢温泉館」(300円)
【参考タイム】
(30日)岩根沢登山口8:40〜本道寺分岐10:40〜のろし場〜横道分岐14:40〜清川行人小屋15:15(泊)
(1日)清川行人小屋6:00〜月山神社本宮(祭典・神事)10:00-11:30〜リフト上駅13:10〜姥沢(ロッジやつなみ)姥沢13:40

【概要】
(30日)
 昨年に続いての月山山開き。今年も総勢16名という大所帯での山行である。集合場所の水沢温泉から3台の車に分乗して岩根沢の登山口へ向かった。

 8時40分。渋谷会長を先頭に登山口を出発する。ドウダン街道コースはきつい登り下りがないのでハイキング気分で歩ける。もちろんサラサドウダンはちょうど花盛りで、釣鐘形の花が数え切れないほどにぶら下がっている。烏川コース分岐を過ぎると早くも残雪のため行く手を阻まれる。雪は至る所にあって昨年よりもはるかに多いという印象だ。登山道を塞いでいる残雪は滑落の危険があり、雪が出てくるたびにアイゼンの脱着が必要だった。しかし、道中は花を眺めたり、山菜採りをしたりしながら、いたってのんびりムードで進む。

しばらく立ち籠めていた濃霧は徐々に晴れあがっていった。青空が広がると前方には月山がチラチラと見えてくる。見慣れた光景だが残雪に映えるその姿は何度みても感激する。本道寺分岐からしばらく進み、いつものところで昼食休憩となる。ここでは食事を兼ねながらの山菜採りとなったが、肝心の月山タケノコはというとほとんど見あたらない。雪解けがようやく始まったばかりで、収穫にはまだ1週間以上も早いらしかった。

 残雪を踏みながら急坂を登っていると突然雨が降り出した。予報よりもだいぶ早い天候の崩れだったが、この雨は通り雨だったらしく、横道分岐の手前から雪渓に上がるころには爽やかな青空が広がった。やれやれである。ダケカンバの尾根直下までくれば小屋はまもなくだ。ここでは冷たい雪解け水が流れ、ミズバショウのお花畑となっていた。

 尾根を越えると東沢の広い雪渓に出る。清川行人小屋は目前だった。今日の所要時間は約6時間半。山小屋に入ると早速前夜祭の準備となる。採取したタケノコやウド、イワダラ、ギョウジャニンニク、ユキザサなどが床一面に広げられ食材の準備が着々と。傍らでは西川町特産の牛肉や豚肉をふんだんに使った料理ができてゆく。宴会の下準備が終われば早速会長の音頭で乾杯となり、月山山開きの前夜祭が始まった。

(1日)
 翌日は午前4時に起床。小屋はすっかり明るくなっていた。朝食は焼きそばと山菜のふんだんに入ったラーメンに舌鼓を打つ。薄雲が広がっているものの今日も天候は良さそうだった。朝食を食べ終えて6時には小屋を出発。雪渓からはアイゼンを装着して月山をめざして登り始めた。

 今年の月山の残雪はかなり多いようだった。視界もあるので雪渓のどこでも登れるから楽勝である。山頂までといっても標高差はたいしたことはなく、のんびりと登っても時間にはかなり余裕がある。休憩のたびに大休止となりそのたびにコーヒーやかき氷がみんなに振る舞われた。雪渓が切れて草地の広がる夏道にあがる。ここからは高山植物の宝庫となった。チングルマ、ヒナザクラ、イワカガミ、ミヤマウスユキソウ、イワイチョウ、ミネザクラなどを愛でながら山頂をめざしてゆく。山頂付近までくればチングルマやハクサンイチゲの群落となる。アオノツガザクラ、ヨツバシオガマ、クロユリ、ミヤマハタザオもいたるところに咲いている。月山神社が目前となると多くの日帰りの登山者や参拝者たちと行き交うようになった。月山神社の本宮に参拝したあとは山頂小屋で昼食を取りながら休憩となる。しばらくしてから当日班が小屋に到着した。

 前泊班は当日班よりも山頂小屋を一足早く出た。雲が多く視界は良くなかったが、それでも雲が切れると品倉尾根や姥ガ岳が見えた。残雪と深緑と高山に雲が湧く光景は夏山の到来を感じさせた。牛首から雪渓の広がる沢コースへと下りてゆくと、突然上空からヘリの旋回音が聞こえた。牛首付近で遭難事故が発生したらしかった。ボク達は雪渓で立ち止まりながら見守っていたが、視界が悪かったのだろう、ヘリは遭難者を救助できないまま山形方面に飛び去っていった。

 この辺りから薄暗くなりやがて雨が降り出してきた。昨日に続いて今日も雨に見舞われる。上空に寒気がはいっているのか雷鳴も聞こえている。天候はまだまだ不安定なようだった。雨は激しくなる一方で、途中から雨具を着用する。夕暮れのような薄暗さの中をボク達はリフト上駅に向かった。


出発してまもなく残雪が現れる


ドウダン街道で雨が降る


横道のトラバース


尾根直下のミズバショウ


清川行人小屋前の雪渓


食材が並びました!


二日目、小屋をでて間もなくの頃


会長を先頭にのんびりと登ります


夏道に登りました


万年雪の雪渓を歩く


山頂付近はお花畑が広がります


チングルマとイワカガミの群落


胎内岩を過ぎると山頂です


登ってきた斜面を振り返ります


霧が晴れる月山山頂


鍛冶小屋跡直下を下ります


牛首付近は多くの残雪があります


防災ヘリが去って行きました


牛首の雪渓を下ります
(以下、月山で出会った花)


雨が降り続くリフト上駅
  


ミヤマカタバミ


サンカヨウ


ノウゴウイチゴ


ミツバオウレン?


ミズバショウ


ハクサンイチゲ


チングルマ


ヒナザクラ


イワカガミ


イワイチョウ


ミヤマウスユキソウ


タカネシオガマ


イワベンケイ


ミヤマハタザオ


タカネスミレ


ベニバナイチゴ


クロユリ


ゴゼンタチバナ


シラネアオイ


ミヤマキンバイ


ミネザクラ


ツマトリソウ


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