長峰コースへの分岐標識の先で霊山神社への分岐点がある。前回は割愛していたが霊山神社へ往復してみる。5分ほど歩くと鬱蒼とした木立の中に小さな神社が建っていた。神頼み、神頼みである。
龍山川源流の石標から本格的な急坂が始まる。しかしコースは大雨や雪崩でかなり崩落し、前回のルートでは歩けなくなっている。ただでさえ難路だったところが第一級の難ルートになったようだ。フィックスロープや木の根につかまりながら急峻な崖をよじ登り、道なき道をゆくといった状況である。岩稜が安定してくると滑落の心配はなくなり、振り返ると山形の市街地が見える。市街地の奥には残雪の月山や朝日連峰が並ぶ。ヤセ尾根の急坂はまだまだ続いた。蔵王温泉への分岐点までは2時間ほどかかった。向こう側は蔵王温泉やスキー場。左手には雁戸山。山頂は目前だった。
山頂には斎藤茂吉の歌碑が建つ。日差しはあいかわらずだったが、爽やかな風が流れていて、その心地よさにうっとりとする。山頂は遮るものがない360度の展望が広がっている。瀧山ゲレンデから登ってきた人がひとりだけの静かな瀧山の山頂だった。
山頂神社からは蔵王温泉と姥神コースの分岐の標識が立っている。この姥神コースは最初こそ少し急な斜面があるものの、道幅も広くてなだらかな登山道が続く。危険と思われる箇所などはほとんどなかった。
大瀧コースへの下山禁止の標識から少し下れば乳母神像がある。最近は神社や祠、地蔵様があれば手当たり次第に手を合わせている。やはり神頼みは大事なのである。さらにどんどんと下ってゆくと、樹林帯からは放牧場が透けて見えてきて、やがて木立がなくなると目の前に放牧場がいっぱいに広がった。
ここには分岐点の標識がある。前回はここを直進して「うがい場」から最短距離で駐車場へと戻ったのだが、今回はこの分岐点から長峰コースへの横道をたどってみることにした。はじめは水平に迂回するものと思われたが、意外と距離があり往路の前瀧コースに戻るには20分ほどを要した。また分岐までは100m近く登る羽目になり再び汗をしぼり取られてしまった。前瀧コースに戻れば駐車場までは30分ほど。初夏の風を楽しみながら三百坊の駐車場へと降りてゆくだけだった。
登山口(左手の林道を進む) |
気持ちの良い林道歩きです |
霊山神社に参拝です |
朝日連峰と山形市街地 |
稜線からは蔵王温泉街とスキー場が見えます |
下山路で |
乳母神像 |
いったん放牧場に出ました |