山 行 記 録

【平成25年6月9日/祝瓶山荘〜祝瓶山〜赤鼻尾根】



祝瓶山と大朝日岳



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1417m
【地形図】(2.5万)祝瓶山、(20万)村上
【天候】晴れ(快晴)
【参考タイム】
祝瓶山荘7:30〜祝瓶山10:30-11:30〜赤鼻12:30〜アカハナ沢合流点13:15〜祝瓶山荘14:00

【概要】
 祝瓶山荘への林道がようやく開通となったのを聞いて早速登ってみることにした。昨年も同時期に登っているのでその時の状況を考えてアイゼンとピッケルを持参した。祝瓶山荘前の駐車場には車が数台あったものの登山者ではなく山菜採りや釣り人のようだった。

 祝瓶山荘から野川本流のつり橋までは10分ほど。つり橋には早くも橋板が渡されてあった。この先は残雪が少しある程度でほとんど夏道である。小さな上り下りを繰り返すとブナの原生林、桑住平に着く。ここの分岐点でひとりの登山者が立ち止まっていた。福島の人でこの祝瓶山は初めてらしかった。僕と同様に直登コースを登るつもりでいるようだったが、アイゼンは4本爪のみでピッケルはないというので、それでは山頂直下の通過はあまりに危険だと説明し、できれば赤鼻尾根コースをすすめた。

 桑住平を抜け出る付近に結構雪渓が残っていた。しかし、昨年の迷路のような状況ではないので順調に直登尾根へと取り付いた。夏道にあがるとすぐに急坂となり汗が流れた。やせ尾根に出るとムラサキヤシオやタムシバが目立つようになる。吹き渡る風が実に爽やかだ。まもなくすると登山道の両側に残雪が現れる。尾根の崩落がかなり進んでいて慎重に登る必要があった。山頂直下の残雪は昨年よりもはるかに多く迷わずアイゼンを装着した。もちろんピッケルでの確保は欠かせない。ここは滑落したら奈落の底まで止まらないのだ。先日の石転ビ沢雪渓よりもはるかに危険な状態だった。

 山頂では3グループ、7名ほど休憩中だった。みな小国側の鈴振尾根を登ってきた人ばかりだった。まもなくすると朝方の福島氏が赤鼻尾根経由で早くも登ってきたのをみて驚いた。ボクものんびりと登ってきたのだが、直登コースとほぼ同じ所要時間なのだ。このひとはかなり健脚なのだろうと思った。しばらくこの福島氏と一緒に山頂でのひとときを過ごす。山頂からは遮るもののない大展望が広がっていた。日本海こそ霞んで見えなかったが、飯豊連峰、朝日連峰、吾妻連峰がぐるっとこの山頂を取り囲んでいる。時に飯豊連峰の白さが際だっていて陶然としながら眺めた。今日は文句無しの山日和だった。昼時間にはまだまだ早かったのだが、不思議に登ってくるひとは誰もいなく、結局、今日の祝瓶山を楽しんだのは9名だけだったようだ。

 1時間ほどして山頂を後にする。早めに登ってきた人はとっくに下ってしまい、山頂にはいつのまにかボク達二人だけとなっていた。赤鼻尾根を下ると、山頂の北側にはまだまだ多くの残雪が残っていた。その残雪の白さとムラサキヤシオツツジが鮮やかさで思わず立ち止まる。朝日連峰の稜線には早くも初夏の風情が漂っているようだった。福島氏に少し先だって下り始めたのだが、たちまち追い付いては追い越されてしまい、すぐに見えなくなってしまった。登山道の整備がまだされていないこともあり、赤鼻まではけっこうな笹薮をかき分けながら進んだ。しかし道がわからないほどではなかった。最低鞍部からひと登りすると赤鼻に着く。ここからはヤブとも無縁となり、急坂を下ればアカハナ沢とヌルミ沢の合流点までは30分しかかからない。残雪で顔を拭うと生き返る思いがした。あとは祝瓶山を眺めながらのんびりと下るだけだった。


つり橋を渡る


山頂が間近に


コカクナラ沢源頭部と三体連山


山頂直下の雪の急斜面を登ります


ピッケルを使って急斜面を攀じ登ります


ようやく山頂に


飯豊連峰(山頂から)


中央左が山頂(赤鼻コースで)


まだまだ雪渓は多いです(中央左が山頂)赤鼻コースで


祝瓶山と大玉山(木地山ダムから)


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