山 行 記 録

【平成25年6月1日/飯豊山荘〜石転ビ沢〜梅花皮小屋〜石転ビ沢】



石転ビ沢と門内沢(右)



【メンバー】2名(柴田、蒲生)
【山行形態】山スキー、日帰り
【山域】飯豊連峰
【山名と標高】梅花皮岳 2000.0m
【地形図】(2.5万)長者原、飯豊山(20万)新潟
【天候】晴れ
【参考タイム】
飯豊山荘6:10〜地竹原7:50〜石転ビノ出合8:30〜梅花皮小屋11:20-13:20〜飯豊山荘15:40  

【概要】
 およそ3週間ぶりの山スキー。気持はすでに板納めをしたつもりだったが、ひさしぶりに石転ビ沢をのんびりと滑るのも悪くないと思い小国町へむかう。先週末、ようやく飯豊山荘までの通行が可能になっていた。

 今日は柴田氏と二人だけだった。なんとなく寂しい限りだがそろそろ山スキーもシーズン終了ということだろうか。道路が開通になったとはいえ、飯豊山荘にはそれほど車はなく閑散としている。まわりで準備を始めている人はほとんど山スキーのようだ。柴田氏によると早めに出発した人は午前4時頃だったとのこと。

 スキーを担いで林道を歩き始める。温身平はブナの新緑がまぶしくすっかり初夏の装いを見せていた。雪が融けだしたところではカタクリやキクザキイチリンソウなどが咲き始めている。林道にも一部雪がまだ残っていて今年の残雪の多さを物語る。砂防堰堤からは本格的な山道となる。うまい水で一休みしていると長靴を履いた山スキーヤーが登ってくる。話をしてみるとその人は「ソロで生きる」のトラ山さんだった。2月にも出会っているというのに3人とも最初は全然わからないというのがおかしい。それにしても世の中は狭い。まして山スキーとなるとなおさらのようだ。

 地竹原手前から雪渓に上がり危険地帯を一部通過してからシール登行が可能だった。夏道では汗が流れたが雪渓はさすがに涼しく快適だった。まさしく天然のクーラーであり、やはりこの時期の石転ビ沢はいいなあとしみじみ思う。涼しいこともあってブヨがまったくいないというのもいい。梶川出合を過ぎれば石転ビノ出合まではまもなく。正面に門内沢。左手に石転ビ沢。雪はかなり多く大岩もまだ雪に埋まっている。雪渓を見上げると登山者が何人か登っているのが見えた。

 遠くで郭公の鳴き声が聞こえている。初夏の風物詩のようなものだが、ボクは山の中でこの郭公を聞くのが好きで、目先の事にあくせくする気もちが自然と遠のいてゆくのである。本石転ビノ出合を過ぎると徐々に勾配が増した。雪面は予想外にフラットで小石なども少なかった。順調に高度が上がっていたとはいえ、疲れはかなりだった。北股沢の出合でスキーアイゼンを装着。いままではツボ足でスキーを引っ張ったりしたが、今回はスキーにこだわってみようというわけだった。ここからは石転ビ沢でも特に勾配がきつい斜面が連続する。大きくジグを切りながら登った。

 ほとんど疲労困憊の状態だったが前方に梅花皮小屋が見えてくると急に元気が出た。雪渓は小屋直下まで残っていた。高度差1400mに耐えてようやく登り切ったという充実感にしばし浸る。先行していたトラ山さんはすでに本石転ビ沢にでも向かったのか姿はなかった。晴れていた上空だったが急に薄雲が広がりだして膚寒くなってきたことから小屋の中で休むことにした。

 梅花皮小屋では昼食を食べながらまったりとした時間を過ごした。そのうち福島のスキーヤーが2名入ってきて小屋の中が少し賑わってきた。朝方、駐車場でも出会っていた人達で以前から顔見知りの人達だったから話しも弾んで時間の経つのを忘れるほどだった。結局、この山小屋で2時間ほどものんびりしていたことに気付いて我ながら驚いてしまった。いろんなところを滑りまくろうとか、何本も登り返して楽しもうかというモチベーションは全然なく、今日はどこまでものんびりとこの飯豊連峰の山の雰囲気を味わうことに徹しようと決めていた。

 午後も1時を過ぎてから小屋を出た。石転ビ沢を見下ろすとこれから登ってくる登山者がチラホラ見える。休んでいる間に天候は再び回復していて上空は澄み切った青空が広がっていた。いざ滑降を始めようとしたらトラ山さんが石転ビ沢を登り返しているところだった。やはり本石転ビ沢を早くも滑ってきてこれから門内沢に向かうとのこと。トラ山さんは先週末も北股沢と石転ビ沢を2本滑降したのだという。まったくこの人は体力の限界というものを知らないらしかった。

 ボク達はそんな山スキーとは無縁のような世界に遊ぶ。本石転ビの出合の対岸付近で、岩壁からウルイを採ったりしながら、しばし今宵のお総菜獲得に精を出した。その先でもウドやユキザサなどを教えてもらいながら優雅に道草を楽しむ。終始まったりとした山スキーを楽しみながら飯豊山荘へと向かった。


温身平から石転ビ沢を見上げます


雪渓は涼しくて快適でした


この辺りの通過は今回がギリギリ


本石転ビ沢の出合付近


最後までスキーで登ります(後ろは北股岳)


梅花皮小屋を出発です


滑降直前(後ろは梅花皮岳)


北股岳


梶川尾根(梅花皮小屋から)


滑降を始めると少し賑わってきました


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