【概要】
1週間ぶりの長井葉山。体調を伺いながらの足慣らしである。久しぶりの医者通いとあってそうそう無理はできない。具合が悪くなれば途中で引き返すつもりだった。しばらく急坂が続くがペースをあげないようにゆっくりと登ることに専念する。
この1週間で新緑の鮮やかさが一層増していた。ブナは一年でも一番瑞々しく美しい季節を迎えているようである。気温が高く途中から半袖一枚になる。900mを超えると登山道にも残雪が現れる。しかしこの1週間で雪はだいぶ解けてしまい、前回、自由に雪上を歩けたところも同じルートではすでに歩けなくなっている。姥石を過ぎ1000m付近からは一面の雪原となった。ブナの新緑と残雪の美しさにはただ見とれるばかり。前方を登っている登山者を追い越すと右手から尾根が合流する。二つの尾根が徐々に収斂し1本の尾根になれば山頂はまもなくとなる。眼下には白鷹町や長井市の山居集落、その奥には奥羽山脈が南北に延びる。その奥羽山脈と葉山連山の間を並走する最上川が見えた。
葉山神社ではいつものように参拝を済ませ、おもむろに大朝日岳の展望台へ歩き出す。前回ただの雪原だった御田代湿原も、中心部から大きく融け出していて湿地が露わになっていた。大朝日岳もだいぶ残雪が減っていてすっかり初夏の装いをみせている。湿原は雪が融け始めたとはいえ、山には多くの残雪がある。展望台から奥ノ院までも自由に雪原を歩けるうえに展望が効くので風景そのものが新鮮だ。奥ノ院が眼下に見えてくると鮮やかな飯豊連峰が前方に現れた。豊富な残雪を抱いた飯豊連峰は周りの山々とはまるで風格が違うかのように際だっていた。
奥ノ院からは祝瓶山や柴倉山の三体山連山を眺めながら昼食をとる。体調を伺いながらもまたこの山頂に立てたという喜びが沸々とわいてくる。さきほど追い越した登山者もまだやってくる気配はない。草岡コースをみても人の姿は見えなかった。穏やかで静かな山頂でのひとときを十分に堪能してからゆっくり下山しようと思った。
勧進代尾根と長井市街 |
麓の新緑 |
大朝日岳と小朝日岳 |
奥ノ院 |
祝瓶山(奥ノ院から) |
飯豊連峰(奥ノ院から) |