山 行 記 録

【平成25年5月12日/草岡口〜長井葉山〜奥ノ院〜白兎尾根〜白兎口〜縄文の森(周回)】



大朝日岳と小朝日岳



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】葉山1200m
【地形図】(2.5万)羽前葉山、(20万)村上
【天候】曇りのち晴れ
【参考タイム】
縄文の森駐車場7:10〜オケサ堀8:20〜勧進代分岐9:15〜葉山山荘10:00〜奥ノ院10:15-10:50〜葉山山荘11:00〜葉山神社12:30〜縄文の森駐車場14:00

【概要】
 昨日は私的な山の会主催の長井葉山が予定されていたが、雨模様のため流れてしまっていた。ボクは気持が夏山モードに切り替わっていたこともあって、今日は単独で登ってみることにした。一方では、今日は恒例の市民登山と重なっている。コースは草岡口から登って、白兎尾根を下山するらしかった。ボクはこの大団体とすれ違う煩わしさも嫌なので、それならば早立ちして市民登山と同じルートをたどってみるかと、ミニ縦走の予定で出発した。市民登山ではマイクロバスが下山口に待っているわけだが、ボクにはそんなものはないので、縄文の森駐車場までは5キロ近くの車道歩きとなる。

 朝方は曇り空が広がっていた。昨夜から雨が降り続いていて、その名残がまだ残っているらしく、天候の回復はこれからのようだった。縄文の森駐車場からオケサ堀をめざしていつもの朝日軍道を登ってゆく。傍らにはカタクリやイワウチワなどの春の花々が一面に咲いている。ブナの新緑も鮮やかで山の麓は春爛漫といった雰囲気に満ちていた。しばらくは夏道だろうと思っていたのだがまもなくすると早くも登山道にも雪が現れる。オケサ堀のはるか手前から残雪が現れだした。通過にはそれほど支障は無いものの、登山道をすっかり塞いでいる箇所などはアイゼンも必要なトラバース区間もある。そんなところはしょうがないのでショートカットコースで先に進んだ。

 オケサ堀は完全な雪原になっていた。水を汲めるような状況ではなく、長井葉山はまだ冬山の名残を多く残しているようだった。オケサ堀がそんな状態ということもあって、そこから先はほとんど雪原歩きとなった。夏道はいっさいなく、先人のトレースもないので夏道しか知らない人は登るのはほぼ不可能だろうと思った。このGWに登った人がつけたものなのか赤布がところどころにあるとはいえあまり役にたちそうはなかった。

 心配していた天候はどんどんと回復しているようだった。時々雲が流れて眩しいほどの青空が広がると体は一瞬にして温まる。少し肌寒さも感じていただけにこの日差しはまさに天の恵みのようでもある。勧進代分岐を過ぎてまもなくすくと大きな急斜面が現れる。気温が低いとピッケルかアイゼンも必要だが今回はキッグステップでも十分だった。この壁を乗り越えるとそこは葉山の頂稜部でもある。まだ灌木や細いブナなどは雪に埋もれているので前方の視界はかなり良好。いつもはみえない奥ノ院もすべて見渡すことができるのだから雪はかなり多いのだろうと思った。

 葉山山荘には3時間弱で到着した。入り口には4名分のストックや登山靴がある。早くも白兎尾根を登ってきた登山者がいるらしく、小屋の2階からは歓談中の話し声が聞こえた。ボクは身なりを改めて整えてから奥ノ院へと向かった。

 この時期は山頂の御田代湿原もすべて雪に覆われ、一面の大雪原になっている。まっすぐに奥ノ院に向かうと、まもなくケルンのある奥ノ院の山頂部分が前方に見えてくる。普段は木立に遮られて山頂の全容は見えないのだが、今年はどこからでもこの奥ノ院を眺めることの出来る珍しい年である。写真を撮って記録に残しておくことにした。

 奥ノ院は祝瓶山の展望台。しかし1300m付近から上は厚い雲が居座っていて祝瓶山は見えなかった。昼食を食べながらしばらく待ってみたのだが一向に晴れる気配はなく、あきらめて大朝日岳の展望台へと向かった。

 県内の北の方は良く晴れていて小朝日岳や大朝日岳の全体を見渡すことができた。ちょうど大朝日岳を境にして南側に雲が多く、北側には雲ひとつ無い快晴のようだった。

 この大展望を眺めながら小一時間ほどのんびりとしたひとときを過ごしてから下山にとりかかった。葉山山荘にはすでに人の気配はなかった。小屋の先客達はすでに白兎尾根を下ったようだった。市民登山の団体達もまだ登ってくる気配はなく辺りは森閑としていた。

 白兎尾根も多くの積雪に埋まり広い雪原だった。この尾根は無駄な平坦部などがないので一気に高度が下がってゆく。下り始めるとまもなく登山者の姿が見えた。出会ったのは2パーティ、全部で7、8名ぐらいか。草岡コースでは一人も出会わなかったが、白兎尾根は迷う心配もないので登山者が絶えないようだ。高度が800mを切る頃から徐々に夏道が多くなっていた。

 鳥居のある白兎登山口への到着は12時30分。のんびりと下っても葉山山荘から1時間30分しかかかっていなかったが、今日はここから縄文の森まで5キロ近い車道歩きがまだ残っている。まだまだ一安心というわけにはゆかなかった。

 葉山森林公園を過ぎて、西部街道に出ると暑い日差しが路上に降り注いでいた。ただ車道を歩いてもつまらないので、道中は道端に山菜などがないかどうか探しながらのんびりと歩いてゆく。およそ1時間30分の車道歩きで駐車場へと戻った。


縄文の森を出発です


イワウチワ


カタクリ


オケサ堀の標柱


左が登山道です


気持ちの良い青空


奥ノ院の山頂が見渡せました


奥ノ院


三体山や柴倉山


御田代湿原


大朝日岳が遠方に


長井市や白鷹町が眼下に見えます(白兎尾根から)


マルバマンサク(白兎尾根)


白兎尾根から仰ぐ葉山の稜線


ブナの新緑がまぶしい


駐車場へ車道を歩きました


ルート

inserted by FC2 system