山 行 記 録

【平成25年3月24日/志津温泉〜湯殿山】



山頂へ最後のきつい登り



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】山スキー、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】 湯殿山 1,500m
【地形図】(2.5万)月山、(20万)村上
【天候】晴れ(快晴)
【温泉】西川町 水沢温泉館(300円)
【参考タイム】
志津温泉9:00〜右岸台地〜南東尾根取付10:50〜湯殿山12:40-50〜南斜面〜志津温泉14:40

【概要】
 久しぶりにカミさんとの山スキー。自宅を遅く出たこともあり、志津温泉先の駐車スペースには多くの車で埋まっていた。すでに姥沢までの除雪は始まっているがスキー場オープンまでは通行止めのバリケードがあり、この時期はまだネイチャーセンターまでも車は入れない。

道路の両側は背丈をはるかに超える高い雪壁となっていた。3月でこの高さは見たことがなく、今シーズンにおける積雪の多さを物語るようでもある。今日は朝から雲ひとつ見あたらない青空が広がり、ジリジリとした日差しが降り注ぐ。ボク達は薄着の身なりに整え9時に駐車場をでた。出だしは遅いが天候の心配はないのでのんびりとブナ林を歩いてゆく。厳冬期の様相はどこにもなく、晴天に恵まれた時のブナ林はまるで夢の世界である。ザラメ雪はシールのフリクションもしっかりと効く。歩きの人達も多いのかスノーシューのトレースがいたるところに散乱していた。

 広大なブナ林は信じられないほど多くの積雪に埋まっていた。林間はまばらでどこでも歩いてゆける感覚は、まさしく別世界に紛れ込んだようでもある。途中何回かの休憩をはさみながらやがて南東尾根に取り付く。早くも山頂から下ってきた10数名の団体がブナ林で休憩をしている。しかし、スキーヤーが見あたらないところをみると、ほとんどの人達は東斜面や南斜面を下ったらしかった。

 徐々に視界が開けてきて森林限界を越えると前方には湯殿山の全容が現れた。白一色の世界にはただただ唖然とするばかりである。ここまでは暑くて手袋さえ不用だったが、樹林帯を抜けると次第に冷たい風に晒されるようになり、途中でジャケットなどの完全装備に身を整えた。やがて装束場や品倉尾根が前方に見えてくると山頂は目前だった。

 湯殿山の山頂からは姥ガ岳や月山が眼前だった。左手には鳥海山が青空にぽっかりと浮かび、眼下には湯殿山神社や赤い大鳥居が見えた。この素晴らしい展望を眺めていると、カミさんがようやく山頂へと到着した。カミさんは久しぶりの山行のためかかなり疲れている様子だったが、この夢のような世界を眺めれば疲労感などはすぐに吹き飛ぶだろうと思った。

 山頂からは南斜面へと滑り出す。広大なこの斜面はどこでも滑り放題で、ザラメは何の問題もないのだが、白い新雪部分はたちまちブレーキがかかり、途中で転倒してしまったりする。天候がよいのでこんなことも楽しいのだが、これからの残雪期はこの雪質の変化に苦労することになりそうだった。あまり下りすぎると登り返しがでてくるので、適当なところから南東尾根へと移動し、1100m付近まで下ったところで昼食を兼ねた大休止とした。

 周囲にはすでに人の姿はなくみんな下山したようだった。静かな湯殿山の中腹でのひとときは、まさしくスキーハイキングといった気分である。山頂付近の強風がまるで嘘のような気持ちの良い日差しが惜しげもなく降り注ぐ。この楽しい時間はたちまちのうちに過ぎてゆく。気温はますます上がり雪は腐り始めていた。ワックスをしっかりと塗り直したものの、その効果はすぐに消え失せてゆくばかりで、他人のトレースを拾いながら滑降を続けてゆくと六十里越街道が近くまで迫っていた。


森林限界を超えると朝日連峰が


湯殿山の全容が現れました


姥ケ岳と品倉尾根


山頂がいよいよ目前


山頂から姥ケ岳を望む


仙人岳と湯殿山神社の大鳥居


山頂からは鳥海山がポッカリと


南斜面を下ります


ブナ林も快適です


駐車場近くも見上げるほどの雪壁でした



ルート

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