山 行 記 録

【平成25年3月16日/吾妻連峰 天元台〜中大巓〜東大巓〜大沢下り】



弥兵衛平



【メンバー】8名(荒谷、神田、柴田、大江、佐藤節、後藤、川内、蒲生)
【山行形態】山スキー、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】中大巓1,964m、東大巓1,927.9m
【地形図】(2.5万)天元台、(20万)福島
【天候】晴れ
【温泉】米沢市「鷹山の湯」500円
【参考タイム】
天元台リフト終点9:50〜人形石10:30〜東大巓11:40〜明月荘11:50-12:45〜砂盛のコル13:50〜放牧場14:30-14:50〜大沢スキー場15:20〜大沢駅15:30

【概要】
 先週の若女平に続いて今週は吾妻連峰の大沢下り。2月の大沢下りのリターンマッチである。前回は最強の大寒波のうえに膝上の猛ラッセルの連続だったのだが、すでに3月中旬ともなるとその面影はどこにもない。1週間前の完璧な樹氷群も今はもう見る影もなかった。季節はすっかり入れ替わっていた。

 この週末は二日間とも晴天が予想されているが今日の天元台では強風が吹き荒れていた。雪面はカリカリのアイスバーンのためリフト終点からは全員クトーを装着した。中大巓でさっそくシールをはがして滑降を開始する。洗濯板のようなアイスバーンのためスキーは驚くほど滑る。たちまち人形石を通過して弥兵衛平へと進んだ。青空が広がっているのだが風はかなり冷たい。気温は氷点下だろう。堅い雪面のおかげで少々の登り返しなどは滑りの反動でいとも簡単に進んでゆく。

 天候の心配は全くないので、久しぶりに東大巓の山頂を踏んでゆくことにした。右手には一切経山や中吾妻、磐梯山などの峰々が連なり、猪苗代湖の背後には那須連山も鮮明に見えている。左手は飯豊連峰や朝日連峰、そして月山から村山葉山、蔵王連峰と周囲を東北の名山が取り囲む。あいにく霞がかかっていて鳥海山だけは見えなかった。東大巓が近づくに連れて西吾妻山や西大顛は少しずつ遠くなっていた。

 東大巓の山頂からは明月荘がはっきりと見えた。相変わらず雪面は硬かったが、そのおかげでさしたる登り返しもなく小屋へと到着した。明月荘にはこれまで何人もの人達が立ち寄ったはずだったが、入り口は掘り出した形跡がなく分厚い積雪に埋もれていた。時間もまだ早いのでみんなでスコップを取り出して入り口の掘り出しに汗を流した。小屋にはいると窓越しの日差しが心地よく、しばし和気藹々の団らんとなった。

 明月荘からは大滑降が始まる。トップは勝手気ままに滑りやすいところを適当に滑ってゆく。ボクはわざと修正をしなかったのだが、考えようによっては自然とこの辺の地形が頭にたたき込まれてゆくようでもある。天候がよいのでこんなことも楽しいばかり。忠チャンの大斜面を楽しんだあと、渋川を横断すれば次は砂盛のコルへとコースは次々と展開する。ここはシールを貼らずにほぼ等高線に沿って進んだ。

 砂盛のコルからの急斜面は予想以上に雪面がよく、みんな勝手気ままに、そして思い思いに滑降を楽しんだ。あとは吾妻放牧場までのいつものコースをショートカットしたりしながらビュンビュンと飛ばした。この付近のツリーランはあまりに快適で立ち止まりたくなくなるほどだ。雪質がよくて積雪が豊富だというだけで山スキーはこんなに楽しいものなのである。先日の猛吹雪や猛ラッセルがなんとなく懐かしい。まもなく吾妻山麓放牧場が近づいていた。ボク達はいつものように放牧場上部で最後の大休止をとった。のんびりと休んでいると心地よい風が膚をなぶってゆき、春はもう目の前まできているようであった。

 牧場の最上部からはのんびりと下ってゆくばかりとなる。ここは広々とした斜面が延々と続いていて、まるで夢をみているような牧歌的な風景が眼下に広がっている。楽しかった一日がまもなく終わろうとしていた。林道にでればあとはほとんどノンストップとなる。心地よい微風を全身に受けながらスキーに乗っていると大沢駅は目前に迫っていた。大沢駅に出る前に久しぶりに大沢スキー場に立ち寄ってみた。建物はまだ健在だが無人のスキー場は人の気配もなく静寂さに包まれている。小休止を終えて杉林を抜けると目の前が大沢駅だった。そして車に戻ったところで雨が降り出してきた。




中大巓と米沢市街


人形石から下る


クジラの大斜面


砂盛のコル


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