【概要】
今日は昼頃までに戻らなければならず、アプローチも含め3時間程度の山ということで以前から気になっていた熊野山へと出かけてみた。熊野山には熊野神社が祭られており、またいくつか展望台もあって長井ダム越しに祝瓶山の眺望が楽しめる山として地元民には四季をとおして登られている。登山口までは自宅からは6kmちょっとしかないので10分程度で着いてしまうのだが、標高は700m足らずのうえにあまりに近いこともあってついつい先延ばしにしていた。さらに遠目には樹木が密集しているため、山スキーの対象としてまったく考えていなかったということもある。今日は予想外に天候も良さそうなのでならば偵察を兼ねてちょうどよいのではと急に思い立った。
道照寺平スキー場では中学生のスキー大会などもあって大勢の子ども達や父兄で賑わっていた。週末に強烈な寒気が入ったおかげでこの二日間の降雪量はかなりのものになっていた。シールをつけてゲレンデ脇の斜面を登ってゆくと深々としたトレースが刻まれてゆく。最初は左手の急斜面に取り付いて尾根を右回りにたどるつもりだったが、途中で気が変わり急斜面から直接498mピークをめざすことにした。心配していた樹林だったが、たしかに密集しているものの今回は積雪が多いのでこれならばどこでも滑ってこられそうである。膝までのラッセルは結構きつく小刻みにジグを切りながら高度を上げてゆく。稜線までの標高差はわずかだがこの猛ラッセルには予定していた以上に時間をとられた。
尾根にでると南側から日の光が飛び込んできて一気に明るさが増した。それに広々としていて気持ちが良くまさにスノーハイキング気分である。振り返ると長井市や白鷹町の山居集落が眼下に見えた。それは自分の住んでいる農山村風景そのものなのだが、まるでふるさとの原風景を眺めているかのようでもある。その屋敷林を前景にして遠方には白鷹山がどっしりとそびえており、左手の白い山並みは葉山連山の一角のようだった。
498mピークから真西へと続く尾根を登ると一段と木立がまばらになった。積雪も急に増えてきてここは狭いながらもゲレンデのようでもある。南側も林間が開けていてこれならばどこへでもスキーで滑って行けそうだった。ようやく高みに登り切るとそこには熊野神社が建っていた。周りを高い御神木がとり囲み神社の一角だけが薄暗い。この先には第1展望台、第2展望台、反射板などもあり、距離もわずかに5分から10分程度らしいのだが、今日はラッセルに時間をとられてしまい、山頂までの時間はなさそうだった。今度、時間に余裕がある時に三角点まで進んでみることにして今日はここから引き返すことにした。幸いというかいつのまにか厚い雲に覆われてしまい祝瓶山は見えないので、後ろ髪を引かれることもなさそうだった。楽しみはこの次にというわけである。シールを外せばどこにでも滑ってゆけそうだったが、今回は無難に登りのコースをもどり尾根伝いに下ることにする。最後はスキー場の圧雪されていない新雪を楽しみながら駐車場に戻った。
498mピークは明るい尾根でした |
右手には長井葉山が |
熊野神社 |
案内板もすっぽりと雪に埋まっていました |
神社から滑降がはじまります |
最後はスキー場のコース外を滑って下りてきました |