【概要】
今日は武田さんグループに参加する形でのツアースキーである。上空には青空が広がる絶好の山日和だった。関沢IC奥の駐車場から笹谷古道をたどりながら笹谷峠へ歩き出す。積雪はあるのだがくるぶし程度しか沈まず、いささか拍子抜けのような感じ。昨日の福島の猛ラッセルが嘘のようだ。10名の隊列のうえに単独のワカンのトレースもあって順調に登ってゆく。強い日差しを受けてブナの霧氷や樹霜がまぶしいほどに輝く。この光景を見られただけでも今日のツアーは満足ともいえそうである。ヘアピンカーブを次々と通過してゆくと1時間ほどで斎藤茂吉の歌碑が建つ笹谷峠に到着。前山斜面にはワカンの単独行が見える。時間が早いところをみると山形神室までゆくのかも知れない。笹谷峠は風の通り道なのか吹きさらしとなっていた。天候はよいのだが風が冷たくてとても休憩する状態ではない。山工小屋を素通りし、八丁平の電波塔施設を横に見て、10名の隊列は黙々と予定のカケスガ峰へと向かった。なだらかな斜面は山スキー向きといえそうだが、あいにく若いブナなどの樹木が密集しているので登るにも難儀する。反面、樹林帯は風を遮ってくれるので実に穏やかである。しかし、部分的に開けた箇所もあるとはいえ、まだまだ積雪が足りないように見えた。カケスガ峰の山頂が近づくにつれて、徐々に強風にさらされるようになる。行く手をはばむような灌木も多くてコース取りに苦労しながらの登りだった。そしてなかば強引にカケスガ峰の山頂へと登り切った。
山頂では強風がうなり声をあげて吹き荒れていた。雁戸山の迫力ある姿が眼前だが稜線はガスに隠れて見えない。手がちぎれそうなほどの厳しい寒気にとても展望を楽しむ気分ではなかった。一刻も立ち止まってなどいられなかった。全員が到着したところで一斉にシールをはがして滑降に移った。山頂からはいったん北東側へと回り込んでから往路の樹林帯へと滑ってゆく。もう1mほど積雪があれば文句なしとはいえ、滑ってみるとここのツリーランは結構楽しく、みんなではしゃぎながら下ってゆく。密集した樹林を縫うように滑って行けるのもファットスキーがあればこそでたちまち笹谷峠が近づいた。密林地帯を飛び出すと朝方の青空はほとんどなくなっていて小雪が舞い始めていた。山工小屋には知人の先客がいたりして久しぶりの話に盛り上がる。ボク達は薪ストーブもある快適な山小屋でしばしの大休止となった。山工小屋からは少しヤブをかき分けてから杉林の沢沿いにくだってゆく。ここでは今日一番ともいえそうな程のパウダーをしばらく楽しんだ。終わりよければ全て良し。こんなに快適ならばまた来ても良さそうである。そんなショートカットを続けているとまもなく関沢の駐車場が近づいた。
気持ちの良い登りです |
歌碑の建つ笹谷峠 |
電波塔からカケスガ峰をめざします |
上空を見上げると雲の流れが速い |
強風の吹き荒れるカケスガ峰 |
山工小屋で大休止です |