山 行 記 録

【平成24年9月30日/姥沢〜月山〜大雪城〜本道寺】



リフト終点で



【メンバー】西川山岳会7名(佐藤(辰)、荒木(啓)、草薙、宇野、佐藤(園)、後藤、蒲生)+一般参加10名(合計17名)
【山行形態】夏山装備
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1,984m
【地形図 2万5千】月山、本道寺
【天候】晴れときどき曇り
【参考タイム】
姥沢7:50〜リフト上駅8:15〜牛首9:30〜月山10:30-10:50〜大雪城(昼食)11:45-12:30〜清川小屋分岐13:00〜岩根沢分岐15:00〜本道寺登山口17:30

【概要】
 今日は訳あって西川山岳会主催の町民登山参加となった。本道寺コースは月山の数あるコースでも長大なコースとして知られており、姥沢からだと全長18kmにもなる。石転ビ沢から梶川尾根を下る21kmには及ばないがそれでも結構ロングコースにはいる。

 今日は朝から雨の予報が出ていて心配していたのだが雨は昨夜のうちに上がっていた。山の天候が気になるがまあいってみないことにはわからない。集合場所の西川町開発センターからはマイクロバスで一路姥沢へと向かった。運転手は佐藤事務局長。マイクロバスは折り返し下山口の本道寺へ回送となるのだが、辰彦氏は本道寺口から逆コースで月山へと登り、途中で我々と落ち合うという行程だった。

 今日のリーダーは本道寺コースを知り尽くしている山岳会の荒木啓一氏。リフト終点からはさっそく荒木氏を先頭に月山への一歩を踏み出した。すでに紅葉は始まっていて姥ガ岳の斜面もうっすらと草紅葉に染まり始めていた。見上げると白装束の人たちもいてあいかわらず月山は賑わっているようだ。ガスが多いものの月山は予想以上に晴れているのが意外だった。雨の降る気配はなく山の天候はやはりきてみないとわからないものだとつくづく思った。牛首をめざしていると青空が広がるまでに天候が回復した。

 牛首の分岐点からは早くも鮮やかに色づいている西斜面が見えた。山頂付近もかなり紅葉が始まっていてみんなからは一斉に歓声が上がった。鍛冶小屋跡をすぎればひと登りで月山の山頂だった。山頂小屋の入口や窓は固く閉ざされている。まだ9月というのに月山では早くも長い冬ごもりに入ったようだった。時間はまだ11時にもなっていないため、ボク達は月山神社で参拝を済ませ、記念写真を撮ってから本道寺コースへと下り始めた。ここからは黄金色に染まり始めた草紅葉と眩しいほどの黄色の鮮やかさに目を奪われながら歩いてゆく。大雪城の残雪はほとんど消えていたが、それでも200mほど下ると広い雪渓が現れる。ここは例年万年雪として雪渓が残る箇所であり、その雪渓からは水蒸気が次々と湧く。雪渓を渡り終えたところでボク達はようやく昼食にありつけることとなった。まだ12時前だったがこれから本道寺の登山口まではまだ遙かかなた先だった。なにしろ月山山頂からは13kmもくだらなければならないのだ。本道寺口まではまだ5時間から6時間はかかるだろうとあらためてリーダーから知らされるとみんなは信じられないといった表情をそれぞれに浮かべていた。

 本道寺から逆コースで登っている辰彦氏からは時々無線が入っていた。その無線によるとまもなくお互いに出会えそうなほどまで近づいてきているようだった。辰彦氏とは清川行人小屋の分岐点付近で落ち合った。月山から岩根沢への分岐点までは以前にも往復していたが、それでも新鮮な光景を目にすると期待感にワクワクしてくるようだった。途中、のろし場の見晴台で小休止をとり、さらに1時間ほど歩くとようやく岩根沢と本道寺への分岐点に着いた。やれやれである。ここまでもだいぶ長かったが、この先さらに2時間近くかかるのだと聞いてみんなはがっかりしている。すでに7時間も歩いてきていて参加者もだいぶ疲れが出てきているようだった。

 さてみんなの思惑とはべつにボクとしてはここからが初めて歩くコースとなる。本道寺コースへと踏み入れるとまず広々とした道幅に驚いた。ここは月山への表参道というだけあって実に歩きやすい山道がずっと続いていた。辰彦氏からはこの歴史ある古道を思う存分に楽しむようにとの激励が飛んだ。よく踏まれた道は柔らかくて膝にも優しかった。さらにここのブナ林の美しさも特筆ものだった。静かな山道を歩きながらとっておきともいえるような森林浴を楽しめるのである。途中に1丁毎に里程を示す野面石があるのも長い道中の退屈さを紛らわせてくれた。

 本道寺コースは勾配がないためになかなか高度が下がらなかった。さらに小さなアップダウンがあるので相当下ったはずだと思っても再び元の標高に戻ったりしてがっかりさせられた。岩根沢分岐点からは1時間もあれば下れるだろうと思っていたのだがいくら歩いても下山口は現れなかった。ときおり強い風が吹き渡るとブナの葉が一斉にざわめき、その爽やかな風は疲れた体を少しずつ癒してくれるようだった。

 右手眼下に寒河江ダムの堰堤が見えてくる頃には早くも日没が迫っていた。結局本道寺口へと降り立ったのは17時30分。辺りはすでにヘッデンも必要なほど薄暗くなっていた。ずっと待ちわびていた参加者達はマイクロバスを目前にしてようやくホッとしたようだった。振り返れば月山の山頂からは正味6時間ほどかかったことになる。思いがけず終日天候に恵まれたとはいえ、全行程10時間の長い一日がようやく終わろうとしている。


牛首への登りです


牛首付近


牛首から庄内側を見下ろしています


月山の山頂付近


青空が広がりました


まもなく鍛冶小屋跡


紫灯森と姥ケ岳(月山山頂から)


月山山頂でパチリ


胎内岩付近を下ります


この辺りは大雪城


幻想的な光景が広がります


まだこんなに雪渓が残っていました


急斜面からは岩根沢方面が見渡せます


左下には清川行人小屋


ミヤマリンドウ(大雪城)


ブルーペリー(大雪城)


ルート

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