山 行 記 録

【平成24年8月25日/朝日連峰 古寺鉱泉から大朝日岳】



大朝日小屋から



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】古寺山1,501m、大朝日岳1870.3mm
【地形図】(2.5万)朝日岳、(20万)村上
【天候】曇り時々晴
【参考タイム】
古寺鉱泉8:15〜一服清水9:05〜古寺山10:00〜巻道分岐10:25〜熊越10:37〜銀玉水11:08〜大朝日岳11:45-12:20〜古寺山13:45〜古寺鉱泉15:25

【概要】
 夏ばて気味のためぐずぐずしていたら自宅をでるのが遅くなってしまい、古寺鉱泉に着く頃には厳しいほどの日差しが降り注いでいた。駐車場はすでに満杯のため道路の路肩に駐車する。午前8時過ぎともなると登る人も1人か2人といった程度しかいないようだった。このコースは水場の心配がほとんどないところだが、水は豊富過ぎるほどに用意して登り始めた。

 古寺鉱泉の裏手からいつもの尾根にあがると強い日差しにさらされるようになる。菅笠をかぶっていたがそれでも熱気が頭から伝わってくるらしくたちまち汗が噴き出した。頭からはまるでシャワーを浴びたかのように汗がぼたぼたと地面に落ちた。幸いに一服清水が近づく頃には辺り一帯が霧に包まれるようになる。

 ハナヌキ峰分岐付近で7〜8名ほどの団体を追い越した。みな小屋泊まりらしく大きなザックを背負っていて早くもバテ気味な人もいるようだった。それからも何人かの登山者に追い付いては先に行かせてもらった。三沢清水を過ぎて稜線にあがると心地よい涼風が流れていた。秋の到来を感じさせるような冷たい風はそれだけで力がみなぎってくるようでもあり、この分ならば大朝日岳まではゆけそうだと元気がでた。

 若いカップルが一休みしている古寺山でボクも小休止をとる。濃霧は相変わらずだったが、日差しを遮ってくれる凌ぎやすさがなによりに思えてくる。この時期の山登りは展望よりもこの涼しさの方がよほどありがたいのだ。展望もないだろうとこの先の小朝日岳は割愛することにして巻き道から熊越へと出た。

 熊越から銀玉水まではまもなくとなる。樹林帯を抜け出すと西側にはガスがほとんどなく、中岳や西朝日岳から竜門山の稜線が見えた。主稜線を境にして東側は真っ白だが、西側は意外と晴れているようだった。標高が1600mを越えると下界とはまったく別世界となる。流れる風は天然のクーラーそのものであり、この冷たいほどの爽やかさを味わってしまうとしばらくは下りたくない心境となる。早くも小屋泊まりだったという登山者とすれ違うようになっていた。

 銀玉水は朝日連峰はもとより東北随一ともいえるほどの名水。手が切れそうなほどの冷たい湧水が音を立てて流れ出ていた。ボクは飲む前に頭からシャワーを浴びてみる。銀玉水によるシャワーほど贅沢はないだろうとも思うのだがこれで全身が生き返ったのはいうまでもない。銀玉水から石畳の急坂を登ると前方に大朝日岳山頂避難小屋が見えた。

 小屋までの平坦な山道は高原のプロムナードとなる。これまで地味な花ばかりしかなくカメラもあまり出さなかったのだが、ここからはミヤマナデシコ、タカネマツムシソウ、ウメバチソウ、ハクサンシャジン、ミヤマトリカブトなどの色鮮やかな高山植物が急に目立ち始め、華やいだ雰囲気に一変した。避難小屋の周りでは小屋泊まりらしい大勢の登山者がのんびりと憩いのひとときを楽しんでいた。避難小屋から大朝日岳山頂までは10分程度の距離だ。新潟県側は割合に晴れていて、中岳、西朝日岳、袖朝日岳などを眺めながら登った。濃霧に覆われたままの山形側とは対照的だった。

 山頂では大勢の登山者で溢れていて大賑わいだった。相変わらず視界はなかったが、平岩山やナカツル尾根の一部がときおり雲間からのぞく様は、それはそれで高山らしい風景ともいえるものである。そんな眺望を楽しみながらしばらく大休止をとることにした。しかし、祝瓶山や御影森山などはいくら待っていても姿を現すことはなかった。

 山頂を後にすると途中で追い越した人たちが次々と登ってくる。避難小屋まわりのお花畑では何枚も写真を撮影した。ハナヌキ峰で出会った団体とは熊越付近で再びすれ違ったが、今日はこの小屋泊まりの人たちがたまらなくうらやましくなった。ボクは急いで下る必要は全然なく、この朝日連峰の山並みをしっかり目に焼き付けておかなければと、そんなことを思いながらゆっくりと歩いてゆくことにした。


大朝日岳避難小屋に到着しました


大勢の登山者で賑わう小屋前です


小屋の裏手から大朝日岳へ向かいます


ガスが湧く平岩山の稜線です(山頂から)


山頂から団体が下りて行きました


湧き上がる雲(山頂)


雲間から現れた平岩山(山頂)


トリカブトと稜線(山頂)


タカネナデシコが満開です(大朝日小屋)


タカネマツムシソウも群落でした(大朝日小屋)


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