山 行 記 録

【平成24年6月24日/刈田峠〜芝草平〜屏風岳〜ろうずめ平〜金吹沢】



南蔵王 前山



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】 前山1684m、杉ケ峰1745.3m 、屏風岳1817.1m、
【地形図】(2.5万)蔵王山、(20万)仙台
【天候】曇り時々晴れ
【参考タイム】
刈田峠9:00〜前山9:45〜杉ケ峰10:00〜芝草平10:10-10:20〜屏風岳11:00−11:15〜分岐点11:25〜ろうずめ平12:00〜股窪十字路12:20〜澄川源頭部13:00〜金吹沢13:40〜エコーライン14:00〜刈田峠14:10

【概要】
 昨日に続いての蔵王連峰。刈田峠から歩くこの南蔵王連峰縦走路は大きなアップダウンもないので楽に登れることから人気のコースとなっている。今日も多くの登山者が入山していて大賑わいである。また金吹沢は5年ぶりに歩く。今日もまた昨日と似たような天候で、山の中腹から上はぶ厚い雲が居座っていた。

 今日は大型バスを利用してのツアーが入っているらしく、大勢の登山者が南蔵王に繰り出していた。40名ぐらいの団体が何組かあってタダでさえ狭い登山道は大渋滞となっている。この登山者達をやっとの思いで追い越すと杉ケ峰から先には大分登山者も少なくなりのんびりと花の撮影もできるようになる。この時期の蔵王はゴゼンタチバナ、ハクサンチドリ、クロユリ、チングルマ、イワカガミなどが咲き乱れていてまさしく百花繚乱といった状態だった。

 芝草平ではすでにワタスゲが終わり、イワイチョウやチングルマ、それにイワカガミなどが一面に咲いている。霧が少し流れているがそれがかえって幻想的な湿地帯といった風情を感じさせた。芝草平までくれば屏風岳は目前なので一安心といった感じだった。 

 屏風岳では大勢の登山者が休憩中で座る場所もなかった。いったいこの人達はどこからきたのだろうと訝しくなるほどで、こんなに混み合う山頂を見るのは初めてだった。ボクはそそくさと昼食をとり山頂からUターンした。

 ろうずめ平への分岐点からは混み合う登山道も終わり、これまでとは別世界の静寂な山が戻った。久しぶりに歩くコースにはワクワクするような期待感がある。また稜線との植生の違いなども楽しみだった。

 チングルマの咲き乱れる平坦な登山道をしばらく歩くと屏風岳東壁の急斜面となる。ここには何カ所にもわたってロープが張られてあった。滑落の心配はないものの怒涛の急坂を一気に下る感じである。この区間ではサンカヨウとシラネアオイが目に付いた。屏風岳を見上げるまでに下ってしまうと今度は正面に後烏帽子岳が現れる。といっても半分は濃霧に隠れていて全容は見えなかった。

 ろうずめ平から股窪までは何度も歩いている。小さなアップダウンや徒渉を繰り返すと20分ほどで股窪十字路に着いた。ここまでは一人の登山者とも出会わない。縦走路とはえらい違いだった。さてここからが5年ぶりに歩く区間だが、平坦地を少し進むとまず倒木が登山道を塞いでいて、これからの行程に不安が広がってくるようだった。それに刈り払いもされていないので半分ヤブ漕ぎ状態であった。股窪沢の徒渉区間も記憶になく、赤テープも標識もないのでわずかな踏跡だけが頼りだった。よくよくみると比較的新しい踏跡がところどころに残っている。昨日か今日のもののようであった。

 それからは笹をかき分けたり、倒木を潜り込んだり卷いたりしながら少しずつ進んだ。この区間は澄川に沿っていて、標高はほとんど上げずに小さな支流をトラバース気味に歩く。それも数えきれないくらいに延々とである。ボクは記憶喪失になったのではと思うくらい前回はこんなに難儀した覚えはなかった。

 先行者に追い付いたのは澄川源頭部の徒渉点付近だった。それも一人ではなく夫婦の二人連れであった。このバリエーションルートとでもいえそうな難儀コースをよくここまで来たものだ。澄川源頭部は広い河原のような広がりのあるところで、ザックが2人分デポしてあったのだが不思議にもひとの姿はなかった。出会った二人は福島の方で、ボクと同様に屏風岳を登って、あまりの混み具合にこちらのコースに逃げ込んできたように見えた。それがこの未整備の登山道だったこともあって、とくに奥様の方はほとほと疲れはてているように見えた。その徒渉点でも道はほとんどないような状態で、笹をかき分けながら足元の踏跡を探したのだがよくわからず、間違って急な岩場を登ったりした。地形図も古いルートを示していたせいもあるのだがほとんど見当違いの岩場を登っていたのだった。幸いに踏跡をみつけて正規の登山道に戻った。

 そこからは沢の徒渉も終わり刈田峠をめざして山の急坂を登るようになった。ここは前回の記憶がかろうじて残っている区間で、ここにきてようやく一安心といった気分になった。といっても笹薮や背丈の高い草木は登山道を隠していて、両手でかき分けながら進まなければならなかった。ここまで道案内も兼ねながら先頭を登っていたのだが、福島の二人もこれでもう刈田峠に戻れる目処も着いたと思ったのか一休みをとっているらしく、その後待っていても追いついてくる気配はなかった。

 ジグザグの急坂を登り終えると勾配は徐々に緩やかになっていった。途中で枯沢のような金吹沢を通過したが、それでもヤブ漕ぎは終わらない。かえってヤブは深くなってゆくような状態が続いた。道もようやくはっきりし出したのは仙台一高の「井戸沢小屋」の看板が出てくる三叉路付近からだった。ここまでくると頭上からはエコーラインを走る車の音がひっきりなしに聞こえるようになった。「股窪十字路経由 後烏帽子岳」と書かれた標柱のあるエコーラインに飛びだしたのは股窪十字路から2時間近くかかっていた。休憩もとらずにヤブを漕ぎ続け、数えきれないほどの倒木に行く手を遮られながらもひたすら歩き続けた金吹沢コースがようやく終わった。





高低図

ルート

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