山 行 記 録

【平成24年6月18日/古寺鉱泉から大朝日岳】



小朝日岳(古寺山)



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】古寺山1,501m、小朝日岳1647m、大朝日岳1870.3mm
【地形図】(2.5万)朝日岳、(20万)村上
【天候】曇り
【参考タイム】
古寺鉱泉6:15〜一服清水7:20〜古寺山8:40〜巻道分岐8:23〜小朝日岳9:45-10:35〜銀玉水10:45〜大朝日岳11:30-12:00発〜小朝日岳13:00〜古寺山13:30〜古寺鉱泉15:00

【概要】
 昨日は朝日連峰の山開き。天候はいまひとつだったようだが今日は高気圧に覆われるとあって雨の心配はなさそうだった。ただ前日の不忘山の疲れが残っているせいか両足が異様に重いのが気がかりだった。また一服清水ではブヨの大群から攻撃にあってしまい逃げるようにして先を急いだ。ハナヌキ峰分岐を過ぎると途中から残雪が現れる。ところどころで登山道を塞いでいるがこれも1〜2週間ほどでみな消えてしまうように見えた。稜線直下の急斜面はまだ大量の残雪があり、古寺山の山頂まで半分くらいは雪上歩きだった。青空が広がり爽やかな夏山の雰囲気があったのはこの辺りまでだった。右手には小朝日岳が見えていたが、大朝日岳は分厚い雲に隠れて見えなかった。

 小朝日岳までは3時間30分もかかった。同じ1000mの標高差を昨日は2時間で登っているのである。体調は最悪のためこの時点では小朝日岳から引き返す予定を決めいていた。山頂では二人の登山者が休んでいて、また空身で大朝日岳を往復している人がいるらしく、傍らには大きなザックが4個ほどデポしてある。大朝日の避難小屋に泊まったという二人連れとしばらく話をかわしながら疲れた体を休めることにした。山開きの天候は最悪だったらしく昨夜の小屋宿泊は5名だけだったとのこと。今日は風も雨もないぶんだけ天国のようだといっている。そのうち二人は古寺鉱泉へと下っていったが、ボクは小朝日岳から引き返す気持ちもあって1時間近く休んでいた。

 大朝日岳周辺はいっこうに晴れる様子もなく、銀玉水から上も雲の中だったが、休んでいるうちに幾分体調がよくなった気がして、ゆけるところまで行ってみようかという気になっていた。実はこれが悪かったようだった。小朝日岳から熊越へは大きく下ってゆく。帰りの登り返しがつらそうだったが今は考えないことにした。樹林帯から飛び出すと大朝日岳をピストンしてきた空身の4名とすれ違った。

 銀玉水では周囲の雪は消えていて水は蕩々と流れ出ていたが、斜面にはまだ大量の残雪に覆われていた。ここの急斜面は早朝に通過の際には滑落の危険もあるのだが今回は雪も柔らかいのでアイゼンもピッケルも必要はなかった。稜線にあがると濃霧と強風はさらに激しくなった。一方では春の花が盛りで、チングルマ、ミヤマウスユキソウ、イワカガミなどの群落に疲れた気持ちがいくらか癒されるようだった。大朝日小屋の前までくると今度はオノエランがけっこう咲いていた。

 ガスに煙る避難小屋を通過するとほどなく大朝日岳山頂だった。5時間以上かかってようやくたどり着いたといった心境だった。展望もなく疲労と頭痛で体調はいまひとつだったが、久しぶりの大朝日岳山頂は感無量である。しばし小さな達成感のようなものを味わっているとまもなく一人の登山者が登ってきた。日暮沢から竜門山経由の日帰り周回コースの人だった。

 山頂ではおにぎりなどを食べながら30分ほど休憩をとってから下山を開始した。一足早めに下った日暮沢氏はもう見えなくなっていた。その後、銀玉水付近で古寺鉱泉かららしい日帰りと小屋泊まりの単独登山者とスライドした。天候は午後になっても回復せず、霧は昼前よりも濃くなっていた。ボクの体調はというと今日の天候と同様でますます悪くなるばかりだった。小朝日岳、古寺山と順調に下っていったが、下るほどに気温は高くなってゆくばかりで、ボクは半分熱中症のような症状も加わっていたようだった。

 一服清水では冷たい湧き水で乾ききった喉を潤したものの気分は悪く意識は朦朧としていた。あとは小一時間で古寺鉱泉に下れる。水場からは自分の弱り果てた気持ちと体をだましながら下るだけだった。



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