山 行 記 録

【平成24年4月1日/姥沢〜姥ケ岳〜石跳川】



姥沢までの道



【メンバー】西川山岳会6名(神田、荒谷、大江、菊池、佐藤節、蒲生)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】姥ケ岳 1,669.7m
【地形図】(2.5万)姥ケ岳、(20万)村上
【天候】晴れのち雪
【温泉】西川町 水沢温泉300円
【参考タイム】
志津温泉8:30〜リフト上駅11:10-11:40〜姥沢駐車場13:30

【概要】
 今日は品倉尾根を計画していて全員が湯殿山スキー場に集まった。悪天候ならば品蔵尾根ピストンが代替案だったが、昼頃から崩れだすという天気予報など微塵も感じさせないような雲ひとつない快晴の空が朝から広がっているのを見て、それならばとりあえず決行しようかと志津温泉に向かった。しかし駐車地点につくと少し前までの晴天は影を潜め早くも薄雲が広がり始めていた。品蔵尾根は紫灯森さえ越せればなんの問題もないのだがこうも先行きが不安定になってしまうと今日は時間との競争になりそうだった。

 すでに姥沢までの除雪は終わっているのだが、スキー場のオープンまでは通行止めとなっている。しばらくスキーを担いでとぼとぼと歩き出した。この時点では気温も高いうえにときどき青空がのぞくまずまずの空模様だった。それが姥沢小屋を過ぎリフト乗り場までくると急に薄暗くなってしまいおまけに小雪までが舞い始めてしまった。天候の急変は予想外に早くやってきた。

 スキー場では何台ものブルが除雪作業の真っ最中で、そんな様子を横目になおも登って行くのだが、リフト終点が近づく頃には視界はほとんどなくなっていた。リフト上駅まではおよそ2時間半。ほとんど休みなしに登ってきたこともあり、志津温泉からだとかなり速いペースのはずだったが、天候の悪化はそれ以上に早かった。ボク達は無料休憩所の陰に隠れるようにしながらツェルトに潜り込みしばらく昼食をとって時間つぶしをした。その間にも天候が回復すればと淡い期待を抱きつつである。しかしこういったときには決して期待通りとはゆかない。ますます悪化する空模様を後目にボク達は品倉尾根をあきらめるしかなかった。

 そうと決まればブナ林の滑降を思いっきり楽しむしかない。ここまでおよそ800mほども稼いだ高度差がある。ホワイトアウト中を恐る恐る滑り出してみる。するとそれが意外や意外だから世の中わからないものである。厳しいほどの寒気と前日からの積雪のおかげでリフト上駅からの滑降は予想をはるかに上回るほどの快適さだったのだ。雪質はこの時期では考えられないほどの軽いパウダーで、先週の湯殿山もよかったのがその快適さはそれ以上である。さらに少し高度が下がったために視界もかなり効くようになっていた。これにはみんなも大喜びでそれぞれ思い思いの方角へと勝手気ままに滑降してゆく。そして滑りがあまりに楽しかったからだろう。リフト乗り場が近づいたところでもう一度この斜面を楽しみたいと誰からともなく要望がありそこからは再びシールを貼って姥ガ岳の中腹へと登り返しこの時期はずれのパウダーをとことん楽しんだ。

 リフト下駅付近からはもちろん石跳川へと向かって滑って行く。ここはブナの疎林帯が広がっているところで以前には悪天候の時によく遊んだ所でもありエスケープルートでもある。姥ケ岳南斜面に広がる山スキーの理想的なエリアだけあってここはどこを滑っても楽しい。理想的なパウダーは爽快で心地良く至福のツリーランが続いた。今日の山スキーはまさしく「ひょうたんから駒」あるいは「怪我の功名」といった感じでとんだ拾いものだったようだ。悪天のなか品倉尾根を無理に強行していればこんなに楽しい結果には決してならなかっただろう。ボク達は満ち足りた思いで石跳川をネイチャーセンターへと向かった。



湯殿山(姥沢)


至福の時


至福の時


至福の時


至福の時


至福の時


ルート

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