山 行 記 録

【平成24年2月19日/徳網〜白太郎山】



白太郎山の山頂



【メンバー】3名(柴田、大江、蒲生)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】朝日連峰周辺
【山名と標高】 白太郎山 1,002.8m
【地形図】(2.5万)徳網、(20万)村上
【天候】雪(稜線は風雪)
【参考タイム】
駐車地点8:40〜白太郎山12:10-12:25〜駐車地点13:00

【概要】
 置賜地方では朝から雪が降り続いていた。雪は小降りになる気配もなくほとんどの車がヘッドランプを点灯しながらの運転だった。徳網地区は小国の中心部と比較しても格段の積雪におおわれていた。まさしく名だたる豪雪地帯の面目躍如といったところだろうか。駐車地点の路肩の雪も見上げるほどの高さだった。こんな時に豪雪の白太郎山に登ろうとするものなど他にはなく我々3人だけのようであった。

 駐車地点からは路肩の適当なところから雪をくずしてはい上がった。前日からの降雪がかなりあって太板スキーでもスキー靴がすっぽりと埋まった。今日のラッセルが今から思いやられるようである。単独ならば間違いなく今日のツアーは中止していたのだろうが、今日は強力なメンバーが2名もいるのでなんとかなりそうだった。急斜面に取り付くと最初から猛ラッセルが始まった。トップの踏跡は深い上にずぶずぶとしていてセカンドでも登るのに骨が折れる。それでも杉林をすぎてブナ林へと進むとそれなりにペースがでてきたようだった。短時間でラッセルを交代するので疲労感はそれほどでもないがかなりの寒気というのに汗が流れた。途中でシャツを脱いで温度調節をしなければならなかった。

 それからも雪は激しく降り続きトレースにも見る間に雪が積もってゆく。急坂になると膝上から股下までのラッセルとなった。いつものことだがこれがなかなかきつい。766mピークが近づくあたりからそれまでのハイペースががくんと落ちてペースは極端におちていった。766mピークを過ぎると吹きさらしの稜線となりさらに厳しい風雪にさらされるようになった。時々薄日が差したりしたがそれはいっときの気休めにすぎなかった。天気予報によれば昼頃から雪も落ち着くはずだったが山ではなかなか予定通りとはゆかなかった。

 3時間ぐらいたった頃だろうか。ブリザードのような悪天候にさすがに耐えきれなくなり途中で小休止となった。そこから100mも進めばもう白太郎山の山頂という地点だった。ここまでは全く休憩なしの状態が続いていた。雪庇の東側は風もなくて休憩地点としては最適な場所だった。ボク達はツェルトを被ってしばし昼食とした。

 ツェルトを出てみると周囲の明るさが少し戻っていた。しかし視界のなさは相変わらずで今日は展望の楽しみはなさそうだった。休憩地点からはわずかに登ると白太郎山だった。雪は小降りとなっていたが風が強いためシールをはがす作業は雪庇の下で行った。

 シールをはがせば悪天候の山頂に用はない。強風と降雪によってボク達のトレースはほとんど消えていたがそれだけ雪が深いということでもある。山頂からは激パウのはじまりだった。寒気のおかげで雪は軽く深雪にもかかわらずスキーは面白いほど走った。この楽しみのためにボク達は長時間のラッセルに耐えてきたのである。柴田さんも登ってきたトレースを一切無視して急斜面へと飛び込んで行く。白太郎山にきてこんなに深雪を楽しんだのは久しぶりのような気がした。それもこれも今日の寒気と豪雪のおかげである。ここは山スキーにきて期待を裏切られたことのない唯一の山でもある。悪天候でも樹林帯が優しく守ってくれて、そして山頂からは登り返しもなく県道までツリーランとパウダーを楽しめるのである。こんな山は他にない。ボク達は一休みを一切とることもなく一気に県道までスプレーを巻き上げながらくだった。


駐車地点で


雪が降り続きます


ルート(赤:登り、青:下り)

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