【概要】
視界がない悪天候のため、例によってリフトは使わず駐車場からシールで登り始める。1週間前に比べ積雪はずっと増えているようだった。スキーヤーもまばらなゲレンデを黙々と登るとやがて雪は小康状態となって高曇りの空模様となった。もしかしたら晴れるかも知れないと淡い期待を抱きながらリフト終点を通過した。今日は誰も山に入った形跡はなかった。ラッセルといってもたいしたことはないがそれでもスキー靴が埋まるほどの積雪量である。振り返ると深々とした自分のトレースが残った。まもなくすると雲が切れてようやく青空が広がった。山に来て青空を仰ぐのは1カ月振りか。この三連休はどこも暴風雪の予報が出ていたが今日は信じられないほど風がなかった。太陽も青空も雪原もみな眩しくて久しぶりに心がときめいた。積雪が増えたおかげで今回はショートカットで登って行けそうだった。それでも雪はもうひと降りもふた降りも欲しいところだ。小屋へ登る最後の急斜面ではちょっとしたアクシデントが発生する。強引に登ろうとした瞬間右側のクライミングサポートがグニャリと折れ曲がってしまったのだ。あーあ、これでは馬ノ背への急斜面は無理かも。無理をするものではないなあ。小屋には急坂を避けエコーラインを利用して登り着いた。お田ノ神避難小屋にはちょうど2時間。前回と同じ所要時間だった。ここから上は雲の中に入ったのか再び視界はなくなってしまった。晴れなければ今日もここが山頂だな。クライミングサポートさえ壊れなければと考えても後の祭りだった。前回同様、入口の除雪を済ませて中に入ると、大量の雪が小屋の中に入り込んでいた。南側の窓ガラスが1枚割れて粉々に飛び散っていた。コンパネなどを探してみるがそうそう都合よく見つかるはずもなく、小さなベニヤ板などを組み合わせて窓をふさいでみる。この応急処置で少しは持つだろうが強風が吹けば一溜まりもなさそうだった。あとでパトロールにでも知らせておくか。しばらく小屋の掃除に時間を費やし、一段落したところでストーブに火をつけた。前回は5名が小屋に集まりそれなりににぎわったのだが今日は風音もなく静かだった。小一時間ほどたったところで小屋をでた。周りは真っ白で何も見えなく自分のトレースをたどりながら下った。ヤブは少ないのでスキーも快適だ。石碑までくると視界がはっきりとしてきてスピードに乗ってリフト終点へと飛び出した。リフトの係員に窓ガラスの件を説明するとパトロールに伝えておくとの返事。あとはゲレンデを下るだけだった。いくら降雪があったとはいえ林間を滑るのはまだまだ早く、ゲレンデでもなるべくパウダーを選びながら駐車場をめざすことにした。
高曇りの中を登ります |
青空が広がる |
姿を現した中丸山 |
お田ノ神避難小屋に到着です |
入口を除雪します |
ゲレンデは晴れていました |