山 行 記 録

【平成23年10月22日/泡滝ダム〜大鳥小屋】



大鳥小屋



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】以東岳m
【地形図】大鳥(2.5万)、村上(20万)
【天候】雨時々曇り
【温泉】西川町水沢温泉300円
【参考タイム】
泡滝ダム6:00〜大鳥小屋9:00-11:00〜泡滝ダム12:30

【概要】
 未明から音を立てて雨が降り続いている。ボクは再びシュラフに潜り込んだ。あ〜あ、なんてこったい。昨日までは快晴だったのにな。いっそ今日はやめようか。あきらめたところで誰にもなにを言われることもないのだから。泡滝ダムは工事中のために一晩中投光器が煌々とした灯かりを一帯に照らしているだけで、駐車場には昨晩から車が2台止まっているが人の気配はない。車は昨日からの登山者のようだ。体調がひまひとつのところを遠方まで無理してやってきたというのにこの天候にはまったくがっかりだった。車の中で菓子パンをひとかじりしながら何事かを考えてみる。すると何となく少し元気がでてきた気がして身支度を調えカッパを着て外に出た。6時というのにまだものの輪郭がようやくわかる程度の薄暗さだった。地震かそれともこのあいだの大雨の影響だろうか。山道がそこらじゅう壊れている。吊り橋を二つ渡りだらだらと歩いて行くと七曲がりの九十九折りだ。ゴアのカッパだというのに蒸れのため汗でびっしょりだった。名ばかりゴアではあまり役に立たないか。買い換えようと思っているうちに何年かが過ぎた。途中の水場で汗を流し、喉を潤して行く。この辺の湧き水ならば放射能の心配はないだろうか。そんなことがやけに気になり、何ものかに対してやり場のないような憤りがこみ上げる。しばらく急坂に耐えれば大鳥池も間近だ。やっとここまで登ってこられたといった安堵感がある。雨は小降りだが止む様子はない。大鳥小屋はほとんどの窓が開いている。もしかしたら今日は管理人がいるのかも知れない。藤井さんにもだいぶ会ってないなあ。あとで立ち寄ってみようか。小屋の周辺ではだいぶ紅葉が進み、半分以上は落葉をはじめているようだ。日差しがあれば紅葉も輝きが増すだろうに雨模様では美しさも半減だった。葉っぱのない枝ばかりの木々はどことなく哀れだった。甚六山や化穴山などの外輪山ははっきりしていたが、大鳥池から見上げる以東岳は白く厚い雲に隠れていてどこが山頂なのかよくわからない。とりおり動物の咆哮のような風音が湖面を渡ってくる。この音が何となく耳障りで疲れが一層増した。ボクはオツボ峰への急坂を登ってみた。低気圧が通過しているのだろうか。気持ちは一向に上向いてくる様子はなく足取りは重かった。まるで両足に足枷をはめられているようだ。庄内方面の明るさが戻った気がしたが、それもすぐに黒々とした雲に遮られてしまうので樹林帯の薄暗さは少しも変わらなかった。先へ進もうとする気持ちがほとんどなくなり、ボクは大鳥小屋に引きかえした。


大鳥池


大鳥池

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