山 行 記 録

【平成23年10月9日/朝日連峰 朝日鉱泉〜ナカツル尾根〜大朝日岳〜平岩山〜御影森山】



ナカツル尾根6合目付近からの大朝日岳



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備
【山域】朝日連峰
【山名と標高】大朝日岳1,870m、平岩山1,609m、大沢峰1,484m、御影森山1,534m、上倉山1,144m
【天候】晴れ(快晴)
【温泉】山形県朝日町 いもがわ温泉150円
【参考タイム】
朝日鉱泉6:20〜出合7:40〜長命水8:30〜大朝日岳10:20-10:30〜平岩山11:40〜大沢峰〜御影森山13:00-13:30〜上倉山14:20〜朝日鉱泉15:20

【概要】
 ナカツル尾根は朝日川の渓谷道から尾根に取り付き、二股から一気に急登が山頂まで続く大朝日岳への直登コースである。前回このナカツル尾根を登ったのは一昨年の8月。またナカツル尾根から御影森山への周回ルートはなんと11年ぶりだから我ながら驚いた。大昔といえるほど随分と久しぶりなのである。昨日は雨の祝瓶山だったが今日は日の出と共に快晴の空が広がり紅葉の山歩きには絶好の日和だった。

 今日の周回コースは結構距離があるので、できれば5時半頃には出発したかったのだが、歩き出す頃には眩しいほどの日差しが降り注いでいた。朝日川の二股までは渓谷沿いの道が続く。登山道は濡れており、石の上も滑りやすいので注意しながら進んだ。前後にはひとりも登山者が見当たらなかったが二俣近くで早くも登山者がひとり下山してきたところに出会った。昨日の天候はやはり雨だったとのことだが、今日の山頂付近は快晴で、さらに紅葉がちょうど盛りなのだと話してくれた。しかし、せっかくの秋晴れというのにこんなに早い時間に最短コースを下るのは、少し惜しいのではないかという気がしないでもない。

 二股の標識を見て今日4つ目の吊橋を渡るといよいよ登りにかかる。しばらく息をつく暇もない急登が続いた。きつい登りだが樹間を通る風は涼しく快適だ。また澄みきった青空と降り注ぐ陽光は気持ちまで明るくしてくれる。最近は天候に恵まれなかっただけに今日の爽やかな秋空はこれまでの鬱憤をすべて晴らしてくれるようだった。

 ナカツル尾根は9合目まで標識が完備しているので、それを励みに登ることができるところがいい。前方にようやく大朝日岳が見える地点は1369mピークの6合目だ。ここからは大朝日岳がもう目の前に迫り視界が大きく広がる。さらに紅葉も鮮やかさが一段と増すので登るのがますます楽しみとなってくるところだ。順調に8合目、9合目と登り詰めれば大朝日岳も目前となる。山頂で憩う人たちの姿もありありと見えた。左手には平岩山から祝瓶山へと続く縦走路が連なり、右手には大朝日岳避難小屋や小朝日岳も至近距離だった。

 大朝日岳には朝日鉱泉からちょうど4時間で着いた。4、5人の登山者がいるだけで割合静かな山頂だった。ボクとしては特にバテることもなく順調に登れたことにほっとしていた。山頂では今にも雪が舞ってきそうなほどの冷たい風が吹いている。あまりに寒くて長居をする気分ではなく菓子パンをちょっとかじっただけで平岩山へと向かった。

 平岩山への最低鞍部付近で先行する単独の人がいた。この人も日帰りで御影森山への周回コースを予定しているらしかった。ここの岩陰は風もなくて心地よい日差しが降り注ぎ、昼食を取るには最適な場所だった。ボクはこの先行者と二人でしばらく小休止をとった。

 平岩山までは冷たい西風があって長袖は手放せなかったが、山頂から下ると風がほとんどなくなり、途中でTシャツ一枚になった。振り返ると紅葉と平岩山や大朝日岳の光景が美しく何枚も写真を撮った。やはり紅葉には日差しが欠かせないのだとあらためて思う。次々と鮮やかな紅葉が前方に現れだけで自然に先へ先へと促されるのだ。ちょうど1400mぐらいが紅葉の最前線のようであり、平岩山から御影森山にかけての紅葉は見事としかいいようがなかった。おかげで御影森山までの多くのアップダウンもほとんど苦にならない。大沢峰を過ぎて前方に御影森山が大きく迫るようになると最後の登り返しだった。

 御影森山では朝日鉱泉からの往復だという人がのんびりと一人で休んでいた。御影森山までくれば後は最後の下りが待っているだけで、途中、上倉山の登り返しも残ってはいるものの、これまでの大きなアップダウンからみればたいしたことはない。山頂で休んでいた登山者はボクと同じく置賜の人ということもあり、おかげで話も弾み30分ほどの大休止をとった。

 御影森山を下っても晴天はいささかも変わらなかった。今日のような快晴は滅多にないのだと思うと急いで下るのがもったいないような気がした。上倉山までも暖かい陽射しが常に降り注ぎ、快適な山歩きが続いた。樹間からは大朝日岳や小朝日岳も望めるので、ここでも何回もシャッターを切った。陽光を浴びてブナやカエデなどの紅葉はまぶしいほどに輝いている。特に上倉山付近の黄色一色に染まった黄葉は息を呑むほどの美しさだった。

 上倉山からは一気に樹林帯の急下降が始まる。木の葉越しに朝日鉱泉が遠くに見え隠れするようになり平地がだんだん近づいてくる。やがて沢音が大きくなると吊り橋がありナカツル尾根への登山道に合流すると朝日鉱泉まではまもなくだ。ちょうど9時間の山旅もまもなく終わろうとしている。結局天候は最後まで崩れることはなく、登山道にはまだ明るい日差しが降り注いでいた。


八合目付近から平岩山


大朝日岳が目前に


祝瓶山と縦走路(九合目付近)


大朝日岳の山頂直下です


平岩山直下から大朝日岳を振り返る


平岩山付近から望む大朝日岳


大朝日岳


大沢峰への途上で


大沢峰付近


大沢峰から大朝日岳


平岩山を振り返る


平岩山


御影森山近く


御影森山(遠方は大朝日岳)


御影森山からの下山口


御影森山を仰ぎ見る


御影森山からの下山道


明るい登山道です



コース
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