山 行 記 録

【平成23年10月1日/硯石〜不忘山】



山頂付近



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】不忘山1705.3m
【地形図】(2.5万)蔵王山、(20万)仙台
【天候】晴れ時々曇り
【参考タイム】
硯石9:15〜不忘ノ碑11:10〜不忘山11:20〜硯石13:10

【概要】
 今日は冬型の天候だというので少しでも晴れやすい宮城県まで足を延ばしてみることにした。といってもあまり遠出をする元気はないので登山口は七ガ宿町の南蔵王キャンプ場に向かった。キャンプ場は人の気配はなく深閑としていた。天候がいまひとつのためか誰も登っている人はいないようだった。強風が吹き荒れていて風に煽られるとキャンプ場の樹木が大きくしなったりした。風音を聞いているとまるで動物のうなり声のような気がしないでもなかった。

 登山口からの標高差は1000mほどなので3時間ぐらいの行程である。登山口周辺はよく整備されたカラマツ林となっている。緩やかな山道に安心していると、次第に勾配が増してゆくので侮れない。まもなくするとカラマツとミズナラが混じるようになり、やがて灌木帯を抜け出すと大きな岩が目立つガレ場となる。急に見晴らしがきくようになると同時に風の強さが際だってくるようだった。

 標高が1500mほどにもなると厳しいほどの寒さに手がかじかんだ。温度計はないので不明だったが今にも雪が降り出しそうなほどの冷え込みだった。振り返ると七ケ宿町や長老湖などはもちろん蔵王山麓の山並みが一望となる。ガレ場が連続するようになると不忘山も目前だ。同時に少しずつガスに包まれるようになり、次第に視界が悪くなっていった。

 不忘の碑までくると急に登山者が増えだした。みんな風と寒さをしのぐために岩陰で休憩をとっているところだった。普段であればここから山頂が見えるのだが濃霧につつまれていてほとんどわからなかった。寒気はますます厳しいものになり、ここで冬用の手袋と帽子に取り替えることにしたのだが、今日のような天候の場合、夏装備だけで山頂を踏むのはかなり困難に思えた。もちろん夏装備できている人も多かったが、みんなこの寒さには一様に戸惑っているようであった。

 不忘の碑を過ぎると時々山頂がうっすらと見えるまでになっていた。見渡せば山頂付近の紅葉が美しく思わず目を見張ってしまった。僕はうっかりしていたのだが、すでに10月なのをすっかり忘れていたのだ。どこを見渡しても先日までの真夏の気配は微塵もなく、すでに秋真っ盛りの風景が広がっているのをみて本当に驚いてしまったのである。しかし、その紅葉を楽しもうにも今日の天候はあまりに寒すぎた。晴れていれば水引入道や屏風岳などが一望だったのだが、寒気を伴った濃霧と強風ではとても望めそうにもなかった。休憩をするのさえもためらわれるほどの寒さのために、写真撮影を済ませた僕は逃げるように山頂を後にした。


明るいブナ林


長老湖を望む


山頂付近のガレ場


山頂付近で


山頂から


山頂


不忘の碑付近から


下りの途上で


inserted by FC2 system