山 行 記 録

【平成23年7月9日/坊平〜仙人橋〜中丸山〜熊野岳〜刈田岳〜坊平】



お釜



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】中丸山 1562m、熊野岳1841m、刈田岳1758m
【地形図】(2.5万)蔵王山、(20万)仙台
【天候】晴れ
【参考タイム】
坊平6:30〜仙人橋6:50〜中丸山8:00〜熊野岳9:10-9:30〜馬ノ背〜刈田岳10:10〜馬ノ背〜坊平高原11:50

【概要】 
 このところの暑さで早くも夏バテ気味である。少しでも足慣らしをするために坊平高原に向かった。早朝の坊平高原にはまだ誰もいなかった。山形県内は今日も猛暑日になる予報がでているのでこんな時には早立ちが一番である。ライザスキー場では青空が広がっていたが、まだ日差しはそれほど強くはない。今回のコース上には水場がないので水筒を満タンに満たして出発した。

 ゲレンデを登ってゆき、第1リフト終点から仙人沢へと降りてゆくと喧しい蝉の鳴き声が頭上から降り注いだ。いつもながらここは急斜面だが、沢音と川風が夏の暑さをつかの間忘れさせてくれるようだった。仙人吊橋は頑丈で、人が歩いただけでは少しも揺れることが無い。対岸に渡ると中丸山への急登が始まる。途中から雲の中に入ったらしく、視界はなくなったものの、かえってその涼しい空気がありがたい。ときどき沢から吹き上がってくる風は冷たいほどだった。

 やがて前方に中丸山が現れる頃には雲の上に飛び出したようだった。ここからはところどころに木道が現れる。日射しが降り注ぐだけに真夏の暑さも戻ったのだが、高度はすでに1500m近い。吹く風は登るほどに爽やかさが増し、やはり夏山は早出に限るなあ、などと当たり前のことを思ったりした。やがて木道の傍らに標注が立っている中丸山に着く。ここまで約1時間半だった。

 中丸山から下ると再び樹林帯の中になる。潅木に遮られて展望はなかったが日差しが遮られる分だけ歩きやすい感じだ。鞍部からは小さなアップダウンを繰り返しながら少しずつ熊野岳が近づく。登山道の傍らにはハクサンチドリ、コイワカガミ、アオノツガザクラ、イワハゼ、マイヅルソウ、シャクナゲが咲く。これら色とりどりの高山植物を愛でながら歩くのは楽しいばかりだった。手前のピークを乗っ越すと前方には熊野岳の荒々しい山容が目に飛び込んできた。熊野岳の岩稜帯に飛び出すと視界は一気に広がり、コマクサが一面となった。今年初めて出合うコマクサだった。今この時期にしか見られない花に出合えたことで登りの疲れを忘れそうだった。これまで誰とも出会わなかったが、ここで熊野岳から中丸山へと下ってゆく3人組とすれ違った。

 熊野岳の山頂まで来ると登山者が目立ってきた。みんな刈田岳や蔵王温泉からきた人達のようだった。汗をかいた体には少し肌寒いほどの冷たい風が流れていて、まさしく天然のクーラーを味わっているかのようであった。しばらくこの山頂で展望を楽しみながら早めの昼食をとることにした。

 山頂から馬ノ背へと下ると眼下にはエメラルドグリーンのお釜が見えた。空気が澄んでいるからなのだろうか。お釜の輪郭も湖面の鮮やかさもいつもより明瞭に思えた。馬ノ背も中間地点までくると観光客が目立ってくる。そして刈田岳では神社に参拝する人達やお釜をバックに記念写真を撮る人達で混雑をきわめていた。どうやらここでは登山者は部外者のようで早々に退散することにした。

 再び戻った馬ノ背からは登山リフトに沿って登山道を刈田駐車場まで下りる。駐車場から真っ直ぐに下ればお田ノ神避難小屋だが今回は迂回路の登山道をたどることにした。このルートはエコーラインを全く歩かずにライザスキー場まで降りてゆくことができるのだ。見覚えのあるリフト終点の小屋などが見えてくると登山道はまもなく終わりだった。ここからはゲレンデを自由に歩いてゆくだけである。誰も登ってくる登山者もなく途中でザックをおろしてごろんと横になってみた。そして再び下り始めるとこれから登る3人連れに出会った。ところがよくよく見れば熊野岳で出会った人たちであり、ちょうど私と逆コースをたどって刈田駐車場まで戻るところだったらしかった。ゲレンデの草むらをかき分けるように下ってゆくと眼下にはリフト下に建つペンションが見えてくる。駐車地点はそこからまもなくだった。



ライザスキー場


仙人橋


シャクナゲと二ツ森山


中丸山山頂


中丸山(熊野岳)


熊野岳から北蔵王縦走路を


刈田岳から


刈田駐車場へ


コース

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