山 行 記 録

【平成23年6月18日(土)/上和田〜豪士山〜駒ヶ岳】



高畠町最高点で



【メンバー】9名(伊藤孝(夫妻)、伊藤賢、清水、東海林、遠藤、四釜、渡辺、蒲生)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】奥羽山脈南部(置賜東部)
【山名と標高】豪士山 (ごうしやま)1,022.4m、駒ヶ岳(こまがたけ)1,067.5m
【地形図】(2.5万)稲子、栗子山、駒ヶ岳(20万)福島、仙台
【天候】晴れときどき曇り
【温泉】米沢市「高畠駅」300円
【参考タイム】
本宮キャンプ場駐車場7:40〜登山口7:50〜水場9:30〜豪士峠9:45〜豪士山10:00-11:40〜ひかば越え分岐12:00〜高畠町最高点11:45-12:45〜駒ヶ岳13:00〜969P13:50〜尾根分岐点14:25〜信濃沢14:45〜本沢分岐15:15〜豪士山登山口15:25〜本宮キャンプ場駐車場15:30

【概要】
 ガイドブックによれば豪士峠はその昔、高畠町上和田と福島市茂庭を結ぶ古い街道上の峠だったようである。高畠村は古くは屋代郷に属し、江戸時代において幕府の直轄領となったり、米沢藩の一時預り地となったりして時の権力に翻弄されたところだが、その屋代郷民にとって豪士峠は二井宿街道に対する間道として利用されていたらしく、それはまた米沢福島間の表街道である板谷峠に対するいわば裏街道だったようでもある。この街道は福島県側から高畠町の亀岡文殊堂までの最短距離だったことから、昔は多くの参拝者に利用されていたらしいが、その昔日の面影も今はまったく見られず、街道があったことさえ知る人は稀である。

 今日は久しぶりに我が山の会の事業で、この豪士山へは会として2回目、個人的にはもう6回目ほどになる。前回参加したメンバーは、時間切れなどにより駒ヶ岳まで足を伸ばせなかったこともあって今回はその宿題を兼ねた山行計画となった。さらにこの時期は花の時期とも重なって楽しみも豊富だ。何しろ豪士山といえばサラサドウダンであまりにも有名だからである。高畠町に向かっていると登山口に近づくに連れて日差しも降り注ぐほどにもなり、天候の心配は全くなくなってしまった。駐車場には1台も車はない。もっとも豪士山に登るには早い時間帯ということもあった。車は登山口まで行けるのだが300mほど手前の本宮キャンプ場に車を止め、今日はそこからの歩き出しとなった。

 登山口から沢を渡って尾根に取り付くと、そこからは急勾配となりたっぷりと汗を搾り取られた。エゾハルゼミの鳴き声が、まるで時雨のように降り注いでいて耳を覆いたくなるほどだった。しばらく太い松やミズナラなどが目立つ沢沿いの尾根歩きが続いた。沢の流れは心地よく尾根にはときどき爽やかな風が渡ってくる。暑くも寒くもないという、山登りとしてはいまが一番良い季節を迎えているようだった。

 水場で休憩をとりジグザグに急坂を登ってゆくと、道の両側にはサラサドウダンやウラジロヨウラクが目立つようになった。気付いてみればこの花の競演は豪士峠までほとんど途切れることもなく続いている。それらに混じってタニウツギが至るところに咲いているので実に華やかな雰囲気が漂っていた。

 豪士峠からはひと登りで豪士山に到着した。ここまでゆっくり登って2時間半。前回は曇り空のために視界はほとんどなかったのだが、今日は展望を遮るものがなく、高畠町の街並みや遠方の山並みも思いのままに見渡せた。豪士山で大休止後は「ひかば越え」へと向かった。この区間はまだ道刈りがされていないのか少し歩きづらい道が続いたが、その反面今度はレンゲツツジのオンパレードだった。それもちょうど花の満開時期らしく、おびただしいばかりのツツジが山の斜面いっぱいに咲き誇っていた。色も一色ではなく、オレンジ色に近いものや鮮やかな濃いピンクのものまで様々な色合いを見せているのだから驚くばかりだった。このレンゲツツジは「ひかば越え」に降り立つまで続いていた。

 広々とした草原の「ひかば越え」からは正面のピークを目指して再び尾根伝いに登らなければならない。鬱蒼としたブナ林となり植生がガラリと変わった。2つの小さなピークを通過しながら徐々に標高を上げてゆくとやがて1074m峰に着いた。ここには「高畠町最高地点」を示す標注が立っている。地図をみれば南側はもう米沢市だ。時間はちょうど正午とあって待ちかねた昼食となりしばらく大休止となった。

 駒ヶ岳へは右の支尾根伝いにいったん下りて行く。ここではエゾハルゼミの鳴き声は聞こえない。森閑としたブナ林をひたすら下り、鞍部から登り返すと山形駒ヶ岳の山頂だった。「高畠町最高地点」からは結構な距離があるかにみえたのだが歩いてみれば15分程しか経ってはいなかった。ただ山形が誇る駒ヶ岳というのに展望がないのは残念だった。

 駒ヶ岳を後にすると信濃沢へと下るだけなのだが、コースそのものは変化に富んでいて結構楽しめる区間だ。樹林帯を抜け出すと見晴らしのよい尾根歩きとなり、振り返ると駒ヶ岳の勇姿を仰ぎ見ることができるうえに、時々高畠町の町並みもチラチラとみえた。とくに969mピークから急坂の下りでは右手に豪士山の稜線が一望できて飽きることがなかった。尾根分岐から右折すれば信濃沢まではまもなくだ。

 信濃沢に降り立った時には午後3時近くになっていた。樹林帯は深くあたりは夕暮れのような薄暗さにつつまれている。信濃沢は冷たい雪解け水が流れていて、みな渇いたのどを潤したり汗を流したりしながら疲れた体をしばし休めた。沢から林道まではまだしばらく歩かなくてはならない。駐車場までは40分ほどもかかるだろうか。とぼとぼと歩き出すとまもなく小雨が降り出し始めてきた。みんなは傘を差したり雨具を着たりしながら林道へと向かった。


元気です


豪士山から高畠町が見えました


豪士山で


レンゲツツジと山形駒ヶ岳(右)


レンゲツツジに囲まれる


高畠町最高点にて昼食休憩です


山形駒ヶ岳に向かいます


まもなく豪士山登山口です



コース

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