山 行 記 録

【平成23年6月12日/祝瓶山荘〜祝瓶山〜赤鼻尾根】



祝瓶山山頂



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1417m
【地形図】(2.5万)祝瓶山、(20万)村上
【天候】曇り時々晴れ
【温泉】長井温泉「桜湯」300円
【参考タイム】
祝瓶山荘6:30〜祝瓶山9:40-10:10〜赤鼻11:10-10:20〜祝瓶山荘12:40

【概要】
 祝瓶山荘への道路が2、3日前に開通になったことを知り早速登ってみることにした。6月のこの時期に登るのはかなり久しぶりである。山荘到着はまだ朝早い時間だったが、登山計画書によると4時半頃から登り始めたという県外からの登山者もいて驚いた。他には登山者もいないらしくしばらく静かな登山道が続いた。周りはまだ雪解けが終わったばかりで、路傍にはカタクリ、コイワカガミ、タムシバなどが咲いているだけだった。

 桑住平から3カ所の小沢を渡ると急坂となる。気温はまだ低かったが、この急坂ではさすがに汗が流れた。やせ尾根に出るとムラサキヤシオが急に目立つようになり、その鮮やかさに気持ちまでが華やかになるようだった。この祝瓶山への直登コースは一気に山頂まで登れるのが魅力的である。まさしく天空に駆け上がるかのような急登が連続するので無駄がないのである。それだけに体力も必要なのだが、今日はどうもすぐに疲れを感じてしまい、途中では何回も休憩をとらなければならなかった。

 山頂到着は午前9時40分。所要時間は3時間10分と普段よりは1時間も余計にかかっていた。のんびりと歩いたこともあるが体調がいまひとつなのも理由だろう。山頂では二組3人が休んでいたが、3名とも小国側から登ってきた人たちで、早朝に祝瓶山荘を発った人はすでに赤鼻尾根へと下った後のようだった。

 今日は高気圧に覆われるとあって晴天を期待したのだが、山頂では予想外に雲が広がっていて、展望はあまりない。木地山ダムや前大玉山までがやっとわかる程度で、大朝日岳の山並みは全く見えなかった。それでも山頂では爽やかな風が流れていて、汗をかいた体には心地よいものだった。強い日差しはないものの暑くもなく寒くもないという、山登りには最適な季節なのかも知れなかった。

 至福の山頂だったが、それでも30分も休めば十分だった。赤鼻尾根は意外と長い。今日は下りの方に時間がかかりそうなので、後片づけを終えると赤鼻尾根へと向かうことにした。山頂の西斜面にはまだ結構な残雪が残っていたが登山道にはほとんど見られず、歩く分には快適だった。ヒメサユリは堅い蕾の状態で開花時期まではまだ2週間は早いように見えた。

今シーズンの雪の多さを反映してか、多くの倒木が登山道を塞いでいてびっくりする。樹齢が100年以上もありそうな太いブナも根こそぎ倒れていて、見るも無惨な姿をさらしていた。相変わらず人の姿はなく、静かな山中に鈴の音だけが大きく響き渡った。時々日差しが戻ったりしたものの、快晴にはほど遠い天候だったが、熱射病を心配するよりははるかによかった。途中めずらしく赤鼻尾根経由で登ってくる単独の人に出会った。樹林帯に入ってしばらくすると最低鞍部となり、そこからひと登りすると赤鼻のピークだった。

 赤鼻尾根からは急坂をひたすら下るだけだが疲れもあって、鎖場やロープのある箇所ではこれらを頼りに慎重に下った。平坦なブナ林が広がるようになると沢音がだんだんと大きく近づいてくる。アカハナ沢とヌルミ沢の合流点ではまだ多くの残雪があって沢を埋め尽くしていた。6月中旬でこれほどの雪渓を見るのは初めてのような気がした。合流点から祝瓶山荘まではまもなくだ。


大玉山(山頂直下から)


山頂から小国側を


下山路で祝瓶山を仰ぎ見る


ヒメサユリの蕾


アカハナ沢とヌルミ沢の合流点


木地山ダムから


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