山 行 記 録

【平成23年2月11日/志津温泉〜湯殿山】



湯殿山



【メンバー】単独
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】 湯殿山 1,500m
【地形図】(2.5万)月山、(20万)村上
【天候】曇り時々晴れ
【温泉】西川町 水沢温泉郷(300円)
【参考タイム】
 志津温泉8:15〜湯殿山11:40〜休憩(1050m地点)11:50-13:20〜湯殿山の肩(1380m地点)13:00〜志津温泉13:40

【概要】
 今日は山岳会のメンバーとの日程があわず、久しぶりの単独行ということから以前から延ばし延ばしとなっていた湯殿山である。南岸低気圧のため山形県内は小雪がちらついたりするものの比較的穏やかな朝を迎えていた。志津温泉は1月の大雪のおかげで道路の雪壁は見上げるほどまでの高さになっていた。天候はまずまずなのに駐車スペースには宮城ナンバーが1台。すでに出発した後らしく車にはうっすらと雪が降り積もっていた。

 シール歩行を開始すると深々とした先客のトレースが続いていた。その踏跡はネィチャーセンターの裏手をとおりながら迂回しているようだった。はじめは同じように湯殿山が目的なのかなと思ったのだが、やがて石跳川も横断しながらそのまま直進している。二人組は間違いなく姥ケ岳へと向かっているようだった。しかし、今日は降雪直後ということもあって新雪に一歩踏みだし行く元気がまだない。こうして湯殿山へ向かうのを戸惑っているうちにトレースは対岸の尾根へと登り始めていった。これではかなわないので途中からトレースを追うのを止めて石跳川へと方向転換した。

 石跳川は多くの積雪に埋まりどこからでも右岸台地に上がってゆけそうだった。適当なところから上がろうとすると雪は腰までも埋まるほどだった。他人のラッセルをたどる分にはラクチンなのだが一人でラッセルとなるとたちまち汗が流れてしまった。単独ラッセルは踏ん切りがつくまでがたいへんなのだが、いざこぎ出してみると日頃の運動不足にはちょうどよいウォーミングアップになりそうであった。南東尾根への取り付きで行動食を口にいれていると後から単独の男性が追いついてきた。急坂をラッセルしていると、その人は途中で断念したのか姿がみえなくなってしまった。

 森林限界を過ぎると視界は徐々になくなっていった。天候さえ良ければ素晴らしい光景が展開する地点なのだが今日は諦めるしかないようだ。振り返ると石見堂岳や赤見堂岳などの朝日連峰。そして姥沢や志津温泉周辺は明瞭なのだが上部には厚い雲が居座っていて視界は不良気味だった。しばらく視界のない中をたどるとやがて湯殿山の山頂だった。

 山頂部はさすがに風が冷たくてのんびりする気分ではなく、証拠写真だけを撮り、急いで滑降の準備を整えた。山頂からの雪質は最高のパウダーだった。広々とした南斜面を交えながら一気に急斜面を下ってブナ林へと入って行く。湯殿山南東尾根のブナ林は間隔も疎らで、そして太いブナが多いところだ。この林間を縫って滑る心地よさは湯殿山ならではのものがある。一気に下るのはさすがにもったいないなく、適当なところで昼食をとることにした。休んでいると人の話し声がする。ちょうど下から10名ほどの団体が登ってくるのが見えた。

 その頃から天候はますます回復基調になっていた。姥ガ岳の山頂までが晴れてきたのである。そんな様子を見ているうちにもう一度湯殿山の無木立斜面を滑ろうかという気分になるのも自然の成り行きだった。急いでシールを貼り直して再び山頂へである。今度は団体のトレースがあるのでラッセル必要もなく登りは楽勝だった。たちまち団体達が休んでいる湯殿山の肩に着いてしまった。リーダーと思われる人に声をかけてみると、その団体は宮城からのガイドツアーのようであった。天候が回復基調だとはいえ、ここから上部の視界はほとんどない。団体さんはこの地点から次々と滑走していった。

 石跳川の対岸を見るとうっすらと装束場が見えた。石跳川は大量の積雪に埋まり、どこが源頭部かわからないほど平坦になっていた。湯殿山の山頂はすでに踏んでいるので僕もこの肩から下ることにした。一度滑っているおかげで斜面の状況や雪の状態もわかっている。二度目はスピードに乗って大胆に滑ってみることにした。途中で団体を追い越すと先には誰もいなくなり、斜度が緩んだ地点からは団体が残してくれたボブスレーコースを一気に志津温泉の駐車場へと向かった。


湯殿山の山頂


休憩していると団体さんがやってきた


晴れる姥ケ岳


今回のルート(青は登り、赤は下り)

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