山 行 記 録

【平成23年2月5日/蔵王連峰 坊平〜仙人沢吊り橋〜中丸山〜猿倉】



中丸山山頂(上野さん撮影)



【メンバー】5名 西川山岳会(柴田、上野、神田、荒谷、蒲生)
【山行形態】日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】熊野岳1841m、中丸山 1562m
【地形図】(2.5万蔵王山(20万)仙台
【天候】雪、濃霧
【参考タイム】
ライザスキー場駐車場8:45〜仙人沢吊り橋9:10〜中丸山10:45〜猿倉駐車地点13:20(718m)
猿倉駐車地点=(車)=ライザスキー場駐車場

【概要】
 5日は恒例の中丸山ツアー。今日は朝から天候は曇り空で、ライザスキー場ではゲレンデさえも見えない悪天候だった。さらに風も強く熊野岳の山越えが不可能なのは明らかだった。よってお田ノ神避難小屋でお茶を濁そうかという話もあったのだが、以前から気にかかっていたルートがあった。山越えができなければ手っ取り早く、仙人沢吊り橋を渡って中丸山に登るというものである。いわばショートカットのいいとこ取りのようなコースだが、僕は4年ほど前に逆コースをたどってライザスキー場に戻ったことがある。このルートはリフトを使用しないというのもいい。悪天候の時ほど自分の足で登ったほうがはるかに楽しいのである。また山頂近くまではブナ林が広がっているのがわかっているので、少々の悪天候でも林間内は穏やかであろうという判断だった。不安材料は山頂までは急坂が続くので雪崩が心配だったのだが、実際に足を踏み入れてみると最近の好天により雪は締まり、それほど危険という状況ではなかった。

 ゲレンデを横切って行き、リフト終点付近から仙人沢吊り橋へと降りてゆくと、スキー場の音楽などは全く聞こえなくなった。沢の中は風もなく穏やかだったが吊り橋を渡るとかなりの急斜面となった。足を踏み外せば40m真下の仙人沢へと奈落の底だ。慎重にジグを切りながらしばらくすると明瞭な尾根道となり、ようやく安心感がひろがった。尾根道は結構広々としていて、ここを滑ってくる場合でもそんなに問題はなさそうだ。しかし、視界は4、5メートル程度であって周囲はただ白い世界があるだけだった。4年前に下ったときも完全なホワイトアウトだったことを思い出した。

 樹林帯が終わると風は急激に強くなった。視界はさらに悪くなる一方で一歩先も見えない状況となった。こんな時にはGPSに頼る意外になく、黙々とそして右往左往しながら高見へ高みへと登ってゆく。適当なところから滑りだしても良かったのだが山頂へどうしても登ろうという意見が強く、そこからはホワイトアウトの中での雪中行軍となった。ようやく山頂にたどり着いたのは登り始めてから2時間経過していた。なにもない平坦な山頂だったが、GPSは確実に三角点を示している。背景には何もないながらも記念写真をみんなで撮影した。

 一部、シールで下るものもいてしばらく滑り出しまでは我慢が続いたが、雪が柔らかくなった辺りで全員シールをはがし滑降開始となった。そしてブナ林にはいると風はウソのようになくなった。僕たちはブナ林の平坦な場所を選んで昼食休憩の大休止とした。ツェルトに5人が納まり温かいものを食べると気持ちが安らぐようだった。山頂付近のブリザードからみればこのブナ林は天国のような穏やかさであった。

 休憩が終われば本格的な滑降開始である。雪は大量に降り積もっていて、どこでも滑ってゆけるのがなによりうれしい。普段は波打つような林間もウソのようになだらかである。そして尾根道にもブッシュは少なくスキーは快適に走った。コースも終盤近くになると普段ならばヤブの密度が濃くなってゆくのであまり滑りにはスキーは適さなくなるのだが、今回は何も苦労することなく尾根の末端まで滑ってゆくことができたのである。尾根が終われば山道に沿って下るだけである。ここもスキーはよく走り、まもなくすると猿倉から蔵王温泉へと通じる県道が目前に迫っていた。



仙人沢吊橋を渡る
(上野さん撮影)


仙人沢吊橋を渡る

コース概要

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