【概要】
今日は朝からかなりの冷え込みだった。今年一番の寒気が入り込んでいるためで、平地でも氷点下11度とまるで冷凍庫同然のようだ。ましてや2000m近い北望台付近となると氷点下20度前後だろうと思われるほどで、顔の筋肉もひきつるほどだった。皮膚は今にも張り裂けそうで最初から目出し帽などで寒気対策をしながら登った。それでも手先は凍傷にかかるかと思われるほど冷たくて途中でホッカイロをメンバーからもらった。
こんなに冷え込みが厳しいときには好天に恵まれるものだが、今回はそう簡単ではなかった。登り始めこそ快晴のような空が広がっていのだが梵天岩を登る辺りからガスに覆われ出してしまい、ピーク付近では厳しい風雪のような天候になってしまった。天候がよければ西吾妻山周辺でいろんなコースを楽しもうという計画もあったのだが、いくらがんばっても天候には勝てそうもなく今回はあきらめるしかなさそうだった。いつものように吾妻神社を経由して西吾妻小屋へととりあえず逃げ込むことにした。その途中で出会った単独の人が若女平を下るつもりだといいながら僕達と別れていった。
山小屋では早めの昼食をとりながら天候の回復を待つことにした。しかし、一向に青空が広がる気配はないので小屋を出たところでシールをはずし滑降開始とする。ガスに包まれているとはいっても視界がそれほど悪いわけではない。いざ若女平のコースへと下り始めると風はぱったりと止んでしまった。こうなると寒気が厳しいだけに雪は飛ぶように軽く、僕たちには極上のパウダーが待っていた。樹林を縫いながら滑降する楽しみはこのコースならではのものがある。単独であれば一気にくだるところも今回は一緒のメンバーがいるのでところどころで待ちながら滑るのも楽しいばかりだ。多すぎるほどの積雪のおかげでどこでも滑ってゆくことができて、まさしく縦横無尽にそれぞれが勝手気ままに滑降を楽しんでいる。ビデオや写真を撮りながら滑るつもりだったのだが、あまりに快適なのでもうそんなことはどうでもよくなっていた。
若女平ではのんびりと休憩時間をとって時間の調整だ。飛ばしすぎたわけでもないのだが、やはり雪があまりによかったのだろう。小屋を出てからいくらもたっていなかったのである。若女平から急斜面へと続くルートも面白いようにスピードにのってスキーが走った。ヤセ尾根も瞬く間に通過した。カラマツ林や杉林の区間も豊富な積雪とほどよい雪質のおかげで上へ下へと自在に滑りながら高度を下げてゆけば最後の急斜面だった。
この頃になるといつのまにか雪が舞い始めていて、見上げると視界はほとんどなくなっていた。若女平では薄日も差すような好天だったのだが山の天候はいつもながら変わりやすい。西吾妻小屋から下り始めた時間帯は最高のタイミングだったようだ。杉の植林地を抜け出すとゴールが目前に迫っていた。
北望台から米沢市街を見渡す |
中大巓を下って行きます |
西吾妻小屋 |
途中でちょっと休憩です |