山 行 記 録

【平成22年12月26日/志津温泉〜姥沢



ネイチャーセンター近くをラッセルです



【メンバー】単独
【山行形態】山スキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】姥ケ岳 1,669.7m(※姥沢まで)
【地形図】(2.5万)姥ケ岳、(20万)村上
【天候】風雪
【温泉】西川町 水沢温泉館 300円
【参考タイム】
志津温泉8:30〜姥沢10:40-11:20〜志津温泉12:00

【概要】
 今シーズン4回目の月山。今日は朝から風雪模様のため駐車場には4〜5台しかなかった。よくみれば山岳会の大○さんと阿○さんの車もある。さすがに若い二人にとっては悪天候など関係がないようで思わずうれしくなる。僕は僕で予定は湯殿山だったが、悪天候に加えての一人ラッセルはつらく、途中で引き返し姥沢へと転進を決定する。姥沢への先客は4〜5名はいるようだったが、そのうち半分くらいがネイチャーセンターへと向かったらしく、トレースが残っていた。

 先をゆく二人を途中で追い越すとトレースは一人分だけとなり、その踏跡は鉄塔下を通らずに林道を登っていた。こんな悪天候の時はラッセルの方がよほど楽しいというのが僕の偏見である。そんなことを考えながら鉄塔下の登りにとりかかった。しかしここは急坂だけに結構きつい。最近の降雪のおかげで積雪はかなりのものとなっていた。その分ブッシュは全く見あたらなくうれしい限りだ。ひと登りすると今度は鉄塔に沿ってトレースがあり、その先を一人のスキーヤーが登っている。その人にはまもなく途中で追いついた。聞いてみれば宮城の若い人で、ラッセルのお礼をいってそこからはトップを交代した。

 立ち話をしながら山岳会の大○さんに無線を飛ばしてみた。すると、いま湯殿山の南東尾根を登っているのだというので驚いた。僕はまだ石跳川が雪で埋まっていないと思っていただけに、二人は当然石跳川経由で姥ガ岳を登っているだろうと考えていたのである。さらに驚いたことに彼らは湯殿山を滑ってから再び石跳経由で姥ガ岳を登り返す予定だというから唖然とする。なにしろ今日の風雪なのである。体力、気力といったものが僕とは全然違うのだなあと思わずにはいられなかった。あとでわかったのだが大○さんたちは3人パーティだったようであった。

 僕は僕で新雪のラッセルが結構足にきていた。そのため何回も途中で呼吸を整えなければならず、なんとなく情けない気持ちにもなってしまった。鉄塔下は樹林帯のため風はそれほどではなかったものの、上空では猛烈な吹雪となっているようだった。これまでの月山があまりに天候がよすぎたのだろう。久しぶりに冬山の洗礼をうけている気分だった。最後の急坂を登ると周りを遮るものがなくなり、激しい風雪に全身が晒されるようになった。ぼくは途中で目出帽をかぶった。

 姥沢駐車場への直線部分は目もあけていられないほどの吹雪となっていた。こんな時にはやはり樹林帯の方がはるかに楽だろうと思いながらも姥沢へと黙々と歩いた。正直なところ一目散に山小屋の軒先へ逃げ込みたかったのだ。

 途中寄り道をしたこともあるのだが、2時間以上かかってようやく姥沢へと登り着いた。目の前の姥ガ岳は風雪に霞んで見えなかった。宮城の人は石跳川の方角に下るらしくここで分かれた。僕はシールをはずしてからツェルトを取り出し一休みをとることにした。風雪は厳しかったがツェルトに潜り込めばもう安心である。軽い食事をとりながらしばらく休んだ。聞こえてくるのは風の音だけだった。

 風雪は治まるどころかますます激しさを増していた。30分ほどたったところで僕は姥沢から引き返すことにした。2人分の踏跡はすでに強風でかき消されていた。斜面を下っても新しいトレースはなく、他の人達は途中で引き返したようだった。距離は短いがこの鉄塔下は雪が深いだけにスキーでも快適な区間だ。今日は鉄塔下のパウダーだけがラッセルをしたご褒美となった。


雪舞う朝の志津温泉


姥沢がまもなくですが風雪のため視界がありません

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