山 行 記 録

【平成22年11月27日/姥沢〜紫灯森〜姥ケ岳東斜面】



月山をバックに滑降(上野さん撮影)



【メンバー】5名(上野、神田、荒谷、大江、蒲生)
【山行形態】山スキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】姥ケ岳 1,669.7m
【地形図】(2.5万)姥ケ岳、(20万)村上
【天候】晴れ
【参考タイム】
姥沢8:00〜リフト上駅9:00〜紫灯森10:10〜姥ケ岳10:50〜リフト上駅〜姥沢14:10

【概要】
 今年の異常ともいえる猛暑の影響がまだ続いているのだろうか。山ではとっくに初冠雪があったとはいえ、いまもって平野部には全然雪が見あたらなかった。しかし、いくらなんでも月山にはあるだろうと、なかば駄目元のつもりで西川町に向かうことにした。

 車が入れるのは一応月山荘までだった。しかし、道路には雪は全くないのでバリケードを一時ずらさせてもらい、そのまま姥沢へと上がった。結局車は姥沢小屋付近、つまりリフト乗り場近くまで上がることができたのだが、車であがれたからといってもそれほどうれしくはない。さすがに姥沢まで上がれば雪はあったものの、それでも路肩付近にどうにか残っている程度で、積雪の少なさには落胆するばかりだった。まあ上には雪があるだろうとしばらくスキーを担いでゆくことにした。天候は恨めしいほど晴れ渡っていた。

 リフト下の鉄塔、5本目あたりで雪が現れ始め、ようやくシール登高が可能になった。さっそくザックを下ろして全員がシールを貼る。今シーズン初めてのシールだが結構感触はいい。先日までは晩秋の山歩きが続いていたが、こうしてシール登高をしてしまうと気持ちは一気に山スキーへと切り替わってゆくようだ。気温は低いもののそれでも日差しがあるので結構汗が流れた。

 リフト終点からは真っ白な姥ケ岳が正面だった。積雪は少ないとはいえ、滑るにはそれほど問題はなさそうだ。なによりも天候がよいのがうれしい。雲はほとんどなく快晴の空が広がっているのである。空の青さはまるで宇宙の闇が透けて見えそうなほどだ。眺めているとため息がもれそうだった。さらに東斜面に回り込んでゆくと、見渡す限り一面の雪景色となった。ところどころ、まだブッシュが目立つとはいえやはり豪雪地帯、月山である。期待を裏切られないのがなによりだった。

 当初の目標である姥ケ岳の滑降は後まわしにすることにして、晴れているうちにとりあえず紫灯森までは登ろうと決まった。今日の天候ならば月山山頂までも手が届きそうだったが、メンバーそれぞれに予定があって昼過ぎまでは下山しなければならない事情がある。紫灯森のピークからひと滑りをして、そのあとで姥ケ岳の東斜面を楽しむことにした。

 紫灯森では少し薄雲が広がり始めてしまい視界はなくなったが、それでも時間の経過とともに再び晴れ間が広がるようになり、案ずるほどではなかった。ただし、紫灯森のピークは強風が吹き荒れていた。まるで両手が凍りそうなほどの冷たさだ。予想以上の風の強さに狼狽しながらも、急いでシールをはずし、とりあえず風の少ない場所まで滑ろうということになり、それぞれが思い思いに滑降を開始してゆく。みんな久しぶりの滑りとあって恐る恐るの様子が伺える。それに風が強いだけあって少しアイスバーンが多すぎたようだ。沢底までくだったところで、やはり姥ケ岳の東斜面が良さそうだとみんなの意見がまとまり、ここからはシールを貼りなおして姥ケ岳へと方向転換となった。

 姥ケ岳へと登り返す頃には風がほとんどなくなっていた。それに気温の上昇もあって雪が適度に柔らかくなっている。今日はここでしばらく楽しむのが一番だろうと決定する。なにしろ斜度、雪質、天候とどれをとっても文句なしなのである。しばらくたってから姥ケ岳まで歩きの団体さんが登ってきたようだがスキーヤーは僕たち以外には見当たらなかった。この姥ケ岳の広大な斜面が、今日は僕たちだけの貸し切りゲレンデであった。3回も登り返しをして滑りまくったせいだろう。無垢で手つかずだった斜面は荒れに荒れてしまっていた。時間があればまだ何回でも東斜面を楽しみたかったのだが、時間切れとなったのはいささか残念ではあった。



リフト下を登ります。この辺は風がありません。


金姥を経由して紫灯森をめざします


姥ケ岳山頂。エビのシッポがまだ小さいようです。


沢底でお昼のお楽しみです。乾杯!


至福の時です


至福の時(右は月山山頂)この辺はパウダーでした。


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